2012年08月20日(月) |
FIFA U−20女子W杯 北朝鮮−ノルウェー アルゼンチン−カナダ |
FIFA U−20女子W杯 8月20日(月)16時 北朝鮮−ノルウェー 19時 神戸ユニバー ピッチ良 晴
北朝鮮 −−−十番−−二十−−− 十一−−−十番−−−九番 −−−−−−−−−−−− −−−七番−−十六−−− 三番−十三−−八番−十二 −−−−−八番−−−−− 五番−十五−−二番−十四 五番−六番−−四番−二番 −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
18O Chang Ran (GK) 2KIM Nam Hui 3RI Yong Mi (-34') 5YUN Song Mi 8JON Myong Hwa 10YUN Hyon Hi 12KIM Un Hyang 13O Hui Sun (C) (-85') 14PONG Son Hwa 15RI Nam Sil 20KIM Su Gyong (-78')
Substitute(s) 1CHOE Kyong Im (GK) 21KIM Chol Ok (GK) 4KIM Un Ha 6RYU Un Jong 7KIM Un Ju (+78') 9PAK Kyong Mi 11KIM Un Hwa (+34') 16RI Hyang Hui 17KWON Song Hwa 19YU Jong Im (+85')
Coaches SIN Ui Gun (PRK)
1(GK) Nora GJOEN 2 Anja SONSTEVOLD 4 (-88') Ida AARDALEN 5 Anette TENGESDAL 6 Maria THORISDOTTIR
7 Andrine HEGERBERG 8 Caroline HANSEN 9 Ada HEGERBERG 10 Melissa BJANESOY 11 (-80') (C) Kristine Wigdahl HEGLAND 16 Cathrine DEKKERHUS
Substitute(s) 12(GK) Ane FIMREITE 21(GK) Hilde OLSEN 3 Ingrid SONDENA 13 Ingrid BAKKE 14 Maren KNUDSEN 15 Ina SKAUG 17 Guro REITEN 18 (+88') Stine REINAS 19 Andrea THUN 20 (+80') Emilie HAAVI
Coaches (NOR) Jarl TORSKE
3分、ノルウェー8番、抜け出し左クロス、11番に届かず。超決定機。8分、ノルウェー9番右シュート、左に外れる。10分、ノルウェーペナ内が故意に倒れて警告。14分、北朝鮮14番、1対1タテに仕掛けで右クロス、ペナ内で10番を決める。20分、北朝鮮8番左クロス12分、右外フリーヘッド、決定機。23分、ノルウェークサビ落として8番ミドル左上、27分、ノルウェー8番、弾丸ミドル、わずかに外れる。決定機。33分、北朝鮮、3番→11番。35分、ノルウェー7分、左ミドル右ポスト直撃。決定機。40分、北朝鮮スルーパス20番にノルウェー4番倒しPK&警告。10番が逆を突き左に決める。前半2−1で終了。前半は北朝鮮が確実な技術と運動量、対するノルウェーは両サイドの突破力から10番に合わせるサッカーでかつてのロングボール一辺倒ではない。左利きの7番など工夫をつけられる選手もいた。以前なら両者技術不足だったが、世界的に女子サッカーの進歩が感じられるところが、こういう大会のいいところだ。
後半、53分、北朝鮮バックパスを狙っていたノルウェー9番がカットGK外してシュート、決まって2−2。しばらくノルウェーの攻勢が続くが、決めきれず。65分、北朝鮮、スルーパスに10番右に流れてGKを外し、角度のないところから狙うも外す。このプレーで流れが変わった。71分、ノルウェー、クリアミスを北朝鮮12番が右クロス11番中でヘッド、3−2。77分、スルーパスに20番右隅に決める。4−2。ノルウェーはバックラインがスピード不足で危なっかしい。北朝鮮20番から7番へ出すが実らず。80分、ノルウェー11番→20番。入るなり、素晴らしい切れとスピードを見せる。何でスタメンじゃないんだ。A代表でも使える選手だと思った。85分、北朝鮮13番→9番。87分、ノルウェー20番素晴らしい突破からシュートも正面。決定機。88分、北朝鮮4番→18番。結局4−2で終了。
