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しもさんの「気になる一言」
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2017年09月21日(木)
ばくちは勝つためにうつ。

書籍「関ヶ原(上)」(司馬遼太郎著・新潮文庫刊・539頁)から。
大きな事業をしようとする時、必ず「ばくち」の匂いがする。
伸るか反るか、成功するか失敗するか、大きな賭けだからだ。
その「大切な賭け」(ばくち)に関して、こんな会話を見つけた。
危険だと感じた井伊直政に、家康は一蹴する。
「ばくちを打たずに天下を奪いえた者があるか」と。
また「そのようにうまくいくものでございましょうか」と、
心配するお勝に向かって「ばくちは勝つためにうつ。」と言い切る。
「勝つためには、智恵のかぎりをつくして、いかさまを考えることだ。
あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときには、
わが思う目がかならず出る、というところまで行ってから、
はじめてなげる。それがわしのばくちだ」と言う。
「それではばくちにならぬではありませぬか」と言うお勝に、
「いや、真のばくちだ。まことのばくちというものは、
運などはたよっておらぬ。わが智恵にたよっている」とまで。
さらに「ばくちは一人ではできぬ。相手が要る」と。
今は、このフレーズがとても気にかかるが、
まずは、映画「関ヶ原」(原田眞人監督)を観る前に、
「ばくちは勝つためにうつ」を記憶に残しておこうと思う。
単純だけど、インパクトのあるフレーズだったから。