サッカー観戦日記

2024年09月08日(日) 高校女子選手権和歌山県大会準決勝 和歌山北−神島 近大和歌山−新宮

何度か触れているが、今年度より高校女子選手権は1県1代表制になる。高校女子サッカーは勿論男子サッカーと比べると普及しておらず、1県1代表を送り出すことは可能だが、ラグビーみたいに殆ど予選が行われない県もあるはずだ。レベルだってラグビー同様全国レベルからは程遠い高校も全国に出てくる。関西でいえば奈良県と和歌山県は大きく落ちる。奈良県決勝は総体で行った。今回は和歌山県準決勝に足を運びレベルを見ようという寸法である。準決勝といっても4校エントリーなので1回戦である。

和歌山・紀三井寺へは南海の企画切符があり、特急サザンの指定席券・和歌山バス・グルメクーポンがついて2600円だ。サザンは狙ってコンセント付き車両に乗った。

紀三井寺は補助陸上競技場開催。和歌山県にはしっかりしたサッカー場がない以上、陸上競技場が主な開催会場になる。トラックのバック側で観るのもいいが、暑くて熱中症のリスクがあり、メイン側にあるテニスコートのスタンド下の日陰ベンチに陣取った。かなり見づらいが、まったり観るつもりである。

第一試合は総体チャンピオンの和歌山北対神島である。点差がつくことは容易に予想できた。

高校女子選手権和歌山県大会準決勝
和歌山北高校−神島高校
9月8日 12時 紀三井寺補助陸 ピッチ並み 晴

和歌山北
十番十四
十五六番七番九番
十七四番三番八番
誰々


神島はフォメ取っていない。

開始すぐにわかった、というかゲーム前のアップ時に分かったのは神島がエンジョイ志向のチームということ。和歌山北ははっきり競技志向で、恐らくスタメンの大半もしくは全員が競技経験があるので、勝負にならない。特にセンターバックコンビが強力で3番が運べて正確につなげて、4番にはロングフィードがあり、この二人は身体能力もあり、ミスもしないので神島は攻撃にならない。ボランチの7番はいいタイミングで裏を突き、右ハーフの9番は受け方がよくワンステップでクロスを入れ、左ハーフの15番はいいタッチのキックで素早く捌けて14番はピタッと止めて裏に抜け出せる。前半はたぶん9−0。後半もたぶん9点入って、結局たぶん18−0で和歌山北が圧勝した。

注:和歌山県協会によれば20−0だった。


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第2試合は近大和歌山対新宮。近大和歌山は男子サッカーでも県内3強だし、新宮は「
サッカーの街」であり、新宮高校男子サッカー部は古豪である。最後に観たのはプリンスリーグで17失点惨敗したときかな?当時のプリンスリーグは和歌山県新人戦で優勝すれば参加できたので、水準に達してない高校が参加できた。さて私の考える「サッカーの街」の条件の一つに女子も盛んというのがあり、そういう意味で新宮がしっかりしているのは「らしい」ことではある。

高校女子選手権和歌山県大会準決勝
近大和歌山高校−新宮高校
9月8日 14時30分 紀三井寺補助陸 ピッチ並み 晴

近大和歌山
十三八番
十一誰々七番
三番四番十番十九十八
誰々


新宮
十番十四
六番七番八番九番
四番誰々三番五番
誰々


さて始まってみれば両者競技志向でよく鍛えられている。神島よりははるかに強い。近大和歌山はたぶん経験者は半分くらいだが、バックラインの10番が長身で体が強くて上手い。スローインも入れてしかもロングスローもある。高校女子サッカーあるあるだが、一番うまい選手をセンターバックに起用して格上を倒す意図と思われる。これは和歌山北のセンターバックコンビにも言える。両校ともに言えることだが、よく走るし集中を欠かさず、それなりに蹴る止めるがしっかりしていてコンタクトも厭わない。新宮はほぼ全員経験者かな?ただベンチからバックラインに「迷ったらノージャッジで前に蹴れ」という声がかかる。横に繋ぐだけの技術と判断力はないようだ。一つには新宮のバックラインには近大和歌山10番のようなタレントがいない、ということもある。互角の勝負。双方雑ながらもサイドを走らせるスタイル。前半は0−0.

後半も互角で進む。前線の打開力がないだけにサボらない両校はスコアレスでPK戦を予感させる。戦力的には和歌山北ほどじゃないが、1発勝負のカップ戦ならPK戦も含めて絶対に和歌山北が勝てるほど差があるわけじゃない。下手すれば3,4点差つく可能性もあるが。そして後半18分、新宮がハーフウェイラインを超えたところでフリーキック。これをキーパーがゴール前に入れる。これに誰か触ったかゴールが決まる。近くの高校生がキーパーが直接決めた、と話していたが、真偽は分からない。とにかく新宮が先制。こうなればサボらず走り続ける両校のスタイルから言ってスコアは動きにくい。結局0−1で新宮が勝利して決勝進出した。

決勝は和歌山北優位だ。8割以上勝つだろうが、先述したように新宮がサボらず最後まで戦うチームなので勝機はある。和歌山北は今までの、つまり関西大会を勝たねば全国に行けない時代とは違って、新しい時代の「全国レベル」としては問題ないチームだ。総体の時の近畿大会でも近江兄弟社相手に戦えていた。和歌山北が全国に行くにせよ、新宮にせよ、和歌山県の高校女子サッカーは問題のないレベルだ。むろん更なる向上の余地はあるが。和歌山県には女子サッカーのフィクサーでもいるのかしら?


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T.K. [MAIL]