サッカー観戦日記

2003年11月24日(月) 全国地域リーグ決勝大会 草津−ホリコシ 静産大−静岡FC

この日も一番ドラマティックな大会目当てで鶴見へ。大阪駅前からバス利用。交通キャンペーンなのか芦原武司運転手は実に安全運転で、走行中に誰かが席を立つとすかさず注意。バス停に近づき降りる客が席を立てばゆっくり時間をかけて停車すると予告し、実際に何度も実行する。安全上の注意も放送に頼らず生声で客に呼び掛けるというもの。これだけ丁寧に安全対策を心がけていれば車内事故も起きないだろう。ただラッシュ時にはイライラするかもしれない。芦原運転手は声がいい。それに話し方にもキレがある。客に不快感を与えないタイプだ。この人は今後とも生声での呼びかけを続けるべきだと思った。

JFL昇格を賭けたこの大会も最終日。2日目までの結果は草津が勝ち点6(得失点差+3)、静産大とホリコシが勝ち点3(ともに0)、静岡FCが0(−3)となっている。状況を整理すると草津はホリコシ相手にPK戦に持ち込んだ時点でJFL昇格確定。1点差負けでも2位以内。2点差負けなら3チームが勝ち点6で並べば厳しい。ホリコシはとにかく勝たなければいけない。静産大と静岡FCは第1試合の結果次第。静産大は1位の可能性もあるが、既に草津に届かない静岡FCとすれば草津の勝ちを祈るのみ。

それにしても観客が多い。500人は優に超えている。近年社会人サッカーで動員もなしにこれだけ観客が集まったことがあるだろうか。800人以上か?草津サイドはバスで何台にも分かれて来阪。サポーターソングは地元民謡みたい。ザスパは温泉を意味するのでザスパ草津=草津温泉。田崎真珠のチームが田崎ペルーレというのと同じくらいストレートなネーミング。ホリコシは今回専門学校生の動員はなし。スタンドには阪南大・須佐監督の姿も見える。OBの草津・寺田の応援もあるだろうが、多分天皇杯2回戦で対戦濃厚な草津のスカウティングだと思う。


全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド第3日 ザスパ草津−群馬FCホリコシ
11月24日(月)鶴見緑地 11時  ピッチ並 曇のち雨 並風


草津                ホリコシ
−−−切札−−浦本−−− −−−−−森−−−−−−
−−−−−後藤−−−−− −深田−−蔵川−−北原−
寺田−鳥居塚−山崎−立石 −−−山田−−小山−−−
−小田島−奥野−籾谷−− 神田−三本菅−小川−小澤
−−−−−小島−−−−− −−−−−道本−−−−−

草津は奥野を余らせる3バック。GK小島を含め空中戦は圧倒的に強い。鳥居塚が守備的で山崎はどんどん上がる。初日ははっきりドイスボランチだったが、山崎は前線の動きに合わせかなり流動する。後藤は左に流れることが多い。浦本・フラビオも前線でポジションを小まめに動かす。

ホリコシは4−5−1でボランチは山田が下がり目、小山が上がり目。2列目はポジションチェンジが多い。森がはっきりワントップ。スタメンのプロ経験者は三本菅(前甲府)、神田(前甲府)北原(前水戸)蔵川(前横浜FM)森(前横浜FM)の5人。

勝たなければならないホリコシが開始早々前線から激しいプレスを掛け、奪えば2列目の3人が柔軟にポジションを入れ替えながらマークを外し圧倒的な攻勢に出る。ボランチの小山もどんどん上がり、中盤より前のポジションは山田がボランチ、森が1トップという以外は高度に柔軟性に富んだスタイル。8分には左クロスをスルスルとDFの間に入り込んだ小山がワントラップボレー、小島好セーブ。草津もFKで鳥居塚から籾谷が打点の高いヘッドもDF体を寄せ頭に当たっただけのシュート。11分、ホリコシ左CKで北原からニアで小山合わせるが外れる。直後森に恩氏主審が警告。18分にも小山が後方から飛び出してドリブル、奥野CKに逃げる。24分、草津・寺田が背中にボールを転がす偶然の珍技、スタンドに受ける。ホリコシ・森の左クロスをまたも小山が狙うが弱く、GKの前でカット、草津カウンターでフラビオ左からドリブルシュート、道本好セーブ、こぼれに後藤も突っ込むが外れる。27分にはロングフィードを小山がヘッドで逸らし森飛び込むが惜しくも届かず。ここまで完全にホリコシペースである。ホリコシのポジションチェンジに草津は対応できない。自陣に次々とスペースを作られ奥野のカバーだけでは間に合わず、後方からの小山の飛び出しに鳥居塚はまったくついていけない。ただホリコシもオーバーペース気味でなかなか点がとれないようだと終盤は厳しい。30分、ファウルを繰り返すフラビオに恩氏主審が注意。注意といっても高飛車な態度である。32分、ホリコシ・北原が右から中へパス、小山が方向を変えて深田が飛び出し右30度からニア上を狙うが外れる。36分、草津・後藤デンジャラスで警告。しかしホリコシの選手が胸より下のボールに頭を下げて突っ込んできたところに気づかず蹴ったのであり誤審であろう。38分、草津FKを籾谷があたまで落としファーに流れたところをフラビオDFより先に体を入れるがファウルで警告。エルボーでも使ったか?草津スタンドから恩氏氏非難の声が高まるが、これはプライドの高い恩氏氏の人間性を理解しておらず自チームに不利な判定をされかねない行動である。43分にはファウル後ボールを蹴りだした寺田にも警告。ロスタイムには深田のFKのハイボールを小島キャッチミスで左CKへ。そのCKを小島高いパンチング、こぼれを深田シュートも外れて前半終了。

