2018年02月11日(日) |
奈良県1部リーグ 一条−橿原 香芝−生駒 ディアブロッサ高田−郡山 |
奈良県1部リーグ 一条高校−橿原高校 奈良県フットボールセンター 10時 人工芝 晴 寒風
一条 橿原 −−−十四−−十番−−− −−−十番−−十一−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 十一−七番−−八番−十二 十五−六番−−八番−二四 五番−二番−−三番−四番 十八−三番−−四番−五番 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
一条は立ち上がり右サイドの12番にたっぷりスペースを与えて単独突破力に期待する。12番は両足を駆使してサイドを突破する。7番の展開力も見事。14番は前線で変化をつける。ターンもいい。11番もスピードがある。しかし何というか、点取り屋がいない。個々の能力は高いが、噛み合っておらず、まだこれからのチームだ。またレフティーもいない。2番がまずまずの右足フィードを見せ、5番も切り返し、4番が正確に前に出すが、全体的にバランスに腐心している。対する橿原も一条12番を意識してか、15番をあえて左サイドの広大なスペースにおいて突破役を担わせている感じがする。3番のロングフィードは見事。10番が技術があり変化をつける。とは言え双方基本的にはプレッシングからのタテに速い攻撃である。一条と言えば奈良県にプレッシングの概念を導入した高校で橿原も続いている。一時期一条は3トップを導入して繋ぐ意識も増して全国でも勝てるサッカーを考えたかに見えたが、原点のプレッシングからの速い攻撃に立ち戻った。30分。左FKに8番合わせて一条先制。しかし直後キックオフから一直線の攻めで8番が決めて1−1。
後半開始。12分、橿原GKのパントキックを一条DF処理ミス、拾った11番が流し込む。1−2。その後も橿原は運動量を維持しプレッシングを保つが徐々に前線が疲れてくる。こうなると前から行けなくなり、全体的に引き気味になる。そして後半34分、左クロスに9番が身体をひねってヘッド、一条追いつき2−2。さらに43分、右70度25mFK、一条は右利きの7番が左足で右上に決めて3−2。試合中に両足蹴られることは分かっていたが、ここまでの精度とは!結局一条が3−2で勝利した。
現時点では何とも言えないが、個々の能力で一条が上回っていたのは確かだ。しかし橿原もよく戦っていた。以前メンタルの弱さを批判したこともあったが、強豪校たる自覚が芽生えたようだ。メンタルに何の問題もなかった。この分なら全国大会出場権にも十分絡んでくるだろう。とにかく組織力を高めて素早いカウンターを磨くことだ。プレッシングの機能性もも高めていかねば。これは一条にも言えるが。
奈良県1部リーグ 香芝高校−生駒高校 奈良県フットボールセンター 12時15分 人工芝 晴 寒風
香芝 生駒 −−−十一−−十番−−− −−−−−二番−−−−− −−−−−−−−−−−− −五五−−−−−−六五− 九番−八番−−二十−七番 三番−八番−−五三−五九 五番−十三−−三番−二番 −−三三−六番−四三−− −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
比較的似たタイプのチーム同士の対戦。香芝は2強に次ぐ三番手ポジションで空いた味方を次々に使うパスサッカーが持ち味だが、例年と比べてパススピード・精度とも落ちる気がする。一つには生駒が中盤でスペースを潰し、なかなかフリーにさせなかったということもある。生駒もパスサッカーだがサイドにどんどん預け外に香芝の意識が集まると中を使うバランスの良さ。8番が機をみてするすると持ち上がり、53番のポジションは高め。香芝はポストプレーヤー10番長身でロングボールもよく収まり基本精度で上回る。しかししかしインサイドがあまりにも潰されるので前半半ばで20番→14番を右ハーフに入れて7番をボランチにしてインサイドを強化。しかし前半21分、生駒、左クロスに65番ファーから走り込み合わせて先制!0−1。生駒2番は即席CFかと思ったが、中に張るだけでなくサイドにも流れてシャドーにスペースを作ってよく機能している。以降も生駒がサイドと中のバランスの良いパスサッカーで繋ぎ続けて前半は0−1で終了。
