サッカー観戦日記

2012年02月12日(日) 京都高校新人戦準々決勝 洛北−久御山 東山−京都橘

2日間に分けて開催される京都高校新人戦2日目。ネームバリュー的にはこちらの方が揃っている。久御山のエース林はケガのため出られないらしい。


京都高校新人戦準々決勝   
洛北高校−久御山高校
11時 太陽が丘球技場B ピッチ並 晴れ


洛北           久御山
−−−十番−−九番−−− 三七−−−三番−−−十八
−−−−−−−−−−−− −−−−−四七−−−−−
十一−六番−−七番−八番 −−−六番−−三九−−−
二番−三番−−四番−五番 四十−四二−−四五−六四
−−−−−一番−−−−− −−−−−十二−−−−−

久御山は大会ごとにレギュラーを固定し1番から11番まで並ぶ。なぜかバックラインが左から2番〜5番と並ぶのもお約束。久御山は今年も4−3−3.ボランチでは6番が守備的でよく引いてくる。というか、久御山の場合、6番には特別な意味を込めているのかもしれない。

いきなり久御山3番が裏を狙い、左CKゲット。これは逸機。9分、洛北9番が右CKを左足で入れて外に立っていた3番が中に入り、中に立っていた5番が外に回り、3番が中でつぶれて5番ヘッド、決まって1−0。久御山の守備が甘いのではなく、洛北のセットプレーのパターンが見事だった。9番(中大路)の左足キック精度も見事。12分、久御山、18番から上がってきた64番へ、右クロスに3番スルー37番シュートも右に外れる。決定機。47番はドリブルがある。17分、洛北7番の右クロスに11番シュートも右に外れる。決定機。19分、久御山3番から右の18番へ、オフサイドをかいくぐってシュートもセーブ。超決定機。21分、洛北、右CKで9番の左足キックに中で複雑な動きから5番ヘッド、決まって2−0。このセットプレーも久御山の守備以上に洛北がよかっただけで、久御山の守備は責められない。引き気味の洛北に対し、久御山はいい位置で回せず、大苦戦。6番のボール捌きとか、18番の展開力とか観るべき点はあるが、攻撃力は落ちる。3番も背番号からして即席のCFっぽいし。36分、久御山18番右からドリブル、3番ヒールで落とし、18番シュートも相手に当たって右CK。決定機。これは逸機。結局前半は2−0。

ハーフタイムで久御山は大幅チェンジ。↓の通り。つまりチームはまだまだ未完成なのだろう。

久御山
九番−−−三番−−−三四 
−−−八番−−四七−−− 
−−−−−四八−−−−− 
四十−四二−−四五−六四 
−−−−−十二−−−−− 

3分、久御山9番シュートブロックされるが8番左シュート、正面。決定機。試合は膠着気味。久御山47番→19番。久御山は一層パスが回らず。34番の右クロスを8番ボレー、左ポスト掠める。19分に気づいたが、洛北は11番に代わって14番がFWに入り、9番が左のハーフへ。久御山の3番は175cmくらいで、空中戦で競り勝てず、大苦戦。28分には久御山25番が左ウイングに入り、9番が右ウイングへ。8番トップ下の布陣へ。しかし膠着状態は打開できず。34分洛北は20番がFWに入る。結局2−0でタイムアップ。

久御山は終始機能していなかった。決定機数は前後半で4回あるが、こんなに奪えたのが不思議なほどだった。チームは試行錯誤の段階。完成度で洛北が上回った。ただその洛北もセットプレーで2点取ると、守備的になり、決定機を奪えず、カウンターも機能せず。現時点では明らかに洛北が上だが、新人戦だし、もう少し可能性が見たかった。




京都高校新人戦準々決勝   
東山高校−京都橘高校
13時30分 太陽が丘球技場B ピッチ並 晴れ

東山           京都橘
−−−十九−−九番−−− −−七番−−十番−−九番
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
十五−五番−−十番−六番 −十二−六番−−十一−−
八番−三番−−四番−二十 二番−四番−−三番−五番
−−−−−一番−−−−− −−−−−十七−−−−−

