Desert Beyond
ひさ



 渋谷深夜

スガシカオの「黄金の月」、いい曲だなぁ。
今日スガシカオのClover、3回くらい聴いた。
ガツンと来る曲とかあまりないんだけど
なんだか魅かれちゃう。

渋谷のツタヤに返却期限日だったので
夜中のドライブついでに渋谷へ。
運転も好きだし、好きな音楽を
一人で好きな音量で聴けるから
渋谷までなんて全然苦じゃない。

日曜深夜の渋谷は伽藍としていて
たまに霧みたいな雨が濡れない程度に降った。
いつも宮益坂に停めて、
そこからテクテク歩く。
坂の下の交差点を渡って
JRの高架下を過ぎたらそこはツタヤのビルだ。

学生も社会人も日曜深夜はいない。
きっと平日休みの人ばかりなんだろうな。
ホームレスの人達は人も少なくなって
ちょっとホッとした感じだった。

坂の途中、停めてある車の中で男女が話をしていた。
交差点で客待ちタクシーの運転手は
暇そうな顔をして通行人に客はいないかと
通る人をあくびをしながら眺めていた。
高架前にはいつも夜のお店の呼び込みが
蝶ネクタイをして1人か2人いる。
電話をしてるフリをしてみると呼び込もうとしない。
メールを打ってるフリをすると呼び込もうとしてくる。
両方実験済み。
今日はフリをする自分が滑稽でばかばかしいと思い
何もせずにてくてくてくと歩いた。
そしたらダメもとみたいな感じで声をかけられた。
高架下の夜中なのにステーキを食べさせる店に
外国人のカップルが食事を待っていて、
その店の脇の暗いところにはおじいさんが座ってた。
おじいさんは手をするりと擦っていた。
指の一本が途中からなかったのが印象的だった。
渋谷駅前の交差点の歩行者信号機が
丁度青に変わったところで
そのままてくてくてく。明るいツタヤへ。
半額セールなので9枚も借りてしまった。

渋谷って混沌とした街だ。
たとえば懐かしいなんて感情が
渋谷を思い出した時に思う事は
将来あるんだろうけれど
どうやったって恋しくなったり
好きになったりできない街だ。
あまりにもスペクトラの幅が広すぎる街。
2,3色だけで十分なのにさ。

Double Standard Sunaga t Experience
というアルバムを借りた。なかなか良い。
流しておくぶんには。
聴きながら帰って来たんだけど
その中のshort wave radioって曲。
曲というか作品というか。
色んな国の短波放送の声をサンプリングしてるのかな。
小さい頃、真夜中の空気がちりちりと澄んだ冬
真っ暗な部屋でラジオのダイヤルを
ゆっくり回しているときのようだった。
胸がぎゅっとなった。

ゆうべは雨の音を聴きながらねようとしてたら
雨がやんでしまった。
仕方なくちょっと読書をしていたら
またしとしとと降ってきたので
本を閉じて、電気を消して、寝た。
今日は雨が降っていないので静かに眠ろう。

2004年05月16日(日)
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