Desert Beyond
ひさ



 おつかれ

ビルの側面が裏通りに向けて
一面硝子張りになっていて
中には非常階段が地上階から
ずーっと上の見えなくなるまで
ジャックと豆の木の木みたいに続いてる。
僕はちょっと間をおいたところに建っている
丸っこいビルの6階にいたわけだけど
ずーっと見てると結構面白い。
ひょっこり現れたかと思うと
下の階に移動してフロアに入っていく。
逆に下の階から上の階へ行ったりする人もたまに。
ちょこっと出てきて携帯をするサラリーマンや
ゆーっくり上から下へ階段を降りていく
制服姿の警備のおじさん。
飽きない程度に人が現れて
なんだかアリの巣かなんかを観察してるようだった。

昨日で仕事で受け持った全4回のコースを終えた。
ちょっと最後の方でしくじってしまって
エラー、という評価項目が厳しい内容だった。
生徒は最後に授業を評価するので
厳しい代わりに勉強になるしステップアップできる。
でも少なからず凹む。
上を見ないと、上を。

空気がぼわんとなるくらいの湿気で
遠くの音が虚ろに響くよ。


2004年06月28日(月)
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