2023年06月17日(土) |
近畿大会準決勝 日ノ本−京都精華 近江兄弟社−大阪学芸 |
近畿大会は以前は1県開催で週末1回で全日程を消化し、男女両方行ったが、男子は総体予選終了後に何もかかっていない大会として行われた。昔は全日本ユース選手権出場をかけていたが、やがて何もない大会となり、そして近畿大会は春先の大会になって6月は男子の近畿大会はなくなった。一方女子は全国高校総体が1県1枠でもなく、全16枠のため、関西は2枠。2府4県のためトーナメント2回戦に当たる準決勝の勝者が全国に行く形だ。1回戦を大阪・Jグリーン堺開催になって、2回戦は兵庫・三木防災公園だ。つまり他府県にわたり開催される。三木防災公園最寄りは緑ケ丘駅で、神戸電鉄で行く方法と神姫バスで三宮から行く方法がある。バスのほうが安くて楽だが、神戸電鉄で新開地から登っていき神戸・長田区の街を見下ろす景色も好きだ。迷って電車を選択した。
会場ではプログラム販売がない。1回戦で気づかなかったのだが、確かにプログラムがないので、選手名は特定できないし、スタメンリストも作れない。
近畿大会女子準決勝 日ノ本学園−京都精華 6月17日 11時 三木防災公園第2陸 ピッチ良 晴
日ノ本 九番 十四十七十一 二二七番 四番八番五番三番 一番
京都精華 十一二三十番 十六七番 八番 五番二二十七三十 一番
日ノ本学園は少し前まで常盤木学園・藤枝順心と並ぶ全国3強だったが、それを支えた名将・田邉さんがチームを去ってから昨年の皇后杯をのぞき生観戦しておらず、新たにできたU18女子関西リーグでは昨年はぎりぎり1部リーグ残留、今期も10チーム中最下位だ。
3分で日ノ本が左シュートを決めて先制。日ノ本は9番が長身センターフォワードでキープ力があり、タメを作れる。17番と11番は9番を追い越して飛び出せる選手。14番は上手くて仕掛けられる。22番は左足フリーキック、7番は右足フリーキック担当で、キックだけではなく上手いが、最大の持ち味は攻守にわたってハードワークすることだ。バックラインもビルドアップの起点になりつつ、守備で気を緩めない。つまり普通に強い。全国制覇を狙えるいつもの日ノ本だ。U18リーグの低迷、しかもスコア上惨敗も多い、が信じられない。1度しか観たことはないが、そのゲームではU18女子リーグはヌルイ試合ではなかった。プリンスリーグ黎明期はヌルイゲームもあったし、1試合だけ観て語ることはできないが、リーグの低迷は不思議というしかない。あるいはBチームで戦っているのか?
京都精華は8番が組み立てたいチームだが、日ノ本のシャドー17番が狙っていて、パスカットも何度かあった。7番と16番が手拍子で下げると危なっかしい。10番は上手いがスピードがなく突破できない。11番は突破あり。ただセンターフォワード23番に強さがなく、いいボールも来ないので中で孤立している。センターバック22番17番は正直日ノ本9番に歯がたたない。高さ・パワーの差以上に身体の使い方の差がある。
22分、日ノ本のシュートをブロックするもこぼれをループで2−0。前半は2−0で終了。
後半も流れは変わらず。日ノ本の運動量が落ちるまでは京都精華のパス回しが出ない印象。それくらい日ノ本のボランチ22番7番が素晴らしい。16分、日ノ本11番の右シュートが決まり3−0。これで目を離した隙に京都精華もゴールして3−1。この日は暑く、70分ゲームとはいえ日ノ本の運動量も落ちたが、京都精華の運動量低下のほうが大きく、パスがあまり回らないままタイムアップ。3−1で日ノ本が勝利して全国行きを決めた。
繰り返し。日ノ本は全国制覇を狙えます。クオリティもある。U−18女子関西リーグの低迷でチーム力を量ってはならない。全国高校総体で優勝した時の決勝の相手は京都精華だった。(当時は京都精華女子)当時ほど突き抜けたチームではないが、粒ぞろいなのは確かだ。
第2試合には初見の近江兄弟社が登場する。滋賀県は毎年八幡商が優勝していた。関西は奈良県や和歌山県はサッカー経験者が数人以内という、昔でいう同好会レベルのチームが代表校になるが、八幡商はスタメンを経験者で固められて全国経験もあり、京阪神の代表校をてこずらせる力がある。近江兄弟社は強化していて、八幡商を超えるチームならば、現在の全国行きを京阪神が寡占する状況を変えるかもしれない。相手はサニックスカップで優勝した、まさに全国でも優勝候補の本命になるであろう大阪学芸だ。力を量るモノサシとして申し分がない。
近畿大会女子準決勝 近江兄弟社−大阪学芸 6月17日 三木防災公園第2陸 13時半 ピッチ良 晴
近江兄弟社 十一 八番七番十番九番 五番二一四番二番誰々 十二
大阪学芸 九番七番 十一六番十番八番 三番四番二二二番 一番
試合が始まって、おそらく近江兄弟社はスタメン全員が経験者らしいと気づく。キーパーも技術的にしっかりしていて、下手な子がやらされている、という印象がない。策は5バックと中盤4枚でスペースを潰し、5バックも引き気味ながらオフサイドも取りに行く、というものだった。しかし大阪学芸は9番がセンターフォワードで7番がレフティのトップ脇で7番が常に駆け引きをして近江兄弟社のストレスになり続けた。そして中盤は全員攻め気が強くそれでいて守備意識も高くアラートで全く隙を見せない。開始早々ゴールして前半は2−0。この隙のなさこそ大阪学芸の凄さだ。高校女子レベルではPK負け以外想像できない。昨年夏を制した大商学園や冬を制した藤枝順心はまだ隙があった。まあ大商学園は女子ファイナルズでJFAアカデミー福島に敗れたゲームを観たから、というのもあったが。
後半も全く隙を見せず、近江兄弟社が疲れてから畳みかけ、6−0で大阪学芸が完勝した。近江兄弟社のシュートゼロ。大阪学芸クラスを相手に6失点なら悪くはない。近江兄弟社は今後に期待できるチームだ。そして大阪学芸は強すぎる。U18女子リーグでも首位だし、隙を全く見せない。勝負に辛いチームながらも蹴って走るチームではなく、自ら崩せるチームでもある。他の地域は分からないが、この強さなら全国でも優勝候補の本命ではないだろうか?
帰りは緑ケ丘駅に出るバスまでだいぶ時間があり、しかも暑くて駅まで歩くのも大変だ。そこで坂を下りて西脇発の神姫バスに乗ることにした。三宮まで出る。途中空腹に苦しんだ。いい歳して欠食児童さながらに空腹が苦痛だった。
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