クラセン15東海予選の全国大会出場枠は7。したがって7位決定戦は天国と地獄を分ける重要な試合になる。前日準々決勝敗退クラブで5位決定トーナメントが行われ、ジュビロ磐田と名古屋が勝ち、一足早く全国行きを決めた。そして敗者同士が7決を行い、勝者が全国への切符を手にする。
ホペイロ刈谷は初めて観るクラブだ。スタッフに矢野隼人さんがいるが、現役時代の和製ロナウドと言われた野性的なプレースタイルから言ってしっかり指導できるのか不安だった。しかし結果論から言えば杞憂だった。愛知予選7位。ジュビロSS磐田(以下磐田)はジュビロのエリートチームである本家ではなく、サッカースクール。静岡予選2位。
クラブユース選手権(U−15)大会東海大会 7位決定戦
ホペイロ刈谷−ジュビロSS磐田
三好旭グラウンド ピッチ並 曇り
刈谷 SS磐田
−−−日向−−神藤−−− −−−木原−−永井−−−
山田−−−−−−−−遠藤 岡村−−−−−−−−永田
−−−本多−−島口−−− −−−山田−−鳥澤−−−
岡本−田中−−柴田−佐藤 神谷−青野−−大石−岩本
−−−−−兒玉−−−−− −−−−−岡本−−−−−
刈谷 監督:本多一明
GK 1 兒玉啓哉 99・07.16
DF 20 佐藤俊介 00・08・07
2 柴田大翔 00・12・29
3 田中稜斗 99・06・03
17 岡本悠作 00・08・04
MF 5 本多訓大 99・10・24
8 島口功伎 99・07・20
11 遠藤愛弥 99・10・21
10 山田寛人 00・03.07
FW 9 神藤英暉 99・06・13
18 兵藤日向 00・10・14
磐田 監督:半場康好
GK 20 岡本和龍 99・10・01
DF 2 岩本絋誌 99・06.01
22 大石悠生 99・06.10
4 青野響 99・09・09
3 神谷憲吾 99・06・19
MF 15 永田悠太 99・06・15
7 鳥澤彰壮 99・04・06
17 山田温人 99・04・17
11 岡村拓紀 99・05.22
FW 8 永井紘太 99・12・23
14 木原大器 99・12・11
山田温人は「はると」と読むっぽい。刈谷は中学年代のクラブとしては例外的に下級生レギュラーが多い。創立6年目にして東海大会初出場だが、登録にも下級生が多いし、歴史が浅いから選手が集まらず、下級生が多いというよりも、セレクションなどで部員数を絞っていて、3年生が少ないのかな?
立ち上がり、刈谷がボールを支配する。徹底的に繋ぎ倒し、バックラインから回して、一芸に秀でた個性的な中盤が持ち味を発揮する。�ニ楝新�は中盤で守備に奮闘。一瞬で寄せる「縮地」のような守備能力は天性の才能だ。相手の姿勢をよく見てかわせないと見るやどんどん詰めてくる。��島口君はレフティーで多彩なキックがあり、FKや展開のパス、そして一瞬で急所を抉るスルーパスがある。��山田君は大柄だがタッチが細かくスピードと繊細さを兼ね備えたドリブル突破がある。中にしばしば顔を出し、絶えず得点を狙う。��遠藤君が右サイドの職人。タテ突破を連発。��神藤君は典型的なCFで、大柄ではないがラインと駆け引きして裏を狙ったり、ポストに下がったり、ボールを受けてシュートに持っていく形を持っていたりと危険な選手で、しかも��島口君からのボールの引き出し方も上手い。つまりチームとして非常に個性を大事にするクラブということが伝わってくる。対する岩田はむしろJ下部組織らしからぬロングボール主体のサッカー。㉒大石君は力強い守備から長いボールを蹴ってくる。��神谷君も左足フィードとクロスあり。��木原君もレフティーで競り方が上手い。ロングボールを蹴って競り勝ってこぼれ球を狙うスタイル。8分、刈谷��島口君のロングスルーパスが通るが��神藤君トラップミス。いい狙いだった。