サッカー観戦日記

2024年10月12日(土) 高校女子選手権京都府大会準決勝 京都精華−京都翔英 向陽・文教−京都西山

高校女子選手権は今年度から1県1代表制になっている。京都の女子サッカーは高校女子選手権の黎明期は京都橘や西山が全国に出ていたが、正直言って同好会レベルだった。当時は府県大会もなく、いきなり関西大会で、しかも関西で強化していたのは啓明だけだった。全国大会だってレベルは高くなかった。その後聖母学院がフェスティバル運営などで京都の高校女子を支え、現在に続く京都精華女子の強化で、全国トップレベルの高校が存在するようになった。向陽が京都精華を追うようになるが、おそらく全員経験者というわけじゃなかった。
京都府大会は5チームエントリー。1回戦で京都橘が京都翔英にPK負している。京都翔英と言えば、サンガグラウンドの上に練習場がある高校だが、未見である。
2回戦にあたる準決勝では京都精華対京都翔英のカードになった。正直言って勝負は最初から分かっている。

高校女子選手権京都府大会準決勝
京都精華学園−京都翔英
10月12日 10時半 アクアパルコ洛西 人工芝 晴


京都精華
七番二四二十
十六二六
十四
五番二番十八二七
十二

京都翔英
九番十番
八番七番十番
五番六番二番三番十五
一番


恐らく副審は学生さんである。男性。というか審判団は男性である。
立ち上がり、京都翔英は「前から言って」と声を掛け合う。京都精華を向陽が追っていた時は前からのプレッシングを採用していた。引き分けたこともあった。京都精華と言えばドリブルとショートパスで細かい局面を打開するスタイル。京都では狭い局面を無理やり打開しようとする。なぜならどうせ勝てると思っているからだ。ならば強化のために相手が無理目の押上げをしても狭い中で崩そうとする。このゲームも同じだ。両ウイングにはドリブルがあるし、サイドなら突破できるだろうが、仕掛けない。右ウイング20番は長身でスピードを生かした仕掛けがある。仕掛けないが。左ウイング7番は細かい技巧的ドリブルがある。24番は偽センターフォワード。インテリオールの飛び出すためのスペースを作る。彼女こそ今年の京都精華の肝だろう。もう一人の肝がボランチ14番。正確なパスを出し続ける。おそらく一番うまい。左サイドバック5番は左足セットプレー担当。左右両方のコーナーを蹴る。流れの中では細かい崩しを身上とする京都精華にあっては左足クロスを見せない。京都翔英は前から追い続けるが、スタミナが持たないのは明らかである。京都精華はバックラインやキーパーが動かし続け、また京都精華中はフットサル全国大会の常連だが、後ろに一枚残ったセンターバックに戻すと、キーパーはフットサルのようにサッと横に動き、二人で回す。
さて前半終盤に京都精華は左ウイング7番が仕掛けてごぼう抜き、ニアを破り先制。正直言っていつでも仕掛けられたが、点を取りに行ったか、という印象。さらにコーナーからこぼれを蹴り込んで追加点。前半は2−0だった。

後半は選手交代を織り交ぜ、また前半飛ばした京都翔英が力尽きたこともあって、結局8−0で京都精華が大勝した。


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第二試合は向陽・文教の合同チームとここのところ京都ナンバーツーの京都西山である。前者は向陽のユニで戦う。たぶん向陽は部員足りているんじゃないかな?

高校女子選手権京都府大会準決勝
向陽・文教合同チーム−京都西山
10月12日 13時 アクアパルコ洛西 人工芝 晴


向陽・文教
十七七番
五番
三七二四三十
十五三九十番八番

京都西山
十三
十八十九七番
八番九番
三番五番四番十一
二一

向陽・文教のキーパーユニは黄地に白の番号でちょっと見えなかった。

7番が分かり易いエース。ガンガン裏に飛び出し、正確な技術、切り返し左足シュート、スピードに乗ったドリブルがある。ボランチ8番は具体的な指示が光り、キャプテンかと思った。頭がいい。左センターバック5番はキャプテン。長いボールを蹴られるし、身体が強い。4番も正確なフィードがあり、ビルドアップの起点になれる。3番は外を駆け上がり、中に入れる左ハーフ18番とのコンビがいい。18番はバランス感覚がよく、攻守にいいポジショニングができる。11番は右クロスが武器だが、インサイドに引っ掛ける癖があり、ミスキックも散見される。そもそも専門の右サイドバックに見えない。9番はプレスバックが早い。デュエルではチーム1。激しい守備が身上のチームにあって彼女が1番激しい。短髪のシャドー19番は1番気性が激しい。トリッキーなプレーもあるが、基本的には力強い攻撃が売りである。恐らくエースという自覚をもってプレーしている。飛び出して決めに行く迫力がある。センターフォワード13番はフォアチェックを頑張る。
さてチームとしては激しい守備で即時奪還が狙いである。
向陽・文教についてはデュエル勝負をしたいのだろうが、強度に差があり、しかも攻め手がなかった。ある程度繋げるが、全部蹴った方がまだ勝負になった。
ゲームは開始早々に7番が裏を取り1対1を沈め先制。直後にも追加点。前半は0−2。バスの都合で後半半ばには帰った。
このゲームを見る限り、京都精華が必ずしも優勝できるわけじゃない。明らかに京都西山も全員経験者だし厳しく鍛えられている。いずれにせよ、強い京都府代表校を送り込んでほしい。


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T.K. [MAIL]