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2021年04月09日(金) ■ |
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大切なのは今ある関係、触れられる相手 |
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映画「ナンシー」(クリスティーナ・チョー監督)から。 「嘘をつくことでしかコミュニケーションを取ることができない女性」 それが、主人公・ナンシーだというのだろうが、 今やネットの世界では、デマや嘘は驚くほど氾濫しているし、 彼女の嘘が、そんなに社会に影響を与えているとも思えない。 人付き合いが苦手な彼女が、 他人の関心を集めるために嘘ばかりついていた、という設定は、 あまり特別感はないし、そんなに驚かなかった。 この作品を「サイコスリラー」とジャンル分けした方が、 大きな間違い、嘘じゃないのか、と思うほど。(汗) さて、5歳で行方不明になった娘を30年間捜し続けている夫婦と、 もしかしたら私かも・・と思い込む主人公のナンシーの出会い。 お互いが、やはり人違いだったと気づいていたが、 それでもしばらく一緒に行動すると、親近感が湧いてくる。 さらに暗い表情の中に、彼女の優しい一面を見ることもある。 30年間娘を待ち続けていた女性は、やはり違ったと理解した上で、 ナンシーを抱きしめて、こう耳元で囁く。 「大切なのは今ある関係、触れられる相手。 愛してる、無条件で・・」 特に、人の温もりを感じる「触れられる」関係は、 30年間、忘れていた関係だったのかもしれない。 ハッピーエンドじゃなかったけれど、なぜか温かさを感じたなぁ。
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