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2018年04月11日(水) ■ |
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生き残りたいなら、余計なことをするな |
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映画「それでも夜は明ける」(スティーブ・マックイーン監督)から。 今までにも、アメリカの「黒人差別」「奴隷問題」は、 何度となく人を変え、視点を変えて、作品となってきたが、 今回は「奴隷」=「拉致」という視点が浮き彫りにされた気がする。 ある日突然「拉致」され、今までの幸せだった生活から 訳もわからないまま、どん底の生活に落とされる展開は、 北朝鮮に「拉致」されたとされる人々の人生とダブった。 たぶん、抵抗することは死を意味するのだから、 「生き残りたいなら、余計なことをするな」というアドバイスは、 奴隷だけではなく、拉致された人にも通用するメッセージであろう。 こんな、人身売買が許された時代、ブラッド・ピット演ずる 奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスが、主人公に呟く。 「これは病気さ、この国の巣くう恐ろしい病気だよ。 いつか最後の審判が下る」 そして、リンカーンを始め、多くの人の活動により、 「黒人差別撤廃」「奴隷制度廃止」は現実となっていく。 いつになっても、この問題が「映画化」されるということは、 アメリカ・イギリスなど、植民地の人々を「奴隷」として扱った国々が、 今でも、その後悔を国家・国民として拭い切れない証拠だろう。 このテーマで映画が作られないと言うことは、 戦時中の日本の植民地政策は、間違っていなかったに違いない。 あくまで「奉公」であり「家畜」ではないのだから。
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