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2017年02月10日(金) ■ |
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馬鹿な親鳥だよ |
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映画「乱」(黒澤明監督)から。 作品のラストシーン、こんな台詞がある。 「神や仏は、泣いているのだ!何時の世にも繰り返す、 この人間の悪行。殺し合わねば生きていけぬ。 この人間の愚かさは、神や仏も救う術はないのだ! 泣くな、これが人の世だ。人間は幸せよりも悲しみを、 安らぎよりも苦しみを、追い求めているのだ!」 たぶん、監督が伝えたかったことの一つだろう。 しかし私のアンテナには、途中、ピーター演じる「狂阿弥」の こんな台詞が妙に引っかかった。 「蛇の卵は白くて綺麗だ。小鳥の卵は、シミがあって汚ない。 鳥は汚ない卵を捨てて、白い卵を抱いた。 孵った卵から蛇が出て来た。鳥は蛇を育てて、蛇に呑まれた」 我が子を信じ、捨てられ、殺されそうになった父親(秀虎)が、 狂った挙句に「ここはどこだ? 俺は誰だ?」と叫ぶと、 「狂阿弥」は「馬鹿な親鳥だよ」の言葉を投げ捨てる。 この例え話が、私は気に入った。 世の中には「うちの子に限って・・」と声高に叫ぶ親がいるが、 親バカも甚だしいケースを良くみかける。 子どもを育てるということは、楽しいことであるが、 非常に難しいということも、理解しておいて欲しい。 一番信じていた者に裏切られることほど、辛いことはない。 いつの世も、親子の関係は、切っても切れない課題なんだろうなぁ。
P.S (おまけの話題) 黒澤明監督の「メイクを取ろうね」 http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=40832&pg=20030306
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