2004年01月10日(土) |
全日本ユース(U−15)フットサル大会 初日 |
全日本ユース(U−15)フットサル大会 初日
グループA ユニオン(北海道2)、岡崎市立福岡中(東海2)、 宝塚JFC(関西1)上越市立春日中(北信越) グループB 舘岡FC(東北1)、MALVA水戸FC(関東2)、 大分トリニータU−15(九州2)、Uno FC(中国) グループC 七飯中(北海道1)、高崎フットサルクラブ(関東1)、 潮岬中(関西2)、小野中(四国) グループD 見前FC(東北2)、緑東FC(東海1)、 FCターキー(九州1)、EXE90(開催地)
第一試合は宝塚JFC−春日中をメインに観る。宝塚はダイアモンド型の布陣で後方からパスを繋ぎ、敵陣深くでは素早いパスからシュートを狙う。対する春日中は自陣に引いて守り、徹底的にドリブルでのカウンターを狙うチーム。しかし明らかに過緊張で全くフォアチェックをせず、宝塚はFK同然の狙い済ましたパスを後方から出すことが出来た。またカウンター時にも春日中は後方に二人も残り、強引なドリブルも最後には止められてしまう。タイムアウトも取らずズルズルとゲームが進む。宝塚は少しずつ選手交代を行いスタミナの消耗を抑えつつ点差を広げ5−2で前半を終えた。 しかし後半春日中も動きが良くなり、フォアチェックやカウンター時の後方からの攻撃参加などでペースを掴む。ジダンのターンが得意な保坂君を筆頭に技術に優る春日中がドリブルで次々と宝塚守備網を破り追撃。宝塚が時間稼ぎもせず攻撃的な姿勢を崩さないこともあり、ついに終盤には6−6に追いついた。しかしカウンターから新保君が決めて7−6として逃げ切った。
春日中は新潟県大会で前回王者のバローレ京ヶ瀬を破って出場したチーム。静岡学園のようにドリブルテクニックを徹底的に磨いているようだ。パスは不得手だが、高校生以降のことを考えての方針だと思う。初めての全国大会ということで緊張で硬かった前半の失点が響いてしまった。この時期グラウンドはもう使えず、毎日2時間体育館で練習を積んで大会に臨んだとの事。ほとんどメンバーチェンジなしで戦うので連戦には不安が残る。北信越大会では余裕の勝ちばかりだったようだ。京ヶ瀬を破る力があるのだから無理も無い。しかし全国ではやや厳しい。
第2試合は北海道王者の七飯中と関東王者の高崎フットサルクラブのゲームをメイン観戦。ともにフットサル慣れしたチーム。七飯中はボックス型で前にはテクニックとイマジネーションに富んだ大島君とスピード・決定力のある榎木君を並べる。高崎はダイアモンド型で後方には抜群のセンスを持つ福村君が入りチームをコントロール。序盤は高崎の動きが硬く、七飯中が先制したところでタイムアウト。緊張が取れ、お互いに守備のバランスを重視する落ち着いたゲームとなる。七飯中は前線の選手が外からウェーブを描いた動きで中に入りボールを受けようとする。高崎の守備が対応すると他の選手が第2、第3の動きを見せ、高崎もよく対応。レベルの高い攻守が続き2−2で前半終了。 後半高崎は福村君を前線に上げてより攻撃となる。高崎はこまめに選手交代を行いスタミナの消耗を避けるのに比べ七飯中も少しずつ交代は行なうものの出場する選手の顔ぶれは限られ、やや苦しい。徐々に高崎は攻守にわたり数的優位に立つ。また七飯中は攻撃時の大きな動きも減り高崎ペースに。クレバーでトータルな能力の高い福村君の活躍もあり、高崎が4−3で競り勝った。
第3試合はユニオン−宝塚戦を中心に観戦。ユニオンは期待通りの強力なチームだった。全員が確実な技術と判断力を備え、GKを含めベンチ入りの選手が次々に交代。フィールドプレーヤー全員がハーフを越えることも多いが、GKが高い位置で何度もカバー。ループシュートで即失点だが、そんなスキはなかった。サイドでパスを回して逆サイドに決定的なパスを通し得点を重ねる。北海道大会では七飯中に敗れたわけだが、力的にはユニオンのほうがやや上か。終始宝塚を圧倒し9−2と圧勝。2連勝を飾った。数字の上では2勝1敗で3チームが並びグループリーグ敗退の可能性もある。しかも最終戦の相手はユニオンを倒しうる力を持つ春日中。しかし得失点差が15もあるので1位通過は堅い。
