サッカー観戦日記

2017年03月18日(土) 滋賀県1部リーグ 立命館守山−草津東B 比叡山−水口 水口東−伊吹

滋賀県リーグ1部がこの日開幕。第1試合の立命館守山はレベルの高い地区にあって近年強化しているし、山本悠樹のいた草津東を高校選手権予選で破ったこともある。新興チームの中では特に注目校だ。

滋賀県1部リーグ
立命館守山高校−草津東高校B
10時 ビッグレイクA 人工芝 晴


立命館守山        草津東B
−−−二三−−九六−−− −−−四七−−六番−−−
−−−−−十六−−−−− −−−−−−−−−−−−
−二一−−八三−−四六− 五番−七番−−二番−四番
四七−九七−−六七−三三 三番−三四−−六五−十一
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

立ち上がり、入りは圧倒的に草津東Bがいい。というより、立命館守山の試合勘が無いように見えた。局面で戦えていなくて、上手いけど技術が発揮できていないというか。96番は身体を張り23番は技巧を見せ、21番もタイミングよく飛び出し、83番は巧みに散らす。しかし草津東Bは下級生と思われる2番が強い身体を使い何度も奪い、一気に飛び出す。なぜBチームなのかわからない逸材だ。6番はいいフォアチェックを見せつつ裏を狙う。4番は快速サイドアタッカー。中盤のデュエルで草津東Bが上回るため、技巧的な立命館守山が潰されるシーンが目立つ。明らかにいいものを持っているが、トップ下ゲームメーカー16番のところを狙われている。草津東は大きな展開も交え、サイドバックも上がるが、立命館守山はやや細かい。11分、草津東B6番がフォアチェックで奪い突っ込むもカット。このプレーで立命館守山は後方での繋ぎが減ったように見えた。17分、立命館守山巧みなパスワークで、草津東Bハンド。右FK。しかし21番の右足はカットされる。26分、草津東B4番突破から切り返し左足シュートは正面。直後にも7番カットインから6番へ、トラップミス。6番は頑張る選手。どこにでも顔を出し、すば抜けた存在ではないのに目立つ。435分、4番高速右突破からクロスを真ん中5番トラップから巧みなターン。シュートは右に外れる。決定機。43分には草津東B猛攻からこぼれを5番ミドル、上に外れる。決定機。48分(ロスタイム3分)、草津東は中盤で持ち、立命館守山の守備が甘いところを7番スルーパス、47番に通りGKと1対1を流し込む。0−1。前半終了。

ハーフタイムで立命館守山21番?→14番。左ハーフ。96番が右ハーフに回り、46番FWに。96番は技巧派ながら身体を張れる選手で前線で効いていたが、突破力を活かす意図?46番に裏に走ってほしい?しかし後半もペース変わらず。草津東Bは5番もいいタテ突破を見せ始め、インサイドもアウトサイドも制圧する。61分、立命館守山83番→81番がCBに。97番がボランチに。どう見ても83番は中心選手に見えるしケガもないようだが。これもテストか?64分、草津東5番、6番→56番(右ハーフ)、61番(FW)。二人ともよく走った選手を代えた。67分、立命館守山、またも中盤が弱くなった時間帯に草津東Bスルーパスに61番、斜めに走り込み、またもGKと1対1を流し込む。0−2。この後双方交代をするが大勢変わらず勝負あり。結局草津東Bが0−2で勝利した。

立命館守山はリーグ戦に照準を合わせてないのか、不出来だったと思う。技巧的なサッカーしたいのに出来なかった感じ。バックラインは地味ながらも堅かったが、中盤を空けてしまっては決定的なスルーパスを通されてしまう。草津東Bは強豪の自覚というか、局面で戦い、全力を尽くせていた。サイドと6番がよく走り、インサイドは完全制圧。2番はいい選手。プリンスで観たい。というか、全体にBチームにいることを納得していない選手の集団という印象。




滋賀県1部リーグ
比叡山高校−水口高校
3月18日 ビッグレイクA ピッチ人工芝 晴

比叡山          水口
−−−九番−−十番−−− −−−三十−−四四−−−
七番−−−−−−−−十一 −−−−−−−−−−−−
−−−六番−−八番−−− 十八−十七−−四八−四九
二二−四番−−五番−三番 四七−六十−−四五−三六
−−−−−一番−−−−− −−−−−誰々−−−−−

