Desert Beyond
ひさ



 秋深まる

雨が物干し竿を打つような音を聴いて起きた。
また雨か。と思ったけどカーテンを開けると晴れだった。
ベランダのドアを開けて網戸にしても
冷たい空気は入ってこなかったので
長袖一枚ででかけたら
1分くらいでちょっと薄着過ぎたとおもった。

学校で班に分かれて実験をしていて
温度を読み取る人がずっとしゃべってて
やる気がない上にいい加減だったので
とてもいらいらしてしまった。
いい加減なデータがみんなのデータになってしまう。
そんなデータを入力して計算して
結果と考察を書いたりするのが無意味に思えたので
同じように感じていた他のクラスメート達と
自主的にもう一度同じ実験をした。

学校の帰り、西日と秋深まる冷たい空気を受けて
Kings of Convenientを聴きながら帰ってきた。
秋から冬にかけて絶好の音楽だ。
細い子供の桜並木のつける葉は
どれも心地のよいほんのりとした紅葉で
その色は見ている間だけ心を和みで包んだ。
家が近くなってみかん色の光の中で
太陽に向かって自転車をこいでいたら
不意に寂しい気分になった。
部屋のある階に向かうエレベーターの中で
ためいきをひとつついた。

2005年11月07日(月)
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