第4試合はMALVA水戸−Uno戦を主に観る。練習では水戸の小柄なGK秋山君が抜群のポジショニングと反応を見せている。水戸はダイアモンド型の布陣でトップの伊藤君に当てて他の選手を使う攻撃が主体である。またUnoが中でトップに当てて起点を作ろうとすると、後方の井上君をはじめダイアモンドがあっという間に縮んでポストを許さない。前半有効なポストは3回もあっただろうか。しかしUnoもトップを囮にサイドのスペースを突く動きでチャンスを作る。これは秋山君が巧みなポジショニングと好セーブで防ぐ。MALVAもパスミスなどでチャンスを潰す。専門チームらしく選手交代を多用し、勝負を焦らない。前半は1−1。 後半に入りMALVAはドリブルを多用。全員スピード豊かで、疲れもあってUnoが振り切られるシーンも出てくる。また守備でもポストだけでなく、スペースへのパスもほとんどカットし、磐石のゲーム展開となる。4選手が1点ずつ決めて5−1と完勝した。
MALVAはトップが関東リーグの強豪、ジュニアも全少フットサル出場という名門フットサルクラブだ。浅野智久監督は元Jリーガーで、フットサル代表経験もある。個々の選手は普段バラバラのチームに所属し11人制サッカーをプレーしているという。夏で大会を終えた後はほぼMALVAに専念しラバー床のフットサルコートで連日2時間の練習を行なっている。選手の大半は何らかの選抜に選ばれており、技術的にも身体的にも優れている。普段はOBの多い水短やトップチームと練習試合を行なっているという。確かに並みの高校では相手になりそうもない。保護者の方に、このチームが大人の大会でも十分通用するのでは?と尋ねたところ、トップチームと同じ大会に出てトップが優勝、このチームが3位になったという。MALVAのトップが出るくらいだから甘い大会の訳がない。恐ろしいチームだ。水短に進む選手が多いらしい。
第5試合は七飯中−潮岬中を中心に観戦。潮岬中は全少フットサル出場経験者が多い。しかし七飯中のほうがフットサルでは一枚上手だった。潮岬中は自陣深くでの相手キックイン時に選手交代を行なうなど不用意な行為も目立ち、七飯中が完全にペースを握る。七飯中ペナ内FKを目の前の相手にパスしてしまうミスから得点したほかにはチャンスも作れず、4−1で前半終了。後半はスピード豊かな東君のオーバーラップなどで潮岬中も盛り返し一時は1点差まで詰め寄ったが七飯中も終盤突き放し8−4で競り勝った。
同時に行なわれた高崎−小野中は小野中が逆転勝ちで2連勝。ハートのあるいいチームだ。グループCは混戦となった。
初日を終了してAは1位がほぼユニオンで、2位は福岡中と宝塚の直接対決の結果次第。 BはMALVAと大分の勝ち抜け決定。明日の直接対決で順位が決まるが、2位ならユニオンとぶつかる。Cは全てのチームに可能性あり。今のところユニオンとMALVAが優勝に近そうだが、中学生は分からない。さて、どうなるか。
結果
グループA ユニオン11−3福岡中 宝塚JFC7−6春日中 ユニオン9−2宝塚JFC 福岡中6−4春日中
グループB 舘岡FC4−8MALVA 大分7−5Uno 舘岡FC4−7大分 MALVA5−1Uno
グループC 七飯中3−4高崎フットサルクラブ 潮岬中1−7小野中 七飯中8−4潮岬中 高崎フットサルクラブ6−7小野中
グループD 見前FC3−5緑東FC FCターキー5−5EXE90 見前FC8−5FCターキー 緑東FC?−?EXE90
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