女房様とお呼びっ!
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2004年05月20日(木) 愛を感じるとか伝えるとか

先日久方ぶりに2ショに入ったら、お喋りなM魚が寄ってきた。
どうやら意中のひとがいるらしく、釣りにもならず、どうでもいい話を散らかす。
ま、もともと釣る気もなかったからいいんだけどね。

彼は、最近その意中の彼女とプレイをした話をしたかったようで、
しばらくは何をやったとか出来たとか自慢めいた話が続く。
それがひと段落した頃合に、彼女の専属になれるかもしれないけど…と含みのあるログを残した。

ふと思いついて訊く。


「フリーでいるのと、専属になるのとどっちがいいの?」
「プレイ的にはフリーのほうがいいですけど、忙しいとか時間が限られてしまうと専属のほうが…」


それなりの経験を経た答えが小気味いい。
きけば、専属を務めたこともあるという。


「やっぱ専属だと心を理解してもらえるっていうか、愛の急所を衝かれるのがいいですね…」


は?愛の急所ってナンダ?と面食らって質問を重ねるうち、また盛大にログが積まれる。
彼はメンタルな話も好きらしい。
挙句トラとかウマとか語り始めるや、私はおよそ相槌をうつばかりとなり、この辺何を話したか憶えてない。



ただ、その話の流れで、「愛を感じることはありますか?」と訊かれた。
あまりに茫洋とした問いにたじろぎながら、ようよう答えを返す。


「私は結婚してるので、夫からの愛は感じてますよ」
「どういうときに感じますか?」


再びうぇぇと頭を抱えつつ、乗りかかった舟だとばかりに真っ当に答えてみる。


「気遣ってくれるときとか労わってくれるときとか…まぁ、日常のあらゆる場面で感じますけど」


文字にすると麗し過ぎて小っ恥ずかしいが、実際そう感じるのだからしょうがない。
更に質問は続く。


「奴隷からの愛についてはどうですか?」


完全に彼のペースにはめられつつ、しかし、私はここで答えに詰まってしまう。



この成り行きにして言い訳がましいけれど、イリコに愛がないとは思わない。
だから、奴の位置で、奴に出来る方法で、その愛は示されているはずだ。
夫について、「日常のあらゆる場面で」と答えたが、奴とだって相当に日常的に関わっている。
奴なりの気遣いや労わりだってもらってると思う。
なのに、奴については即答できなかった。



私もまた茫洋と、愛について思う。
人はどういうときに愛を感じるかしら?
どうやって愛を示すのかしら?

「愛している」という言葉そのものが、その役目を担うこともあると思う。
しかし、その言葉だけではたぶん、愛は伝わらない。
かけがえのない人をかけがえがないからこそ大切にしたい心根が、言動を通じて伝わるものと思う。

夫は私を「愛している」と言ったことはない。
それでも、私が夫の愛を感じるのは、本当に大切にされている実感を得ているからだ。
てことは、私が奴からの愛に確信がもてないのは、その実感が薄いからかしら?
夫よりはよほど、奴には気遣ってもらってるし、世話を焼いてもらってるのに…?

もっとも奴との場合、主の位置だと、
奴隷から大切に’される’という語感自体につまづいてしまう部分がある。
だから、私の感じ方そのものに問題があるのかもしれないね。
とすれば、奴には申し訳ない限りだわ。

…先の問答続き。

「愛を感じることが出来るって大事ですよね」

そのM魚が応えて言った。
私もそう思う。
わかっていたけど、今更に身に染みて思うよ。



改めてとなるが、私は主従間にも愛が存在すると思っている。
少なくとも私は、奴を愛している。
かけがえのないものとして大切にもしているつもりだ。

けれど、その愛は奴に伝えられているだろうか。
奴は、その愛を感じられてるだろうか。


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