女房様とお呼びっ!
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2001年09月27日(木) ヒトたるヒトデナシたろう

今となっては、非常に恥ずかしい告白をしよう。それは「犬」と出会った頃の話。
女を崇めたいとか、女に虐げられたいと願う「M男性」の存在に衝撃を受けた私。
好奇心からの成り行きで、「犬」の「主」に奉られてしまって、正直戸惑っていた。
私はどうすればいい?巷の「女王様」ってどうしてるの?ワカラナイ事ばかりだ。

早く立派な主たらん…妙な使命感に駆られた私は、あらゆるM専誌を読み漁った。
想像を絶する非日常なS女M男世界。驚きながらも、それが本物だと思い込んだ。
そこに描かれる「女王様」に憧れた。自分もそうならなきゃイケナイと決めつけた。
「犬」の期待に応える自分を実現したくて、懸命だった。その中で得た方法論。


『 女王様たるもの、奴隷にゴメンとかアリガトウとか言うべきでない 』


あぁ、タイプしながら泣きたくなる。でも、その昔、ホントに思ってた事なんだ。
けど、コレをヤリ仰せるのは、実は難しい。結局開き直って、止めたけどさ(笑)
この後の私の幸いは、「犬」が「貴女がどうあろうと、主なのです」と繰り返し言い、
彼が主宰するSM同好会を通じて、現実にSMやってるS女と交流出来たことで、
身の丈にあった自分なりの方法に辿り着けたことだ。これは本当に感謝している。

・・・・・。

Sと名乗る女には色んなタイプがいる。色んな嗜好やSM観がある。当然だよね。
愛するが故に苛める女もいるし、男を嫌悪し、蔑み、己の欲求を満たす女もいる。
M魚にも、愛して欲しい奴や愛なんて不要ダと思う奴がいて、コレに呼応してる。
だから、M魚がよく宣う「本物の女王様」なんてのは、意味のない言葉だわね(笑)

愛あるSMが崇高なわけでも、純粋なSとMの拮抗が正しいわけでもないだろう。
それは、単に価値観の違いだ。お互い相容れないだけ。良い悪いじゃないよね。
ただ、受容しがたい価値観の持ち主同士が出会うと、双方が傷つくことがある。
殊にSMの構図だと、M側の方が強烈なダメージを受けがちだってのが、現実だ。

特にM魚が傷つく場合、心身はもとより、金や体面までも損なう事が少なくない。
残念なことだが、単純に価値観の相違から生じたダメージなら、仕方ないかもね。
厳しい言い方かも知れないが、自分にとっての「本物」を見抜けなかったってこと。
けれど、SM以前に「ヒトデナシ」なS女に傷つけられたのなら、本当に悔しいよ。

・・・・・。

好奇心であれ、自然な欲求からであれ、Sを自覚する女が増えるのは喜ばしい。
結果、彷徨うM魚が少しでも減るだろうし。ホント、幸せになって欲しいのよぅ。
とは言えというか、だからというか、SM以前に「ヒトデナシ」なS女にはヨワる。
未熟ゆえの勘違いとか、非現実な幻想に囚われてるのなら、早く気付いて欲しい。

ヒトデナシなSMはOKだけど、現実のヒトを捨てるのは間違ってるし、危険だ。
それは、SでもMでもだ。目先に目が眩んでアナーキーになると、全体が沈むゾ。
信頼関係なんつーのをブッチ切って行為しても、最後はヒトらしい矜持を保とう。
所詮は外道な趣味だからこそ、性根はヒトらしくありたいじゃないか?そう願う。

もちろん、根っからの性悪も後を絶たない筈だよ。残念だけど、防ぎようがない。
もし、そういう輩に出くわしたら、とにかく逃げろ。Mだからって、我慢するな。
徒に傷ついて欲しくない。S女もM魚も、斯界の宝だ。心からそう思っているヨ。
ヒトがするから、SMなんだ。互いのヒトを尊重して、ちゃんとSMしたいよね。


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