9分、刈谷��島口君の展開のパスを受けた��山田君が左クロス、�科柴7�が合わせるが上に外れる。超決定機。12分、刈谷、タテ一本から��神藤君に届かず。磐田は��永田君が大柄で��木原君としばしばポジションを入れ代わり、CFポジションに入る。��木原君は囮のCFですね。��木原君は左足FKあり。15分、刈谷�ニ楝新�から右の��遠藤君へ、クロスが��神藤君にわたるが右に外す。決定機。18分、刈谷��島口君スルーパス、��山田君が中に入って受け切り返して左足シュート、右に外れる。決定機。一発目はトラップミスなのだが、修正が早く切り返しに入るあたり、山田君の高度なテクニックと頭の回転の速さ、アイディアの豊富さを感じました。直後にも��山田君が左を突破、最後は止められる。27分、刈谷��島口君のスルーパスに��山田君が中に入って受けてGKと1対1を流し込む。刈谷1−0磐田。30分、刈谷��島口君の左足右クロスがバーを叩き、こぼれに��神藤君が詰めるが外す。超決定機。直後にも刈谷��山田君のスルーパスに��神藤君が1対1になりかけるが、磐田㉒大石君が防ぐ。結局前半は1−0だった。
シュート数10(3)対2(2)CK数4対0、GK数0対7クロス数、1対2、ファウル数3対6。刈谷のクロスが少ないのは中から崩せるということに尽きる。
後半、刈谷��島口君が上がりFWというかシャドーの位置に。兵藤君がボランチに下がる。島口君が守備が弱く、当たりを怖がるようなシーンが散見されたし、支配できるから、より��神藤君に近い位置でプレーしてもボールが来るという判断なのだろう。1分、刈谷��山田君のスルーパスに��神藤君シュートもGK�寛�本君ナイスセーブ。8分、刈谷のバックパスを懸命に詰めた磐田��永田君がクリアをブロック、左にこぼれ��岡村君が必死に追いすがるDFをかわして決める。1−1。このゴールで一気に流れが変わる。磐田は徹底的にフォアチェック。ロングボールのこぼれを拾えるようになり、前へ前へ勢いが出てくる。右CKがファーに流れ㉒大石君が追いつき左クロスに��神谷君ヘッド、こぼれを右クロス、ファーに走りこんでいた㉒大石君が力強いヘッドも外れる。しばらく磐田が押し込むもこぼれを刈谷も丁寧に拾い、クリアをまた磐田が放り込む展開が続く。18分、刈谷��山田君が左を突破するもGK�寛�本君が止める。直後にも山田君が左を突破してシュートは左サイドネット。磐田�だ通邨�は深く鋭いタックルがある。磐田、右クロスに��岡村君ワントラップシュートは正面。更に��永田君がスルーパスを受けGKを右に外して左にパス、��岡村君シュートは外れる。決定機。23分、磐田��岡村君左クロスに��永田君シュートは右に外れる。ボディバランス崩していた。28分。刈谷、右からの崩しに��山田君がトラップから一人かわしてシュート、決まって2−1。35分ハーフなので残り7分強耐えれば全国行きという中学生には精神コントロールが難しい局面で刈谷は極端に引き気味になってしまう。高さや競り合いでは劣勢なので、勝ち越しゴールの直後、引いたらまずい、と思っていたのだが。30分、磐田㉒大石君が重量感のある上がり、裏にだし��永田君が蹴りこむ。2−2。30分、刈谷�│���遠藤君。いつの間にか下がっていたが、再入場。32分、磐田�瓜嚇跳�のFKに刈谷がオウンゴール。2−3。悪い流れ通りのことが起こった。35分、磐田、カウンターから��岩本君の右クロスを��岡村君が蹴りこむ。2−4。結局2−4でタイムアップ。
後半のシュート数は2(2)対8(5)。刈谷は前半で決められたゲームだったが、後半は悪い方に流れが来てしまった。体格に優る磐田が押し込み、特に終盤のラッシュは凄かった。チーム力は互角。ただJユースでやれそうな選手は刈谷の方が多かった。欠点もあるが、一芸を持った選手が多い。中盤から前は強力そのもの。磐田は全体的に質が高かった。バックラインの守備力は見事でぎりぎりで止めていたし、特に㉒大石君は楽しみ。磐田は全国行きを決めた。
