女房様とお呼びっ!
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2003年10月01日(水) 無言調教 〜密室にて 3〜

用意した桶は、百均にありがちな白色半透明のプラスチック製だ。
当然のこと、内容物がありありと見て取れる。
最初の噴射が激しく弾け、褐色の汚水が派手な音を立てて落ちるや、その飛沫が無惨なまだら模様を作った。
ややあって、固形物がひり出され、汚水の中へボトボトと落下する。
その音がまた、奴の耳を容赦なく苛むのだ。

奴を苦しめるのは、音だけではない。
当然のこと立ち上る臭気は、脱糞した事実を否応なく知らしめる。
さらには、それが私にも届いているという意識が、絶望的な恥辱となる。
消えてなくなりたいとさえ、感じたかもしれない。
しかし、一度息んだ程度で腹のしぶりが治まるはずもなく、この状況に甘んじなければならない。

羞恥に阻まれて、排便は遅々として進まず。
しかし、出された汚物の量を見れば、まだまだ出切ってないのは一目瞭然だ。
実際、間欠的に襲う便意に顔をしかめ、忙しなく足を踏ん張っている。
その度に、どうかすると軽い桶は安定を失いそうになり、それを支えるのにも忙しい。
切迫した作業が、痩せた手足の先から血の気を奪っていく。



奴の苦闘を尻目に、私はサンドイッチを喰い、ビールを飲んだ。
その様を奴は見たろうか。
いや、自分に精一杯で、それどころじゃなかったかもしれない。

けれど、この期に及べば、奴が厭う糞尿の臭いなど、さして気にもならない。
ましてや、その光景は、固唾を飲んで見守るほどのことでもない。
「終わったら、桶をこちらへ差し出してちょうだい」
口の利けない奴に、そう言い置いて、私の時間は淡々と過ぎていく。

やがて、二組のサンドイッチを食べ終えた頃、
ようやく便意にケリがついたのだろう、奴はのろのろと姿勢を元に戻し、桶がこちらへ押し出された。
その距離は、奴の躊躇を映してほんの僅かだったが、無情にも汚水がチャプチャプと波立った。

奴の背後にまわり、尻を高く掲げさせ、そのあわいを紙で拭く。
こうされることが、奴には羞恥の極みであることを私は知っている。
羞恥が苦しみである奴には、責めに匹敵するだろうことも。

だからこそする。
そして、観念しろと思う。
奴が私とあるためには、無防備な姿を晒し、無力な自分を認め、諦めることが必要なのだ。



その後、汚物の始末をする。
中身を便所に流し、風呂場で桶を洗う。
その水音が、シートの上に捨て置かれた奴の耳を再び抉る。
尻を拭かれるに辛い奴が、どれ程ショックを受けているかは自明だ。
本人は意識しているのかいないのか、その首が緩やかに落ちていく。
始末を終えた私が戻っても、反応が薄い。
見れば、目の色も虚ろだ。

しかし、まだ責めは終わらない。
用意された残り二本の飲料が、再びみたびの苦しみを奴に宣告しているだろう。
そして、予定通り二本目を流し込む。新しい湯を用意し、今度は自分で入れさせる。
奴の場合、二度目の注入で堪えきれないことが多いのだ。
案の定、最初の一送りを待たずに噴出してしまい、汚水がシートに飛び散った。

以後、その繰り返し。
シリンジの玉を握っては、便意に襲われ桶に跨る。
自らひり出した汚水にまみれながら、何度も己の排泄物を見る破目になる。
過酷な運動と情況が、奴の体力と気力を奪っていく。
既に、初回ほどの羞恥を感じる余裕はないかもしれない。

やがて、桶が差し出され、また尻を拭く。
粗相した床を掃除させる。「あと一回あるのよ…」



みたびの責めを終えたとき、真の意味でこの日の予定は終わっていた。
実のところ、さして動いてもないのに、疲労を感じる。
しかし、ここで行為を止めれば、奴に心理的ダメージを残してしまうだろう。
それは本意ではない。気を奮って、縄を取る。


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