橘のフォーメーション図を見て妙に思われるかもしれないが、最初は4−4−2と思った。しかし中盤と前線のバランスの違う4−3−3だ。東山の左サイドバックが攻撃的な選手で守備力が落ちるため、そこを突く戦術かと思ったが、新チームはこういうやり方らしい。

東山は昨年が藤本のワンマンチームだったので、その依存からどう脱するかと思ってみていたが、局地戦で激しく守っている。全国で戦えるチームというのは、局地戦に強いチーム。つまり守備で味方のカバーに頼ることなく一人で何とか当たって食い止めたり、攻撃面でもドリブルで抜けないまでも、起点を作ったり出来るチーム。全国常連チームはそういう基本がしっかりしている。逆にG大阪ユースや大阪桐蔭が頭角を現してきたときには、パスは回るし、守備でもチャレンジ&カバーがしっかりしているけど、局地戦に弱く、「押してる割にコロッと点を取られる」シーンが目立った。京都でその段階にあるのが京都橘だ。力だけなら全国制覇してもおかしくない。プリンスでも好成績を収めている。しかしぽろっと取りこぼす。こればかりは全国慣れしていくしかないだろう。

さてゲームは8分、東山が引いて受けた19番から上がった5番へスルーパス、橘DFがつり出され、後ろから追いかけて引っ張って倒してPK。これを5番が左隅に決める。1−0。橘DFのポジショニングミス。もう少し我慢できた。警告が出ないだけラッキーだった。その後橘はパスを回す。特に右サイドは突破を見せる。東山は10番のパスセンスや15番のキック精度が見事。橘は6番が頭脳的でいい位置に入りギャップで受けようとしたり、前線のスペースにいいタイミングで飛び出したりと、抜群のサッカーセンスを感じさせる。加藤健太みたいだ。しかしチームメイトが理解できず空回り。1年生ということでまだ信頼を勝ち得ていないのかもしれない。11番(宮吉)の技術や4番(文字)のデカさも見事。しかし局地戦で完敗し、東山陣内深くまで侵入できない。そして26分、4番が東山9番に奪われGKと1対1になり、決まる。2−0。これは全国トップクラスの強豪高なら絶対しないミスだ。28分には橘GKのフィードミスを東山19番カット、左シュートは右に外れる。決定機。橘10番はなかなか上手い。結局前半は2−0。どちらもミス絡みの得点だった。

後半立ち上がりはじっくりとした展開。8分、カウンターから橘10番がドリブル、仕掛けて7番に出しクロスもカット。8分、橘5番ミドルがGKの上を襲う。これは右CKに逃げる。14分、東山の右CK、橘GKキャッチミスもなんとかクリア。15分、橘右クロスのこぼれを10番シュートもブロック。決定機。17分、東山、サイドチェンジから9番が中に出すが、DFスライディングタックルで防ぐ。橘GKはなかなかいい反応をしている。22分、東山、左60度30mFK、15番の右足から9番にあわせるが外れる。24分、橘、左FKで11番がファーでヘッドも上に外れる。橘9番→20番。直後に7番が左突破から20番に出すがGKキャッチ。32分、東山、左シュート、こぼれを19番が決めて3−0。これで勝負アリ。33分には橘10番の右クロスを12番ボレー、DFに当たり逸れる。決定機。東山3番は苦しい時に声の出るいいキャプテン。ロスタイム3分、東山19番→17番。結局3−0でタイムアップ。

個々の能力では京都橘が上だった。6番の動きを理解すれば格段にボール回しも早くなるだろうし、一人一人がもっと激しく当たれば、すぐにボールを奪い返せるのだろうが淡白だった。東山は15番と10番がよかったが、一人一人が懸命に戦っていた。前半の2得点は橘のミスだが、無失点に抑えたのは紛れもない実力だ。


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