実力は互角だったが。わずかな運の差が勝負を分けた。ポスト直撃弾が入っていたらノルウェーが勝っていたかもしれない。正直両国ともここまでレベルが高いとは思わなかった。ノルウェーの20番がA代表でないわけがない、と思って調べると案の定レギュラークラスだった。この選手がスタメンで使えたら、かなり面白かった。北朝鮮は男女共に全ての小学校に強権的にサッカー部を作り、選りすぐって優秀な選手を育てているらしい。つまりキューバやドミニカの野球のように一部の限られた選手を少数エリート育成しているわけではないということらしい。道理で真に強いわけだ。技術も個人戦術もチーム力も高さもパワーも運動量も、要するに一通り一定のレベルに達している。創造性にかける感はあったが、これは韓国にも感じたことだ。国民性かもしれない。そしてサッカーはトータルな能力が問われるスピードなので、多少創造性に欠けていても他の部分で補えばいいのだ。にほんがちからを順調に伸ばしていっても北朝鮮は今後も手ごわいと思う。ノルウェーはシドニー五輪を制したときはでかくて、いいストライカーがいただけという印象だったが、スキルフルな選手も多く、クレバーだった。このチームはCBのスピードに難があったが、総じてレベルは高い。北欧は国内の女子サッカー環境も整っているし、後は代表チームの強化体制だけだろう。連携に難があったところを見ると、あまりチームとして練習していない。
FIFA U−20女子W杯 8月20日(月)19時 アルゼンチン−カナダ 19時 神戸ユニバー ピッチ良 晴
アルゼンチン カナダ −−−九番−−八番−−− −−−十一−−九番−−− −−−十番−−十七−−− −八番−−−−−−十六− 十一−−−五番−−−七番 −−−十九−−五番−−− −−三番−二番−六番−− 三番−六番−−四番−十五 −−−−−一番−−−−− −−−−−十八−−−−−
ARG 1 Laurina OLIVEROS (GK)(C)
2 Agustina BARROSO
3 Noelia ESPINDOLA
5 Camila GOMEZ ARES (-54' ) 6 Adriana SACHS
7 Betina SORIANO
8 Micaela SANDOVAL
9 Yael OVIEDO
10 Mariana LARROQUETTE
11 Maria BONSEGUNDO (-67' ) 17 Gabriela IRIBARNE (-29' )
Substitute(s) 12 Romina FONTANA (GK)
21 Sabrina PAGLIERO (GK)
4 Yanina HERNANDEZ (+29') 13 Dianela ROTELA
14 Constanza VAZQUEZ
15 Johanna CHAMORRO
16 Erika CABRERA (+67') 18 Aldana BENITEZ
19 Florencia ARCE
20 Jimena VERA (+54')
Coaches Nestor CALVIÑO (ARG) (CAN) Andrew OLIVIERI
CAN 18(GK) Sabrina D ANGELO
3Melissa ROY 4 (-46'HT ) Rachel MELHADO
5Sarah ROBBINS
6 (C) Shelina ZADORSKY
8Danica WU
9Christine EXETER
11Jenna RICHARDSON
15 (-60' ) Vanessa LEGAULT CORDISCO
16 Jaclyn SAWICKI
19 (-46'HT ) Adriana LEON
Substitute(s)
1(GK) Dayle COLPITTS
21(GK) Genevieve RICHARD
2 (+60') Jade KOVACEVIC
7Kylie DAVIS
10Christabel ODURO
12 (+46'HT) Nicole SETTERLUND