後半草津・後藤→奈良。フラビオを1トップに左に浦本、右に奈良という形。1分いきなり奈良からフラビオへラストパスが通るもシュートは弱い。3分には奈良が右FKを得るが鳥居塚のボールはファーにあわず。、交代出場の奈良がなかなか好調でキレのある切り返しからのパスをみせる。7分、奈良が左クロス、フラビオに合わないが、逆サイドから浦本がクロス、フラビオにピタリ合うが枠を外す。9分には立石がタテにスピードに乗ったドリブルからクロスも不正確。12分には山崎がフリーで左クロスもミス。ここまでは完全に草津ペース。13分籾谷に警告。森が腕を引っ張った報復に何もないところで足を出して引っ掛けようとしてのもので極めて不用意。主審によっては退場もあるかもしれない。15分、ホリコシGK道本、後半2回目のゴールキックミス。18分ホリコシ・小川→エヴァンドロ登場。RBに入り、小澤がCBに回る。小川はよく動いた。エヴァンドロは右手首に包帯をしている。しかし草津の流れは変わらない。25分、山崎→高須が攻撃的なインサイドに入る。30分ホリコシのドリブルを止めて浦本に警告。このあたりから雨が落ち始める。34分草津左CKがファーに流れて籾谷が追いついてクロス、フラビオがフリーでハイボレーも空振り。41分、ホリコシ・深田の左クロスをニアで森がピンポイントで合わせるが外れる。ホリコシは後半初めての決定機。42分、奈良に警告。異議か?ロスタイムにはホリコシがハイボールで最後の勝負に出るが小島パンチングで凌ぎタイムアップ。この瞬間草津の優勝とJFL昇格が決まり、ベンチの控え選手も一斉にピッチに飛び出し出場選手と喜びを分かち合う。が大会規定上まだゲーム中であり、恩氏主審は不快そうに控え選手たちをベンチに追いやり、PK戦へ。こうなると小島の圧倒的な存在感が活きてくる。ちなみにPK戦突入の瞬間静岡FCのJFL昇格の可能性も消えた。

ホリコシは神田と北原のキックのコースが甘く小島がセーブ、草津も浦本が外したものの5人目の奈良がきっちり決めて座禅+仏像ポーズ。ちなみに奈良は高校時代からスキンヘッドである。ホリコシは勝ち点4にとどまった。JFL昇格は第2試合の結果次第となる。

ホリコシ 小澤○神田×深田○北原×森○
草津  鳥居塚○小田島○フラビオ○浦本×奈良○




全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド第3日 静産大−静岡FC
11月24日(月)鶴見緑地 13時30分  ピッチ並 雨 並風


静産大               静岡FC
−−−吉本−−松下−−− −−−水野−−清野−−−
−−−−−桜田−−−−− −−−−−−−−−−−−
牧野−安藤−−牧田−坂本 小澤−宮田−−長友−藤田
−−竹山−望月−大森−− 横関−大野−−関口−冨田
−−−−−佐々木−−−− −−−−−浅山−−−−−

このゲームは強い雨のためメモをこまめにとっていないので簡単な印象を書くにとどめておこう。

得点
33分 静産大・松下(PK)
70分 静岡・大野
73分 静岡・水野
89分 静岡・アウグスト

双方とも自陣からしっかりパスをつなぎ相手を崩しにかかる。静産大で決定的なパスを出せる桜田を静岡FCがよく抑え、逆にどこからでもラストパスが強力な2トップに入り、静岡FCがやや押し気味のゲームとなる。ともにチャンスを数多く生み出す中スルーパスに抜け出した松下が倒されPK、これを自ら決めて静産大が先制する。後半にも1対1のチャンスに決めきれず、もうJFLの可能性のない静岡FCが徐々にチャンスを作り、悪コンディションの中、静産大の足が止まった後半半ばからは一方的な展開となり、長短のパスで静産大の守備はズタズタとなり、連続2ゴールで逆転。ホリコシ・ダニロがスタンドを沸かせる熱い声援を送る中ロスタイムには交代出場のアウグストがとどめの3点目を決めて、静岡FCが3位を勝ち取った。





雨のため表彰式はスタンド下でファンに取り囲まれて行われた。草津の奥野監督も群馬FCホリコシの選手たちと握手を交わし激励する。草津は奥野の優等生的な笑顔、小島のにんまり顔、立石の満面の笑顔、むすっとしているような奈良などそれぞれの表情で優勝を喜ぶ。準優勝を拾ったホリコシは草津以上に笑顔に包まれている。静岡FCや静産大の選手たちの表情はただ固い。

大会後近くの銭湯でビールかけならぬ「湯かけ」や温泉無料開放といったイベントもあったが寒いので参加せず。なにしろ自宅ではお遊びでワイン風呂をやっているので、タダ風呂にも興味は持てないのだった。


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T.K. [MAIL]