水口のGKは背番号が判別しづらい色で特定できなかった。こういう部分はしっかりしてほしいのだが。

さて、比叡山は前コーチの時代はクレバーなサッカーだったんのだが、野性的なチームに変貌している。つまり身体を激しく当て、守備時はカバーをあまり考えず迫力ある突っ込みで寄せ、どんどん奪いに来る。背景にあるのは裏を狙われるよりも相手に前を向かれる方が怖いという考え方であろう。そしてボールを奪えばシンプルに仕掛ける。数的優位が出来るのを待って、という考え方ではなく、シンプルに攻め切るスタイルである。対する水口は前線からCBまで、相手が突っ込んでくるとトラップ一発でかわせる技巧の持ち主揃いである。中体連出身者が大半のはずだが、さすが「サッカーの街・水口」である。非常にアグレッシブな比叡山を水口がいなすという展開。しかし9分、比叡山が左サイドバック2番の上がりから10番落とし左寄りの11番が流し込み先制!。比叡山はCB5番が激しい守備で前に強く、2番のクロスやセットプレー精度が高い。4番はカバーが早い。6番は周囲が見えていて、相手の逆を突き、隙あらばスルスルっとスペースを突くドリブルでの持ち上がりもある。8番はシンプルな捌きが素晴らしい。前線は傑出した選手こそいないが、仕掛ける姿勢が迫力を生む。対して比叡山は30番がタメを作りキック精度も高く、新年度の10番?こちらも傑出した選手はいないが、一人一人のレベルが高く、しかも安易なクリアがなく丁寧に繋ぎなかなか楽しい。21分、水口、左45度30mFK、47番の右足は合わず。31分、比叡山8番カットから9番へスルーパスも水口36番見事なスライディングタックルで止める。直後に比叡山10番フォアチェックでラフプレー。正直退場も覚悟したが警告で済む。10番は気迫十分だが自制できないタイプなのかな?責任感が強いあまり暴走するのは若い選手にはよくあること。37分、比叡山11番に対し、水口47番ノーファウルで奪う。上手い。40分、水口、左80度27mFK。47番のキックは合わず。42分には水口も左70度20mFKの絶好のチャンス。2番(左足)、5番(右足)が構え2番のシュートはバーを叩き下に落ちるがゴールインならず。結局前半は1−0で比叡山リード。

前半シュート数6(2)対2(1)、CK数5対2、GK数6対2、オフサイド数1対0、クロス数2対3、ファウル数8対7、FK数1対3。フィニッシュまで行けていた比叡山がやや押し気味といったところか。しかし水口の持ち味は出せており、なかなかの好勝負だ。

後半開始。いきなり水口が押し込む。48分、右クロスのこぼれを44番ワントラップボレー右に外れる。決定機。49分、水口、右CKで30番の右足に48番ボレー、上に外れる。決定機。55分、水口、44番カットから49番へ展開し右クロス、18番突っ込むが触れず。決定機。比叡山も11分、11番の右クロスを10番合わせて上に外れる。決定機。58分、水口49番→63番。比叡山6番→16番。6番は中心選手だと思うが走力がないのかも。同じボランチに入る。64分、比叡山11番→13番。58分、水口、47番の左クロスに44番左足ボレーシュート、上に外れる。この辺りから比叡山の激しい寄せが弱まり、水口のクラッキたちが巧みにかわすシーンが目立ってくる。というか、比叡山は行けるところまで飛ばして終盤粘るというゲームプランか?逆に水口は1対1を制し、ドリブルでリズムをつかんでいれば、終盤に自分たちの時間が来るというゲームプランか?比叡山の1点リードだけは誤算だったと思うが、許容範囲内だろう。この辺りから30番のキープ力が目立ってくる。78分、比叡山9番→17番。82分、水口、右CK、30番のキックに18番ヘッドはバー!超決定機。こういう時のお約束として、カウンターから比叡山10番が流し込み2−0。決めなきゃ決められるというサッカーの掟だ。85分にも水口18番のキープから17番シュートはバー。比叡山も13番がオフサイドをかいくぐり突っ込むが決められず。超決定機。結局2−0で比叡山が勝利。

