「開けてみなければ わからないけど、ちょっとイヤな感じを受けるんですよね」手術前日 担当医がそう言った。
何年か前から子宮内膜症だった私は、定期的に病院に通っていた。それが去年の夏 突然下腹部にしこりができ、同時にその部分の圧痛と、お腹の張りを感じるようになった。そして日を追うごとに、症状が酷くなっていく。でも ただの内膜症だろうと自分では思っていた。担当医は、手術は早い方が良いと言った。
手術の説明は、あらゆる可能性を想定して説明された。良性の腫瘍だった場合と、担当医の言う「イヤな感じ」つまり悪性だった場合。良性であったとしても 臓器どうしの癒着が激しいので 時間のかかる大変な手術となるらしい。
そして悪性であったとしたら・・・子宮 卵巣 リンパ節の摘出。そして 飛躍した話ではあると言いながらも 術後の抗がん剤投与の説明もされる。どこか、人事のようだった。『まさか自分が・・・』きっと 誰もが そう思う瞬間なのだろう。
「悪性の可能性はどのくらいなんですか?」とストレートに聞いてみた。先生は、「良性の可能性の方が五分五分より高いと思う」と言った。五分五分より高いって事は、6割くらいの意味合いだろうか?すると残り4割が悪性の確率か。
でも、何割だろうと 悪性である事への不安感は変らない。私は良性の可能性の方が『高い』事に望みを託した。あとは、手術が終わってから 考えよう。今 悩んだって 何も始まらないのだ。私とダーリンは、手術の承諾書に判を押した。
↑日記才人の投票ボタンです。投票にはユーザー登録が必要です。押して頂けると、励みになります。
|