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2019年07月16日(火) ■ |
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一人は信じ続け、もう一人は疑い続ける |
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映画「レオポルド・ブルームへの手紙」(メヒディ・ノロウジアン監督)から。 授業で書いた手紙がきっかけで、少年と囚人が手紙を介して繋がっていく。 でも途中で、あれ、この2人同じ人物かな?と疑問を持ち、 物語が進むにつれ、主人公の2人(少年レオポルドと囚人スティーヴン)は、 ジェイムス・ジョイスの「ユリシーズ」に登場する兄弟の名前だと気付いた時、 その仕掛けに対して、なるほどなぁと唸った。 母が嫌いだったから名付けたとされる「レオポルド」は、 同時に母が気に入っていたと思われる「スティーヴン」ではないか、と。 「一人は信じ続け、もう一人は疑い続ける」兄弟こそ、同一人物の主人公。 人は誰でも2面性の持ち合わせていることを、改めて実感した。 作品冒頭にメモした「物語の始まりは、予測できない。人生の始まりも。 それぞれの物語や人物の背後に歴史がある。 歴史が物語で作られているように、物語にも物語がある」というフレーズが、 意味をもって輝き出したのはこの時からである。 「過去の行動が、自分の未来を決める。それが世の常だ」や 「僕は彼を殺し、母は僕を殺した。理由はそれぞれです」など、 作品の仕掛けがわからないと、その台詞の意味さえわからなかったが、 たぶん、この映画、最初からこの視点で観ると、単純なんだろうなぁ。 邦画タイトルで騙されてしまったかも。(汗)
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