後半は生駒は選手を入れ替え、4バックにして香芝の11番がスペースを突く余裕をなくしますます守備のバランスが高まる。香芝は回し続けるがスタミナを削れない。また長身10番へのハイボールもなく、あくまで地上でのパスサッカーで勝負という意図を感じる。7番と8番のパス回し、判断の速さは見事だ。そして後半38分、右放り込みにワンバウンドを生駒GK目測ミス、頭を越えて7番が難なく蹴り込み、1−1。結局引き分けに終わった。
奈良県にスタイリッシュなパスサッカーの概念を持ち込んだのは香芝だ。しかし生駒も追いついてきた。生駒の監督は耳成のキーパーとして全国に行った元Jリーガー監督の古田先生だ。高いレベルのサッカーを知っており、しかも実現する術を持っている。今後の注目校だ。すでに全国は射程内だ。逆に奈良ナンバー3ともいうべき香芝は破壊的なパスサッカーを披露できなかった。また強い風の中、双方本来のパスサッカーが披露できなかった面はあると思う。たぶんこの日の出来よりは双方強い。
奈良県一部リーグ ディアブロッサ高田−郡山高校 奈良県フットボールセンター 14時30分 晴 寒風
郡山は白地に蛍光色背番号で判別不可能。新年に入り、こうまで判別不可能ユニに当たり続けるとは!郡山は奈良県高校サッカーにドリブル主体のショートパスサッカーを導入した高校である。いわば奈良の野洲・久御山である。興國や和歌山北を追撃している高校、と言えなくもない。
D高田 郡山 二番−−−九番−−−十番 −−−八六−−三八−−− −−−−−十一−−−−− −−−−−−−−−−−− −−−四番−−七番−−− 四一−誰々−−五五−七番 五番−八番−−六番−三番 七十−四十−−四六−五六 −−−−−一番−−−−− −−−−−六三−−−−−
高田は変則3トップ。左は2番と11番が交互に顔を出す。7番は身体が強く持ち出せては運べて守備力も高いキーマン。10番はドリブル自慢か。しかし3トップながらサイドを破れない。一つにはシンプルに郡山のほうがチーム力で上回り、支配し高い位置で回せるというのがある。以前のこのカードではD高田が一方的に押し込んでいた。しかし今年の力関係では郡山が上のようだ。純粋にドリブルテクニックだけならD高田の分があるが、すぐに囲まれ、前にドリブルできない。つまり守備力の差が攻撃力の差に直結している。D高田も1対1の守備力は高いのだが、郡山は常に数的有利で守備をしている。特に両サイド深くペナの角を取る動きを見せ、次々に決定機を作る。しかし郡山は決定機を欠き、前半スコアレス。
後半D高田はバックラインを入れ替え、2番を左ウイングに固定し、打開を図るが郡山の支配は変わらず。D高田は3番が左サイドバック、5番が右センターバック、6番が右サイドバックに変更し、テストか、相手への対応か、とにかく意図的に変化させる。そして7番にボールを集め、中から崩しにかかる。しかし郡山はサイドの破壊力が逆に増し、決定機を作る。しかし右シュートは次々にゴール前を横切り左に外れる。ドリブルからのショートパスで止める・蹴るはしっかりしているはずの郡山がなぜこうも外しまくるのか?野洲は決定力には絶対の自信があるから接戦大歓迎のはずだが。とにかく郡山が外しまくり、D高田も守りに入らず、ポジションチェンジを繰り返し、攻撃を狙うが、以前支配力で劣勢で、しかしギリギリで耐える守備力はあり、0−0のままスコアレスで終わった。
郡山は今年も間違いなく全国を狙えるチームだ。シュート力に磨きをかけてほしい。この日は4点は取れるチャンスがあった。一方のD高田は現状では厳しいが、組織力が皆無なので、今後どれだけ連携がアップするのか。全国への道は連携次第だろう。クラセン予選までは3ヶ月ある。今年はセンアーノ神戸もエストレラ姫路も兵庫県1部リーグだ。予選はタフな勝負になる。
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