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■ 真夜中のシルキーヴォイス
一日中ごろごろとしていたので、 瞼が重くなってきてもなんだか素直に寝る気にならない。 あまり煩くないボーカルものを 小さめの音で流して短篇小説を一編読んだ。
高校生の頃、国語教師が 「男子が宮本輝などが好きだと言うと 文学好きの間ではちょっと疑われちゃう」 と言うような事を言っていた。 宮本輝の文章は柔らかい。 ハードな文学男子には軟弱なように取られる、 と言う意味合いだったと思う。
僕は宮本輝の文章は好きだ。 正当派で静かな風で、 柔らかい文章は登場人物が男でも女でも 全く違和感なしに自然に読ませてくれる。
ソウルを聴きたくなっても 大抵はレコードで実家に所有しているので聴けない。 どうしてもアイズレー・ブラザーズが聴きたくなって、 メロウな曲ばかり集めた企画もののコンピを借りた。 梅雨の暗い曇りの日、たまに冷蔵庫の音が聴こえる。 部屋はアイズレーのシルキーヴォイスで満たされた。
アリゾナの午後の乾いた空気。 ぼろアパートのまるで加湿送風機かのようなスワンプクーラー。 大音量で流れてくるアイズレーの"FOR THE LOVE OF YOU"。
カラスはおばあさんが大事にしているスープのスプーンをさらって行ってしまう。カラスは木のウロか何かに隠したけれど、後で自分がスプーンをどこに隠したか忘れてしまう。
2006年07月02日(日)
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