2004年02月11日(水) |
大阪高校新人戦5回戦 金光−浪速 大冠−芥川 近大附−清教 登美丘−履正社 |
ひさしぶりの高校サッカーである。今年に入ってからの17試合はいずれも中学生。高校サッカーを自制していた部分はある。無謀にも今年こそ観戦数を100以下に抑えよう、などと正月には思っていたのだ。しかし目標は既に風前の灯。足を運んだ先はお気に入りの会場のひとつ、大冠高校である。入ってすぐの校舎と体育館の間ではチアが練習している。2階の体育館外から見下ろして観戦したいところだったが、土足禁止のマナーを破っている人はいない。残念ながら断念。真冬に靴下だけで過ごすわけにもいかない。久しぶりの高校生のゲーム、最初は身体能力の高さに戸惑った。
大阪高校新人戦5回戦 金光−浪速 2月11日(祝)大冠高G 9時30分 晴 並風
金光 浪速 −−−十三−−十一−−− −−−九番−−十一−−− −−−−−七番−−−−− −−−−−十八−−−−− −六番−−八番−−十六− −十二−−八番−−十番− 十九−三番−−四番−五番 三番−四番−−五番−二番 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
後半途中から観戦。得意のサイド攻撃を仕掛ける金光が押し気味ながらもサイドを破れず、決定機はなかなかつかめない。浪速もサイドの守備の連携がいい。昨年度は3大会合わせて4勝だったが、新チームはなかなか強力だ。終了間際には惜しいチャンスもあり、70分間終わって0−0のまま、20分間の延長戦に突入した。延長となれば地獄の走りこみで知られる金光が絶対優位化と思われた。しかし延長前半ははっきり浪速ペース。起点になれる左利きの12番とドリブラーの10番が攻めの主役となる。またセットプレーでは12番の蹴ったボールがファーに合うことが多い。枠に決まらずに前半終了。金光は11番前川に代えて22番投入。すると快速の22番が左からスペースに出たボールを狙い、前半とは対照的に金光ペース。浪速の走力の低下も手伝い、いつ得点が決まってもおかしくない状況である。浪速が辛うじて耐えてPK戦突入。両チーム6人目まで全員決めて金光が7人目も決めたのに対し浪速のキックは金光GKに阻まれて決着。金光が準々決勝へ進んだ。
金光は昨年ほどの力はないかもしれない。ただ強力な前チームはプリンスリーグ残留はしたものの総体・選手権ともベスト32に終わった。裏を返せば高校生の場合、一定のレベルに達していれば全国への可能性は必ずある。新チームも全国を狙うだけの力はやはりありそう。
大阪高校新人戦5回戦 大冠−芥川 2月11日(祝)大冠高G 11時30分 晴 並風
大冠 芥川 −−−西村−−山下−−− −−−岡田−−西村−−− −−−−−岡田−−−−− −−−−−−−−−−−− 久保−木下−−冨田−廣瀧 別小−上田−−高槻−南部 −−本山−森−−入江−− 久保−渡部−−竹矢−長野 −−−−−早田−−−−− −−−−−須川−−−−−
ともに前年度のレギュラーはほとんど抜けた。残っているのは大冠の木下くらいか。大冠は整然としたラインコントロールを行なうフラット3。西村がポスト役。小柄な山下が飛び出しを狙い、岡田もドリブルがあり、やはり前線へ飛び出せる選手。一方の芥川は現時点でのチームとしての完成度で明らかに劣る。シンプルなゾーンディフェンスで、ラインコントロールや中盤のプレスなどは弱い。ラインと中盤の間にスペースが出来、大冠は岡田を中心に切り崩す。芥川がインサイドのショートパスでリズムを作ろうにもすぐに大冠のプレスが掛かる。高槻からはいいパスも出る。大冠は本部と逆側の応援席にブラバンやチアも登場。近くの子供が「何か向こうで踊っとるで」と驚いていた。大冠は応援も結構上手い。なお芥川は控え部員の応援は無し。 大冠のスタイルは本来スタミナ面に負担が掛かるはずだが、組織力の差が大きく、むしろ芥川の消耗が激しそうだ。しかし先制したのは芥川。別小の左CKを南部がニアで触りこぼれたところを誰かが(笑)決めて先制。しかし1分と経たないうちに大冠も廣瀧の右クロスを岡田がファーで合わせ同点。芥川は長身CF岡田へクロスが入らず、足元へのクサビもほとんど決まらない。サイドハーフが裏を狙えばオフサイド、という厳しい状況。2,3人のグループでの動きしかなく、11人が連動する大冠が優っている。1−1で前半終了。
ハーフタイムの芥川ベンチの指示は、サイドハーフが一気に行くのではなくプルアウェイの動きなど工夫しろということと、セットプレーがチャンスだ、というもの。
