サッカー観戦日記

2024年04月20日(土) 奈良県1部リーグ 奈良育英−香芝 五條−橿原 天理−奈良クラブ

奈良県は高体連が奈良育英と一条の二強体制を2010年に香芝が崩して以来、戦国時代になるかと思ったら、近年は再び奈良育英の一強になりつつあるのが現状だ。奈良育英・一条ともに勝利への最短距離を追求するタイプで、必ずしも育成だとかビルドアップに強い関心を払っていなかった。一方で第二集団はスタイルにこだわりがあるところが多く、ショートパスをつなぐ香芝やドリブルにこだわる五條、県立高ながら元Jリーガーの古田先生がキーパーからのビルドアップをはじめ、畝傍もやはり元Jリーガーの谷口先生があらゆる手を使って勝つチームからビルドアップ派に転向するなど、むしろ二番手グループに個性がある。しかし力がやや足りず、前述の二強は奈良県の優秀な中学生を惹きつける魅力に欠け、結果として輸出大国になってしまい、奈良県の代表校は全国制覇など全く見えず、全国での現実的な目標は「一勝」になっている。
でそんな中、奈良クラブがJリーグに加盟して、奈良県の選手に実際に生観戦するお手本ができた。観ることなしに成長は難しい。さらにユースチームが台頭し、昨年度はU−16選手権で奈良県を制した。奈良クラブユースは初公式戦には観に行ったが、以来Aチームは観てなかった。で、奈良県1部リーグに昇格したので観に行こうと思った次第である。

高校生は普段リーグ戦を行っている。奈良県1部リーグは奈良県最強の10チームによるリーグ戦である。高体連のトーナメントで奈良県の代表校になるところも99パーセントは1部リーグからのはずだ。



奈良県1部リーグ
奈良育英高校−香芝高校
4月20日 14時 奈良県フットボールセンターA 人工芝 曇



奈良育英
十一十番
五番六番二十七番
八番十八四番十三

香芝
十一八番
誰々十番誰々九番
四番誰々五番三番

前半飲水タイムに奈良育英4アウト17イン。5が左サイドバック8がボランチ20左ハーフに。香芝は引いている。センターフォワード11は競り勝てるが、今年もFWの能力を生かして勝ちたいところ。
奈良育英は相変わらず能力の高いボランチ6が組み立て展開しトップ下にも上がりフィニッシュも狙う。トップの10は体の強いレフティのトップ脇。
11の左クロスを中で決めて奈良育英先制。さらに10の左足右コーナーに中でだれか触り2−0。3点目を見逃したあと、右パスを10が決めて4−0。前半は4−0。一方的に奈良育英が支配して香芝としては打つ手がないが、ならば6を徹底マークするとか、工夫が見たかった。力の差があるのは事実だが。
後半香芝はPKで1点返したが6−1と奈良育英の完勝だった。



奈良県1部リーグ
五條高校−橿原高校
4月20日 16時15分 奈良県フットボールセンターA 人工芝 曇

五條
七番十一
六三八番十五八十
二十四九四番六四

橿原
七番
十四
二三十一六番九番
五番四番二番三番

近年橿原市付近が強い。ポリベニル橿原(現飛鳥FC)のゲームに結構客が入っていたり、畝傍高校だったり。でその一翼を担う橿原高校は縦に早いチーム。対する
五條はドリブルチームなのだが、前任の方が亡くなって、監督が代わってから敵陣にボールを運ぶノウハウが失われ、カウンターから突破力を生かし、守備では対人の強さを生かす、古き良きイタリアのカウンターサッカーになっている。対する橿原はシンプルに前へ運ぶ。23には突破力がある。前半橿原が右コーナーから先制したが人の陰で見えず。後半23が右で鮮やかな突破で倒されPK。これを自ら決めて0−2。五條も追撃したが1−2で橿原が勝利した。互角の勝負。



奈良県1部リーグ
天理高校−奈良クラブユース
4月20日 18時半 奈良県フットボールセンターA 人工芝 ナイトマッチ


天理
四二四番
誰々誰々五番三五
誰々三四四一三番
三十

奈良クラブユース
十一九番誰々
十三八番
十五
三番四番十八誰々


開始早々奈良クラブの左スペースに11を走らせ突破に入るところを天理右サイドバック3が無理目なタックルでファウル。11は負傷。警告で当然だったが、主審は遠かったので警告も出ず。11番は負傷交代で17へ。この角度のないフリーキックで8がニアを破り0−1。奈良クラブはセンターバック間で運べてパス回しで天理のプレッシングを苦もなく外す。天理はバックラインを押し上げてコンパクトな布陣を保つが、奈良クラブはウイングへの1対1の作り方に再現性があり、奈良クラブのウイングと天理のサイドバックには能力差、とくにスピード差があるため、天理の戦術は正直言って無理がある。奈良クラブはセンターバックから必ずしも大きく下がらないボランチを経由してインテリオールのポジショニングが絶妙でマークを外して受けてウイングに繰り返し出す。天理は中のインサイドハーフ2枚ではインテリオールにつききれず、サイドハーフのポジションが中途半端で中のヘルプもサイドバックのヘルプも出来ず、戦術的に無効化されてしまい、個人の責任ではなく、チームとして生かせてない。13の左カットインからたたき込み0−2。さらに17の左クロスをファーで9が決めて0−3で前半終了。ここで帰った。力の差は歴然としていた。リーグ戦では奈良育英と僅差だったが、本当に僅差だったのか?と思うほど奈良クラブは強かった。


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T.K. [MAIL]