改めて全国に行けないクラブにもこんなに魅力的なクラブやタレントがいることを確認できた。大阪桐蔭高校などに人材を送る豊橋デューミランなど、今大会に出場してなくても育成で実績を挙げているクラブもある。刈谷の選手の進路はむろんわからないが、Jユースでもやれる選手もいるだろうし、高校なら即戦力クラスが多い。地元刈谷高校に何人か進めば、強いチームになりそうだ。
クラブユース選手権(U−15)大会東海大会 決勝
清水エスパルス−JFAアカデミー福島
三好旭グラウンド ピッチ並 曇り
清水 アカ福
−−−−−山田−−−−− −−−−−木村�◆檗檗檗檗�
−大屋−−白井−−酒井− 川野−山原−−高山−菊地��
−−−吉田−−佐塚�◆檗檗 檗檗檗檗歿觚供檗檗檗檗�
監者��伊藤−−鳥居−味岡 細川�∈0罅歙ト���八重樫
−−−−−中谷−−−−− −−−−−加藤−−−−−
清水 監督:横山貴之
GK 16 中谷篤輝 99・04・13
DF 14 味岡元輝 99・08.27
18 鳥居大人 99・05・04
22 伊藤駿光 99・05・19
7 監物拓歩 00・06・02
MF 24 佐塚洋介 00・05・02
17 吉田峻 99・06・20
8 酒井駿吾 99・09・09
6 白井海斗 99・08・24
9 大屋寛太 99・07・09
FW 23 山田健太 99・09・09
アカ福 監督:菊原志郎
GK 1 加藤智大 99・07・15
DF 18 八重樫尋斗 99.08.25
4 瀬畠義成 01・01・19
3 今井翔太郎 99・04・12
29 細川朝陽 00・06・13
MF 5 萩原翼 99・10・17
6 菊地健太 00・05・28
8 高山登伊 99・09・16
10 山原怜音 99・06・08
13 川野海和 99・05・05
FW 30 木村壮太 00・09・16
決勝はあまりのレベルの高さに唖然とした。アカ福は静岡5位で清水に至っては静岡9位ですよ。なのに技術に穴がなく、強烈な個性まで備えている。7決の刈谷は個性は強烈だったが、明確な弱点もある選手たちだった。磐田SSは穴がなかったが個性もそれほどではなかった。しかし決勝は両者強烈で、個人について書くメモのスペースがみるみる埋まっていく。しかしアカ福は一人一人の人間的な部分がしっかりしている。もはや全員がほかのチームならキャプテンが務まるであろうコーチング、それもただ怒鳴るだけではなく、鼓舞する声や具体的指示、止まった時に的確な修正など、圧倒的な「人間力」がある。雨の影響で大会プログラムを出しにくい状況だったが、観戦ノートにたちまち選手名が埋まっていく。ギジョー?って誰だ?と思ったら義成を「ギジョー」と読むのか、など。清水は�欝氾跳�が長身で激しい守備で潰しにかかり、�可撒鏃�も長身でヘッドに完勝し、しかもロングフィードまでよく、左の��大屋君に一気に展開し、カットインからチャンスを作る。㉓山田君はバックラインと常に駆け引き。しかしアカ福がすぐに「18番の対角線気をつけろ」と指示が飛び、鳥居君の斜めのパスを封じる。そして木村君も守備時は鳥居君を徹底マークし、タテのロングパスも自由には蹴らせない。またアカ福はバックラインのコーチングも見事で㉓山田君の駆け引きに対し受け渡しをしっかりしてフリーにさせない。RBの�家�重樫君に前からプレスに行かせたかと思うと、引いてカバーさせたりと隙が無い。清水は㉔佐塚君が配給役になり、㉓山田君が引いて受けては単独突破を図るが、アカ福の守備陣は許さない。と言ったところが立ち上がりの大まかな展開。
