女房様とお呼びっ!
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2004年05月19日(水) |
相性いいとか悪いとか |
割と最近、イリコに血液型を訊かれた。 もっとも、奴の運転する車中での雑談とて、深刻な話ではない。 が、あまり唐突に訊かれたので、答える前にナンデ?と返す。
「いえ、こないだお見舞い行ったときに、 そういえば自分は**様に輸血できるのかなぁと思ったもので…」
なるほど、麗しい発想だねぇ。 とりわけ、身を呈して主を助ける奴隷なんてのは、奴が好みそうな美談である。 納得しつつ、クツクツと笑ってしまう。
「おかしいですか…?」 「いや、おかしくはないよ」 戸惑う奴を制して、ようやく答えてやる。
「残念だけど、A型だよ。ま、せいぜい、枕元で顔でも扇いでやってちょうだい」 冗談めかして軽くいなしたが、これを先途に話を転がしてみた。
「随分前に言ったでしょう?B型と相性最悪のA型だって(笑」 相性最悪のところにアクセントを置いて言う。 つまり、奴はB型なのだ。
「はぁ…」 「基本的に血液型云々とか拘らないんだけど、経験則としてそうなのよ、特にオトコ」 今度はオトコを強調(笑、いやいや、楽しい。 けれど、本当のことだ。
「B型だからダメってことですか…?」 「ダメってことはないけどさ、ちなみにキミとは星座の相性もサイアクらしいよ?」 抜かりなく、トドメを指す。 ま、このくらいにしといてやるか(笑
◇
後日、知り合って間もない方とメッセで話している折に、血液型の話題になった。 そういえば…と、ネタがわりに先の話を披露する。 他人様相手だと、確かにそんな気もするのよね…と愚痴めいた補足もしてしまう。
すると、「奴隷って、相性悪くてもいいんですかね?」と訊かれた。 うーむと考え込むうち、ログが積まれる。「逆に、相性悪いからいいとか?」 その興味深い命題にハッとして、考えを巡らした。
◇
血液型や星座の相性に頼るまでもなく、やはり私と奴は相性がいいとは言い難い。 趣味や興味の対象が違うのはさておき、ひとつ事に「あぁそうそう」と同調しあうことが少ないように思う。 だから、いわゆる気の合う者同士、話が弾む的展開に恵まれない。 もちろん、長々一緒にいれば長々喋ってはいるのだけど、 互いにいちいち引っかかっては、それを解きほぐすみたいなまどろこしい会話になりがちだ。
つまり私たちは、普通に出会えば、友達にすらなれないのではないかと思うのだ。 それが、偶さか主従なんて関係を結んでしまって、紆余曲折あるにせよ、三年半も共にあるのはなぜか? いや、もちろん、ここまで付き合えるくらいの相性はあるんだとは思うよ。 それにしたって、妙な話だ。仕事絡みの関係じゃあるまいし…。
と、ここでハタと気付く。 私たちの関係は、あたかも仕事上の上下関係のようだわと。 だから、恋人や友達のような親密さは必要ない、というか、逆に生まれないほうが都合がいいのだ。 互いに、その一線をおくことに意味を見るし、心地よさを感じる、だからこその関係なんだね。 ゆえに、たぶん、少なくとも私たちにおいては、「相性が悪いからいい」のかもしれない。
◇
それに、私に限っては、相性の悪さに助けられる部分もあるか。 だって、奴の言動に無理なくナンクセつけられるものね(笑。 相性のいいひとだとすんなり馴染んじゃって、アラを探すのに難儀しそうだ。 それって、かなーりツマラナイわよ?
もっともこの辺、奴にしてみれば、気の毒な話ではある。 奴が、叱られ好きのマゾだったらよかったのにね。 あぁでも、そしたら、私はゼッタイ奴を選びはしない。
その意味では、相性がいいってことだねぇ(笑
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