しかし後半も大冠ペース。森を中心としたフラット3が芥川の攻めを沈黙させ、前半同様オフサイドの山を築く。奥谷前監督と比べて守口先生のチームは球際の激しさがあり、ひとりひとりが責任を持って局地戦を制圧し組織に貢献している。しかし勝ち越し点を決めたのは芥川。左CKのこぼれを西村がミドルで決めて1−2。大冠は選手交代を行い、激しく攻め立てるがイマイチ決定機にならない。芥川もカウンターに行けず、抜けたと思えばオフサイド。終了間際の芥川の決定機は前が開いた状況で西村が華麗なループを狙ったが外れてしまう。結局1−2で芥川が逃げ切った。
まあ、現時点では大冠のほうが実力的には上だと思うが、芥川のセットプレーに沈んだ。 傑出した選手こそいないが、新人戦とは思えないような組織力は見事だった。やはり新チームも強い。新人戦では例年完成度の高さで上位に食い込むチームもいるのだが、夏以降は冴えない結果に終わることが多い。しかし大冠のレベルなら来冬も楽しみ。芥川も後半の守備は安定していたし、個人のレベルは大冠と同等以上で面白い選手もおり、やはり楽しみ。これで近畿中学総体優勝の高槻九中主力が入ったりすれば、十分全国の可能性もあるだろう。次戦の金光戦、この日の出来なら五分五分か。
大阪高校新人戦5回戦 近大附−清教学園 2月11日(祝)大冠高G 13時 晴 並風
近大附 清教 −−−福山−−中村−−− −−−都築−−野崎−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−大林−−−−− 長束−山口−−小柳−入江 −小川−−松村−−茶野− 甲斐−森實−長谷川−田中 小林−横山−−古芝−村田 −−−−−岡本−−−−− −−−−−三木−−−−−
選手権出場の近大附は中盤両サイドが開いた形で、高いポジションをとる。上の表記ではフラット気味の配置としたが、清教とは地力の差があり、実際には高いポジションだった。選手権でも活躍した長束が主将。長谷川が守備の要。RB山口は出てない。昨年レギュラーの福山がエースストライカー。10番入江も昨年から出ていた選手。長束・入江がFK担当。サイドハーフがクロスを福山に合わせるスタイル。
清教は頑強そうな大林が中心選手。アウトにかけたパスなども出していた。
なおこのゲームも両チーム控え部員や保護者?数十人の応援があった。
割と大人しい立ち上がり。近大附が圧倒する内容ではなく、清教も自陣からパスを繋ごうとする。しかしパスミスが多く近大附がいい位置でボールを奪う、が決定機は作れず。近大附としてはいささか低調な出来か。ミスが多くサイドが崩せない。また清教はサイドに人数を割いて守備を固めている。近大附は例年中から崩せるチームではなく、新チームも同様である。清教も決定機はつかめなかったが、松村のミドルが近大附の選手に当たって大きくコースが代わりGKの逆を突いてゴールイン。意外にも清教が先制した。近大附はその後も決定機を奪えないまま前半終了。
近大附はゴリゴリとサイド攻撃を続けるしかあるまい。サイドバックはタフそうだ。
後半近大附は長束が左ウイングに上がり福山を中心に中村がやや右の3トップ。入江がトップ下で小柳が右をケアする形をとり、長束の左からの突破を徹底する。清教のRB村田もよく対応し中へのクロスをなかなか許さない。しかし長束の得たCKで入江のキックが長身CB森實の頭に合い後半早々に同点。さらに長束がついにサイドを突破しペナに入ったところを倒されPK、これを入江が決めて2−1と逆転した。その後も近大附が押し込んで勝利。点差以上に力の差はあった。
近大附は総合力では昨年とほぼ同等か。相手が根負けするまでサイド攻撃を繰り返す。清教のように粘り強いチーム相手ならどうしても苦戦してしまうが、まあ仕方ない。タレント的には金光・芥川より分があるし、全国も十分狙えるチーム。
大阪高校新人戦5回戦 登美丘−履正社 2月11日(祝)大冠高G 14時30分 晴 並風
登美丘 履正社 −−−井上−−杉山−−− −−−鈴木−−寺本−−− −−−石山−−芦谷−−− −−−−−一蔦−−−−− 山中−−−野口−−−武知 −西村−−石田−−松本− −−−長−三原−真庭−− 阿部−長島−−永戸−角南 −−−−−横山−−−−− −−−−−松田−−−−−
履正社は観たことがある選手が多い。全員1年生で大半がクラブ出身者。最終ラインからパスでつなぐJクラブのようなきれいなサッカー。トレセンサッカーとでもいおうか。リスクを犯さずサイドの深い位置まで侵入して初めて仕掛ける。登美丘(とみおか)はマンマークで対応。履正社がシュートのこぼれをミドルで決めたところで会場を後にする。
帰りに松屋に寄る。まだ牛めしも販売中。初めて豚めしを食べた。意外と美味しい。玉葱の切り方が下手だったのはご愛嬌。まあ何でも食べれるほうだし、半年程度なら牛肉などなくても構わない。
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