2分、清水、左CK、ファーで折り返し�Т栃�君ヘッドも外れる。決定機。8分、アカ福、��山原君が右足で正確な右CK、�家�重樫君がファーでヘッド、右隅に決まり0−1。10分、アカ福GK�_弾7�のパスミスを異常に読みのいい清水㉔佐塚君がカットし�η魄羞�へ、シュートは正面。12分、清水�Т栃�君→�な寝�宅磨君。アカ福の右ハーフ�Φ特老�はレフティーでカットインを多用して清水の左サイドを混乱させていた。しかしこの交代で試合は落ち着く。ピッチにはアカ福の声ばかり飛ぶが、清水だって決して大人しいチームではない。アカ福が中学生離れしているのだ。問題が起きるとすぐ修正してしまうので、清水は単独突破や一発のパスに頼ってしまう。アカ福も��今井君の左足フィードや�デ觚況�の忠実な潰しで対抗。膠着する。23分、清水、サイドチェンジで��大屋君がアカ福�家�重樫君と1対1、抜くが�だト�君が好カバー。清水は一人抜いても二人目に止められる。左CKになるが逸機。26分、清水�η魄羞�が左に流れクロス、中で決定的シュートもアカ福ブロック。アカ福は組織を固めている印象ではないが、局面で咄嗟の連携が素晴らしい。結局前半は0−1で終了。
ハーフタイムでアカ福⒀川野君→��田村祐次郎君(2年)、㉚木村君→��玉岡勇人君(2年)。田村君も玉岡君も声変わりしていない。非常に運動量豊富に頑張る選手なのだが、チームメイトから怒鳴られっぱなし。いきなり��田村君から左に流れた��玉岡君が中に入れて�Φ特老�シュート。ロング。��山原君から��田村君に通るがカットされる。ちなみに山原君は怜音を「れお」と読む。9分、アカ福㉙細川君の左クロスを�Φ特老�がペナ内で落とし�デ觚況�がミドル、左上に決まる。0−2。守備の人という印象の強かった萩原君でもこんな素晴らしいシュートを持っているのか。14分、アカ福㉙細川君の左クロスを��玉岡君がニアでシュートもワンタッチあって左CKへ。清水の守備も固いのです。清水��大屋君→�蛙�山周大君。大屋君はプレーを読まれ、詰まっていた。左CKのこぼれをアカ福�家�重樫君切れ込みシュートも正面。清水は誰か?→�C喘�経心君。CB。�η魄羞�がFWに上がり�な寝�君がボランチに。4−4−2に変更。
清水
−−−白井−−山田−−−
−−−−−−−−−−−−
杉山−平岡−吉田−佐塚�◆�
伊藤−池谷−−鳥居−味岡
−−−−−中谷−−−−−
しかしアカ福もすぐに声を掛け合い警戒を緩めない。22分、清水�η魄羞�から㉓山田君へ、しかし奪われる。直後に山田君→��大屋君が再びイン。1トップ。ちなみに再入場可能なレギュレーションです。25分、スルーパスを受けた��大屋君が切り返して左足シュートはGK加藤君がスーパーセーブ。26分、清水�蛙�山君→��松永駿平君。28分、アカ福�┨盪碍�が突破、清水�可撒鏃�が倒し警告。左80度20mFK。��山原君が近寄って手で触り、�デ觚況�が少しずらし、��山原君シュート、GKもよく反応したが決まって0−3。素晴らしいシュート。37分、アカ福、��山原君が左からカットイン右隅に叩き込む。0−4。焦る清水の前にアカ福��田村君が強烈なミドル、右に外れる。超決定機。結局0−4でタイムアップ。アカ福が東海大会はおろか、クラブユース選手権自体初出場で初優勝した。
アカ福の4得点はそうは決まらない素晴らしいゴールが多く、点差ほどの内容差・実力差があったとは思わない。しかし清水を完封したのは実力だ。両者の差は何といってもコーチングだった。清水は個性では負けていなかった。戦術眼も高く、試合中の戦術変更もこなしたが、アカ福も平然と対応した。サッカーにおいて、いかに人間性というものが重要なものかよくわかる一戦だった。
そしてこれだけ強ければ東北クラブユース連盟が加盟を拒否するのも無理もない、と思った。逆に静岡や東海の懐の深さもさすがだ。東海は素晴らしい代表クラブを全国に送り出す。清水だって力自体は十分ある。全国大会が楽しみだ(行けないけど)。