2004年04月16日(金) |
雑文・大学アスリートの経済問題解消について |
近年奨学金を返済しない滞納者が増えているという。これまで強制執行などのしっかりした対処を怠ったツケがきてしまっている。金のことだけはきっちりけじめをつけなければいけない。返済は結構きついが、学生時代に社会勉強分を超えたバイトに生活や学業が振り回されることを考えれば、どうってことはないはずだ。私も奨学金があったからこそ学生時代に学内にいる時間を削ることなく十分サッカー観戦を楽しめた。奨学金も資金源あってこそ。奨学金があって初めて生き生きとした学生生活を送れる人はゴロゴロいる。それだけに滞納者の存在は実に不愉快だ。
さて大学でサッカーを続ける選手の多くはバイトをしている。ごく普通の選手ならば選手生活とバイトを無理なく共存させることも可能だ。しかしJFA特別指定選手クラスとなるとどうだろう。単に練習参加やサテライト出場程度ならまだいい。これがトップ出場や不定期な代表選出が重なればどうなるか。バイトも不定期とならざるを得ず、金銭面の問題から身体的に厳しいものとならざるを得ないのではないか。スポーツ選手としてマイナス面もあるだろう。早大所属で特別指定選手としてFC東京の一員としてJに出場し、その上五輪代表という多忙な生活を送っている徳永のバイトでの苦労が報道されたことがある。東京近辺ならまだいい。しかし筑波大に入った平山はどうだろう?今後はサッカー部員の肩書き以外にU−19代表・五輪代表・ユニバー代表、それに特別指定選手にも選ばれる可能性が極めて高い。U−19や次期北京五輪代表では中心選手だし、大学サッカーという存在を利用する以上最低限ユニバー代表には参加せざるを得ないだろう。金銭的に不自由していないのならいい。しかしそうでなければ筑波近辺で不定期なバイトは決して楽なものではないはずだ。
徳永の様なケースは特別指定の枠を大学生にも拡大する時点で誰にでも予想できること。所属チームを超えた活動が認められるサッカー界ならではの問題なのだ。そして解決策も自明である。
スポーツ奨学金制度の整備。これしかない。
この制度が充実しているアメリカでは大学トップアスリートの大半が奨学金を受けている。通常学費・寮費相当額が支給される。過剰なバイトに追われる大学トップアスリートなどはたして存在するのだろうか?日本でも一部の大学では同様の制度が導入されている。ただ特別指定制度にはなじまない。いずれも大学内での活動が条件となっているからだ。必要とされているのはあくまで学外奨学金である。JFAやそのグループ企業が創設するわけにもいくまい。アマチュア規約云々の不毛な議論が受給者に不利益をもたらしかねない。代表スポンサーあたりにもうひと頑張りして頂きたいところだ。
平山の様にプロを蹴る選手のみならず、今後は特別指定制度を念頭にユース出身者と契約せず地元の大学に送り込んで成長を待つクラブも出てくる事が予想される。優秀なタレントを経済面から潰す前に行動を起こしてほしい。
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