Desert Beyond
ひさ



 Reality bites (escaping)

親友が東京から朝一の飛行機で遊びにきた。
髪を切ってくれるということで
わざわざ商売道具のハサミやら
なんだかよくわからないものやらを持ってきてくれた。
歳をかさねるごとに少しずつ
心地良いゆるさのでてきている感じが好きだ。
僕が学校に行くときに
中学生の頃みたいに自転車に二人乗りで
川沿いを大人げなくはしった。
僕は授業に。親友は道後温泉本館に。

今日は夜からアルバイトもあったので
本当にほったらかしにしてしまってごめん。
僕は明日も提出するものがあるけれど
とりあえず0時までビールをつきあった。

親友がいてくれて気がまぎれる。
きっと僕の中で潜在的に
現実から逃げようとしている力が働いて
親友の存在がある種触媒的な役割になっているのだと思う。
一人でいるとどうにもつらくなるので
とてもありがたいと思うけれど
現実からは一時的にしか逃げることができない。
きっと友達が東京に帰ってしまった後に
数日分のつけを一度に払うかのようにつらくなるんだろうな。
一人でいるのが苦痛になるんだと思う。

無理に被害者のように自分を作って
つらい境遇を演出してつらさに酔うのは嫌いで
僕はそんなふうにはしていない。

2005年10月31日(月)
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