13Caroline BEAULNE
14Constance DE CHANTAL DUMONT
17Nkem EZURIKE
20 (+46'HT) Catherine CHARRON DELAGE
Coaches (CAN) Andrew OLIVIERI
最初に言っておく。私は86メキシコ以来アルゼンチンびいきだ。南米サッカーはもともと好きだが、アルゼンチンはビラルドの守備的サッカーだろうが、ココ・バシーレの無謀なサッカーだろうが、ペッケルボーイズだろうが、ビエルサの戦術マニアのサッカーだろうが応援してきた。後藤健生さん風に言えば、監督によって「文法」は異なっても、国に根付いた「発音」は変わらないからだ。しかし同時にどんな国のサッカーでもいいものはいい、逆に強豪国のサッカーでも魂の入っていないものもある。要因は色々ある。内紛だとか。選手個人が戦っていないゲームはまず観る機会はない。高校サッカーの予選で数合わせの助っ人でもない限り、個人は戦っているものだ。しかしサッカーのような世界大会に出ることが困難なスポーツにおいては、そんなことは当たり前。監督がしっかりしていて、協会が強化に力を注いで、それでどれだけ戦えるかを観たい。だからそれが出来ていないチームを観るとガッカリする。ひいきの国ならなおさらだ。
さてアルゼンチンは前に踏み込んだ守備、常にインターセプトを狙う姿勢を見せていた。しかしカバーリングが2番任せで、他の選手は裏を全く警戒していない。監督がどういう指導しているのだと、イライラしていると、7分、カナダにあっさり裏を取られ、ペナ内で2番が倒し、退場&PK。カナダ6番が左足で決めて0−1。アルゼンチンは6番がスイーパー、5番をストッパーに回す。カナダ11番はレフティーでまずまずの技術を持つ。3番もレフティー。15番も攻撃力があり、8番は攻撃のタクトを振るう。アルゼンチンは10番が2大会前のU−20代表にも選ばれている逸材でキープ力があり、そこから決定的なパスを狙い突破力もあるリケルメにも似た選手。11番の攻撃力・スピードや5番の安定感もいい。9番もシュートに持ち込む形を持ったストライカー。つまり素材としての個人能力は高い。20分、カナダ、11番が右から折り返し16番ダイレクトで右上隅。直後にカナダ、裏に出し9番が抜け、飛び出したアルゼンチンGKを外し中へ、19番ミドルを決めて0−3。27分、カナダ19番に警告。アルゼンチン17番→4番。右ストッパーに入る。6番スイーパーは変わらず、5番と10番でボランチ、8番がシャドーで9番1トップ。43分、カナダ、9番にクサビを入れてダイレクトパスが繋がり、19番の前が空きフリーでシュート、決まって0−4。45分、DFからカナダ19番奪って決める。0−5。
ハーフタイムでカナダ4番→12番、19番→20番。少したってアルゼンチン5番→20番。15分、カナダ15番→2番。カナダは明らかにペースダウン。アルゼンチンが良くなったわけではない。21分、アルゼンチン11番→16番。観客3468人。この多さは第1試合の北朝鮮サポーターの動員によるものだろう。43分、カナダ、サイドチェンジから右スペースを突き、折り返しを20番ヘッド、決まって0−6。結局0−6で終了。
個々の能力の高さに見合わない代表チームというのは、かつてのブラジルと同じだ。アルゼンチンは頭の中身を変える必要がある。ペケルマン以前のユース代表がいい加減な監督人事の下、適当な強化しか行なわなかったのと同様、今のU−20女子は間違いなく無能な監督の下、適当な強化しか行なっていない。個人がチャレンジ&カバーの原則が出来ていないのは国内のクラブの責任だが、代表チームで組織的カバーリングが出来ていないのは、守勢が予想されるW杯において準備不足にもほどがある。1対1の間合いの取り方とか、攻撃面の仕掛けはいいのだから、チームとして組織を磨けば、あっという間に強くなる可能性がある。それだけに不満が残った。カナダはいいチーム。個人能力が高く、連携も取れていて、相手の弱点を徹底的についてくる。でかいだけではなく、足元でつないで、アルゼンチンに食いつかせておいて、逆サイドや裏などスペースを突くだけの技術・戦術眼もある。「小さなアメリカ」だ。強いですよ。
|