女房様とお呼びっ!
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2004年05月20日(木) |
愛を感じるとか伝えるとか |
先日久方ぶりに2ショに入ったら、お喋りなM魚が寄ってきた。 どうやら意中のひとがいるらしく、釣りにもならず、どうでもいい話を散らかす。 ま、もともと釣る気もなかったからいいんだけどね。
彼は、最近その意中の彼女とプレイをした話をしたかったようで、 しばらくは何をやったとか出来たとか自慢めいた話が続く。 それがひと段落した頃合に、彼女の専属になれるかもしれないけど…と含みのあるログを残した。
ふと思いついて訊く。
「フリーでいるのと、専属になるのとどっちがいいの?」 「プレイ的にはフリーのほうがいいですけど、忙しいとか時間が限られてしまうと専属のほうが…」
それなりの経験を経た答えが小気味いい。 きけば、専属を務めたこともあるという。
「やっぱ専属だと心を理解してもらえるっていうか、愛の急所を衝かれるのがいいですね…」
は?愛の急所ってナンダ?と面食らって質問を重ねるうち、また盛大にログが積まれる。 彼はメンタルな話も好きらしい。 挙句トラとかウマとか語り始めるや、私はおよそ相槌をうつばかりとなり、この辺何を話したか憶えてない。
◇
ただ、その話の流れで、「愛を感じることはありますか?」と訊かれた。 あまりに茫洋とした問いにたじろぎながら、ようよう答えを返す。
「私は結婚してるので、夫からの愛は感じてますよ」 「どういうときに感じますか?」
再びうぇぇと頭を抱えつつ、乗りかかった舟だとばかりに真っ当に答えてみる。
「気遣ってくれるときとか労わってくれるときとか…まぁ、日常のあらゆる場面で感じますけど」
文字にすると麗し過ぎて小っ恥ずかしいが、実際そう感じるのだからしょうがない。 更に質問は続く。
「奴隷からの愛についてはどうですか?」
完全に彼のペースにはめられつつ、しかし、私はここで答えに詰まってしまう。
◇
この成り行きにして言い訳がましいけれど、イリコに愛がないとは思わない。 だから、奴の位置で、奴に出来る方法で、その愛は示されているはずだ。 夫について、「日常のあらゆる場面で」と答えたが、奴とだって相当に日常的に関わっている。 奴なりの気遣いや労わりだってもらってると思う。 なのに、奴については即答できなかった。
◇
私もまた茫洋と、愛について思う。 人はどういうときに愛を感じるかしら? どうやって愛を示すのかしら?
「愛している」という言葉そのものが、その役目を担うこともあると思う。 しかし、その言葉だけではたぶん、愛は伝わらない。 かけがえのない人をかけがえがないからこそ大切にしたい心根が、言動を通じて伝わるものと思う。
夫は私を「愛している」と言ったことはない。 それでも、私が夫の愛を感じるのは、本当に大切にされている実感を得ているからだ。 てことは、私が奴からの愛に確信がもてないのは、その実感が薄いからかしら? 夫よりはよほど、奴には気遣ってもらってるし、世話を焼いてもらってるのに…?
もっとも奴との場合、主の位置だと、 奴隷から大切に’される’という語感自体につまづいてしまう部分がある。 だから、私の感じ方そのものに問題があるのかもしれないね。 とすれば、奴には申し訳ない限りだわ。
…先の問答続き。
「愛を感じることが出来るって大事ですよね」
そのM魚が応えて言った。 私もそう思う。 わかっていたけど、今更に身に染みて思うよ。
◇
改めてとなるが、私は主従間にも愛が存在すると思っている。 少なくとも私は、奴を愛している。 かけがえのないものとして大切にもしているつもりだ。
けれど、その愛は奴に伝えられているだろうか。 奴は、その愛を感じられてるだろうか。
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