2009年06月22日(月) |
雑文・G大阪ユースの2部降格に思うこと |
今期関西プリンス1部でG大阪ユースが低迷し、来期の2部落ちが決まった。降格決定の試合は近くのグラウンドにはいたが観てない。しかし結構な衝撃を受けた。
G大阪ユースといえば、長らく関西最強チームだった。プリンスでC大阪や神戸に優勝をさらわれたことはある。しかしチーム力としては、明らかにG大阪のほうが上だったし、アンダー代表やプロ輩出などでは、ライバルなどいなかった。以前、思考実験としてG大阪U−17でプリンスに参加しても、いいところに行けるのではないか、ということも考えた。ココ。
その時々での最多観戦チームはある。高槻FC、芥川高校、阪南大、などなど。昨年は近大附が最多観戦チームだった。しかしG大阪ユース創設以来の通算で言えば、明らかにG大阪ユースが最多観戦チームだ。高木や宮本の一期生から観ている(高木は中学生時代から)。読売・日産・三菱養和目当てでクラセン全国大会を観に行き始めた私ではあるが、(それまでは主に枚方FCを観ていた)コンスタントに全国に行き始めたのもG大阪ユース発足以来だ。
Jユースというものは、すんなりその地域最強チームになるわけではない。素材が集まるとは限らないし、特に以前は技術指導に特化するあまり、フィジカルを軽視し、線の細い選手ばかりだったからだ。例えばマリノスユースはJリーグ初期に全日本ユースで準優勝した年にMF草柳やDF田沢など4人を一気に昇格させたことがあるが、早々に契約打ち切りになっている。しかしG大阪は最初から大阪、いや関西最強だった。こういう例はほかに広島と愛媛FCくらいだ。身体の強い素材を集めた早熟選抜で技術指導し、すぐに成果を上げた。
しかし90年代に優秀な人材を監督に据えた時代から、徐々にトップOBがあまり経験を積まないまま、ユース監督を任せた影響か、あるいはまたトップの西野監督が若手育成がイマイチなこともあって、トップ昇格選手はあまり結果を出していない。昇格基準の甘さもあるのかもしれないが、すばらしい素材と思った選手が3年間であまり伸びていない。
育成とはプロ選手輩出数だけで測れるものではない。素材の集まるチームとそうでないチームがあるからだ。例えば関西大と阪南大で同数のプロやJFLが育っていれば、素材の劣る阪南大のほうが育成に秀でたチームということになる。G大阪はかつてはジュニアユース上がりがあまりトップ昇格できなかったり、未だに大学経由でプロになった選手がほとんどいなかったりする。私自身のG大阪の育成能力の評価は「100点はつけられないが、70点くらい」といったところか。ちなみに最も100点に近いチームは広島ユースだったりする。ジュニアユースの人材でユースに上がれない選手もきっちり育てたり、大学経由でプロを輩出したり、と選手一人一人をそれなりに育てている印象があるからだ。
G大阪ユースが関西で1チームだけ強い、という状態はG大阪ユースにとってよくないと思っていた。選手というものは互角の勝負、苦しい試合を経験して伸びていく。G大阪ユース出身選手の多くは勝負弱い。近年の他関西Jユースの強化はいい傾向だと思っていた。これでG大阪が力を保てば、関西で様々な連鎖反応が起き、いい相乗効果が期待できると思った。しかし、2部に降格し、「最強伝説」に終止符が打たれると、C大阪はもちろん、神戸や京都にも好選手が流れるだろう。G大阪ユースの今後が不安でならない。
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