後半シュート数3対8、CK数1対4、GK数5対6、クロス数4対3、ファウル数5対6、FK数1対2。

まあ一言でいえば、決定力。決めるべき時に比叡山は決めて水口は決められなかった。とは言え水口もシュート精度は悪くなかった。勝負は時の運だ。方向性はおそらく悪くない。今年の滋賀県でもトップクラスを間違いなく争うであろう両校の死闘だった。後半押している時間帯に水口が決めていれば結果は逆になってもおかしくなかった。互角の激戦だったと思う。





第3試合に登場する水口東は長らく水口では水口高校に次ぐナンバー2高校だったが、野洲高校に山本先生が転任したあと、しばらく低迷して最近復活してきた。近年は水口に並ぶ、というよりむしろ逆転した感すらある。対する伊吹もコンスタントに強い高校だ。


滋賀県1部リーグ
水口東高校−伊吹高校
3月18日 14時 ビッグレイクA ピッチ人工芝 晴

水口東          伊吹
−−−−−五五−−−−− −−−六八−−二二−−−
六一−−−七三−−−七八 −−−−−−−−−−−−
−−−五二−−五九−−− 七八−四十−−二十−十三
五三−七十−−六十−五七 八十−二八−−九十−十七
−−−−−五一−−−−− −−−−−七六−−−−−

立ち上がりから水口東は徹底的にサイドアタック。水口地区ならではの確実なテクニックを活かしサイドを攻略し、クロスを入れまくる。5分、7分と右クロスが合わないが、8分、右クロスに73番ハーフボレー、上に外れる。決定機。57番のオーバーラップが実に効いているし、78番は単独突破も57番を活かすプレーも出来る。52番は配球しつつ飛び出せるし、61番はサイドを伺いつつ中に飛び出す。73番はぺース格?これは水口東のゴールは時間の問題かと思った。しかし12分、水口東GK51番のミスキックを拾った伊吹13番が冷静にループ、バーを叩く。決定機。水口東13番は最小限の技術を最大限の習熟度で身につけている。要するに基本がしっかりしていて視野も広くブロックドリブルもある。華麗さはないが、実戦的な中田英寿みたいなタイプ。左CB28番はレフティでロングフィードがあり、しかも右足でも大きく展開し、高さもある程度あり、守備もしっかりしている。というか、だからこそ水口東が有効な左サイドアタックを繰り出せないのだろう。25分、伊吹17番ミドルは外れる。決定機。徐々に伊吹がタテの突進力を武器にペースをつかみ始める。水口東は声が出ていて、52番から修正の声が飛ぶ。やや水口東が慎重になり、意図的に膠着させた?もしそうならば試合巧者でもある。前半0−0で終了。

前半シュート数2対4、CK数0対2、GK数4対5、オフサイドなし、クロス数5対4、ファウル数2対4、FK数1対0。

後半開始。再び水口東がサイドアタック開始。バックパスをカットした78番が切れ込む。右CKゲット。後半の水口東は左からも攻める。ピッチを幅広く使うさまはまさに「水口のヒガシ」である。ただしクロス精度が低く、サイドを個人でも連携でも攻略しているのに、こうも精度が低いとなれば、とにかく数多く撃つしかない。65分、右サイドを崩し59番シュートは正面。決定機。伊吹もタテに速い攻めから左サイドバック80番が裏を取るがシュートは外れる。68分には22番が裏を取るがオフサイド。伊吹は13番が中に入るようになり、セカンドトップ的なポジションでタテの迫力が増している。72分、伊吹のバックラインでのキープに水口東がプレス、55番が奪い、左の52番へ、丁寧に流し込み1−0と水口東先制。伊吹、右クロスに13番右シュート、決定機。右に外れる。水口東、78番→33番をトップ下、73番が右ハーフに。走るだけ走って交代という当初からのゲームプラン?73分、伊吹68番→27番。センターバックに入り、28番が左ハーフに。28番は前線に上げてパワープレーでもいいと思うが、左足の精度に賭けた?しかし、サイドでいい形で持てず、時間が進んでいく。タテ突破も徐々に消えていき、逆にゴールキックミスから水口東55番が決定機を迎えるなど、水口東が確実に勝つサッカーにシフトし、結局逃げ切った。

水口東のサイド攻撃は滋賀県ナンバー1ではないだろうか?ただしクロス精度が低いままだと、押しながら決め切れず、勝負を落とすこともあるので、とにかく精度アップが課題だろう。伊吹は中心選手の能力を活かしきるサッカー。CB28番と右ハーフ13番は上のレベルでもやれる選手。今後が楽しみだ。


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