女房様とお呼びっ!
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2003年10月01日(水) |
無言調教 〜密室にて 3〜 |
用意した桶は、百均にありがちな白色半透明のプラスチック製だ。 当然のこと、内容物がありありと見て取れる。 最初の噴射が激しく弾け、褐色の汚水が派手な音を立てて落ちるや、その飛沫が無惨なまだら模様を作った。 ややあって、固形物がひり出され、汚水の中へボトボトと落下する。 その音がまた、奴の耳を容赦なく苛むのだ。
奴を苦しめるのは、音だけではない。 当然のこと立ち上る臭気は、脱糞した事実を否応なく知らしめる。 さらには、それが私にも届いているという意識が、絶望的な恥辱となる。 消えてなくなりたいとさえ、感じたかもしれない。 しかし、一度息んだ程度で腹のしぶりが治まるはずもなく、この状況に甘んじなければならない。
羞恥に阻まれて、排便は遅々として進まず。 しかし、出された汚物の量を見れば、まだまだ出切ってないのは一目瞭然だ。 実際、間欠的に襲う便意に顔をしかめ、忙しなく足を踏ん張っている。 その度に、どうかすると軽い桶は安定を失いそうになり、それを支えるのにも忙しい。 切迫した作業が、痩せた手足の先から血の気を奪っていく。
◇
奴の苦闘を尻目に、私はサンドイッチを喰い、ビールを飲んだ。 その様を奴は見たろうか。 いや、自分に精一杯で、それどころじゃなかったかもしれない。
けれど、この期に及べば、奴が厭う糞尿の臭いなど、さして気にもならない。 ましてや、その光景は、固唾を飲んで見守るほどのことでもない。 「終わったら、桶をこちらへ差し出してちょうだい」 口の利けない奴に、そう言い置いて、私の時間は淡々と過ぎていく。
やがて、二組のサンドイッチを食べ終えた頃、 ようやく便意にケリがついたのだろう、奴はのろのろと姿勢を元に戻し、桶がこちらへ押し出された。 その距離は、奴の躊躇を映してほんの僅かだったが、無情にも汚水がチャプチャプと波立った。
奴の背後にまわり、尻を高く掲げさせ、そのあわいを紙で拭く。 こうされることが、奴には羞恥の極みであることを私は知っている。 羞恥が苦しみである奴には、責めに匹敵するだろうことも。
だからこそする。 そして、観念しろと思う。 奴が私とあるためには、無防備な姿を晒し、無力な自分を認め、諦めることが必要なのだ。
◇
その後、汚物の始末をする。 中身を便所に流し、風呂場で桶を洗う。 その水音が、シートの上に捨て置かれた奴の耳を再び抉る。 尻を拭かれるに辛い奴が、どれ程ショックを受けているかは自明だ。 本人は意識しているのかいないのか、その首が緩やかに落ちていく。 始末を終えた私が戻っても、反応が薄い。 見れば、目の色も虚ろだ。
しかし、まだ責めは終わらない。 用意された残り二本の飲料が、再びみたびの苦しみを奴に宣告しているだろう。 そして、予定通り二本目を流し込む。新しい湯を用意し、今度は自分で入れさせる。 奴の場合、二度目の注入で堪えきれないことが多いのだ。 案の定、最初の一送りを待たずに噴出してしまい、汚水がシートに飛び散った。
以後、その繰り返し。 シリンジの玉を握っては、便意に襲われ桶に跨る。 自らひり出した汚水にまみれながら、何度も己の排泄物を見る破目になる。 過酷な運動と情況が、奴の体力と気力を奪っていく。 既に、初回ほどの羞恥を感じる余裕はないかもしれない。
やがて、桶が差し出され、また尻を拭く。 粗相した床を掃除させる。「あと一回あるのよ…」
◇
みたびの責めを終えたとき、真の意味でこの日の予定は終わっていた。 実のところ、さして動いてもないのに、疲労を感じる。 しかし、ここで行為を止めれば、奴に心理的ダメージを残してしまうだろう。 それは本意ではない。気を奮って、縄を取る。
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