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2018年02月12日(月) ■ |
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この世界の片隅に、うちを見つけてくれて |
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映画「この世界の片隅に」(片渕須直監督)から。 学校の歴史では学ばないが、太平洋戦争で被害を受けたのは、 原爆投下された「ヒロシマ」や「ナガサキ」だけでなく、 全国各地で、空襲を受けた海軍・陸軍の拠点は、凄まじいものがあった。 作品舞台の「広島県呉市」は「戦艦大和」を造り上げた海軍の拠点として、 敵国から集中砲火を浴びた場所である。 終戦直前の空襲は、特にはげしく、1日に何十回と繰り返され、 その様子は市民らの「警報、もうあきた」の台詞で表現されている。 そんな中、タイトルの「この世界の片隅に」の意味が知りたくて、 メモ帳片手に、観続けた。 主人公の「すず」に、こう投げ掛けた幼なじみの台詞がある。 「お前だけは、最後まで、この世界で普通で、まともでおってくれ」 戦争で、いままでの生活も人間関係も少しずつ荒んでくるが、 そんなことに負けず、お前らしく生きて欲しい、 それが、みんなの励みになるから・・と、言いたげだった。 しかし、タイトルの「この世界の片隅に」は、作品の最後に現れた。 「この町では、皆誰かを亡くし、探している」 「周作さん、ありがとう。この世界の片隅に、うちを見つけてくれて。 ほんで、もう離れんで、ずうとそばにおってください」 この時代、どの国に産まれ、誰と出会うか、ではなく、 この世界の片隅で、誰かに見つけてもらえて嬉しい、という気持ちが 伝わってきて、ホッとした。 いろいろな大切なものを失ってきた「すず」が呟いた台詞、 私の心にも響いたなぁ。
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