女房様とお呼びっ!
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SMを忘れた私が、再び、その言葉に出会ったのは「犬」と巡り会ったテレコミだ。 そこには、私には全く未知の領域だった「S女M男」の概念と言葉が溢れていた。 女王様なんて、鞭と蝋燭片手に高笑いしてる漫画チックなイメージだった私には、 どれもこれもが驚きの対象で、その中で「ご聖水」という仰々しい言葉を知った。
自らを奴隷と貶め、主を仰ぐ嗜好は、様々な用語を生む。それはかなり奇天烈だ。 少なくとも、それまで聞いたことのない言葉達。主の何をも崇め、麗々しく奉る。 「ご聖水」はおしっこのこと。「黄金」はうんこのこと。唾は「お唾」だ。ワォ! 「ご聖水」を「拝受」して、有り難がって飲むと言う。美味しいんだって。ウソォ!
ここでモノホンの宗教を引き合いに出すのは憚られるが、聖水の本義は清らかだ。 けど、エロ絡みで使われるとは、本物の神様はどう思ってらっしゃるかしら?(笑 ただの汚物が幻想を纏って、神聖にして求められるものになる。凄い発想だねぇ。 でも、愛しい「犬」も憧れてるらしい。主様としては、是非下賜してやりたかった。
・・・・・。
さて、初めてのSM体験ではM側にいて、蛇口(笑)に口をつけて注がれた訳だが、 女の私には、蛇口がない。サテドウスルカ?今やバイブルの、M専誌を読み漁る。 コップに出して、飲ませる手もあるらしいが、直に跨いでヤルのが主流みたいだ。 男の顔にまんこを載せるのは、躊躇がない。そのまま排尿すればいいのね?OK。
その頃、「犬」の女王たらんと懸命だった私は、お便所に行く度、奴を伴っていた。 バイブルに「M男をトイレットペーパー代わりにせよ」と書いてあったからだ(笑) 尿の残滓を舌で清める栄誉に浴し、「犬」はいたく感激したものだ。簡単だワネ。 ちんまりと控えて、出番を待つ奴の風情が可愛くて、便所の中で待たせていたヨ。
そんな奴も、ある日顔を跨がれて口を開けろとの命じられ、泣きそうな顔をした。 辛くてじゃないサ、もちろん。感無量な歓びが全身に溢れ、感激の余り震えてた。 フローリングの床の上に奴を寝かせ、その髪を掴んで、狙いを定める。胸が躍る。 何故だろう。私は特に「男にしっこを飲ませたい」と切望してたワケじゃないのに。
それは、「犬」と私の絆を契る、とても神聖な儀式の様な気がしたんだ・・・。
・・・・・。
女の尿道口は肉の中に埋もれてるので、尿の迸りを制御するのは、実に難しい。 他の人はどうかわからないが、子どもの頃には、和式便所の周りを尿浸しにした。 いや、今でもそうだ。方向が狂ってしまうと、アーァと行方を見守るしかない(笑 し終えてから、びちょびちょになった足元を拭く事になる。結構苦労してる訳だ。
だから、床を汚さずにやり仰せるために、奴の口にビッタリとまんこを密着した。 奴の頭を抑えて、命を下す。「こぼさず飲むのよ」奴は、潤んだ目で了解を告げる。 その愛おしい顔を見つめながら、排尿したかった。奴の瞳は輝いて、恍惚の色だ。 奴に煽られ、胸苦しさが私を襲う。それでなくても、初挑戦に緊張しているのに。
次に私は気付く。「出ない…!」膀胱は張り切って、すぐにも出せる筈なんだけど。 気持ちだけが走り、ちっとも出る気配がない。ドウシヨウ。奴の手前、更に焦る。 あぁ、見つめ合ってるのが駄目ナンダワ、と奴から目線を外し、宙を睨む。集中。 ・・・なのに、尿道口はまるで言うことをきかない。焦りを隠し、奴に声を掛ける。
「もちょっと待って、出ないワ、ナンデダロ?」言い訳にもならない正直な申告(笑
・・・・・。
密着してるのが原因かもと、奴の口から少し距離をとり、口腔を穴だと思い込む。 漸く、尿道口に内側から圧が生じ、そこが湿る感覚が来た。「出るよ」宣言する。 機を逃さない様に、下腹に力を込め息む。・・・こんな苦労、昔したナ。思い出す。 やがて尿道を流れが通過し始める。私は心底安堵し、深い達成感に浸っていた。
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