2003年11月22日(土) |
全国地域リーグ決勝大会 草津−静産大 静岡−ホリコシ |
全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド第1日 ザスパ草津−静岡産業大 11月22日(土)鶴見緑地 11時 ピッチ並 晴 並風
草津 静産大 −−−宮川−−フラビオ− −−−吉本−−松下−−− −−−−−後藤−−−−− −−−−−村越−−−−− 寺田−山崎−鳥居塚−立石 牧野−白石−−櫻田−坂本 −小田島−奥野−籾谷−− −−竹山−望月−大森−− −−−−−小島−−−−− −−−−−佐々木−−−−
草津は奥野をSWとして後方に余らせる3バック。ポジションごとの役割が明確なシンプルなやり方。左利きの後藤が組み立てる。FK担当。宮川がポスト役。寺田と山崎以外は元・現プロ(JFA規約上のプロかどうかは分からない)。平均年齢25.5歳、平均身長177.3cm、平均体重70.0kg。なお前所属は籾谷(C大阪)、小田島(山形)、立石(福岡)、後藤(横浜FM)、宮川(C大阪)となっておりコーチ兼任の鳥居塚も元札幌。寺田(阪南大)と山崎(日大)だけはプロ経験なし。
静産大もやはり役割分担が明確で望月を余らせる3バック。トップはよく動く。大半が地元高校・クラブ出身者。竹山・坂本・吉本は磐田Y出身である。牧野が右足、櫻田が左足FK担当。平均年齢20.8歳、平均身長174.6cm、平均体重68.1kg。
序盤は風下の静産大がパスをつなぎ攻め込む。最初のシュートも静産大で左60度の30mFKを牧野が狙うが上に外れる。ザスパはパスを自陣からつなぎチャンスをうかがう。しかしイージーなミスが多い。8分、静産大は牧野からペナ内の村越が後方に落とし吉本が狙うが外れる。9分、草津・寺田のクロスを宮川が落としフラビオが狙うが上外。10分にはカウンターから鳥居塚が左に流れるフラビオへ、大森がつききれずペナ内左45度シュートも上外。14分には籾谷がハーフ付近から超ロング、バーの上をかすめる。草津はエース・フラビオがまずは中にいてタイミングを図って左や裏を突く動きをみせる。主にマークする静産大・大森はこの動きに対応できず再三マークを振り切られてしまう。またフィジカルでは草津がはっきり優位に立ち競り合いで優勢、CF宮川は空中戦では圧勝。ただし個人としてはパスを受ける動きが拙くサイドからのクロス以外は得点の雰囲気があまりない。16分、静産大のゴールキックが直接草津に渡り右から左の寺田へ、クロスはゴール前の4人にあわず。17分、ペナ付近のこぼれ球を拾った宮川からフラビオ、さらに右に流して右から走りこんだ山崎が左足でゴール左に叩き込み草津先制。失点後も静産大はパスをつなぐスタイルを貫きサイドまではいくのだが、草津は空中戦に滅法強く、サイドからのクロスへの守備が抜群に安定し、小島も圧倒的な存在感と安定したキャッチングをみせ、静産大はシュートが撃てない。左の牧野は積極的に中を狙い、右の坂本がバランスを考えたプレー。21分、左の牧野が中にドリブルから出し村越がダイレクトで裏にはたき松下が抜け出しGK小島と1対1、しかし小島落ち着いて対応、ファーへの左足シュートをはじく。28分、フラビオアフターで警告。30分スルーパスに吉本わずかに及ばず。このあたりから静産大のチャンスはほとんどなくなり、組み立て段階でイージーミスを連発してしまう。39分、草津左CK後藤からフラビオヘッド、右外。前半1−0で終了。
草津はつなぎでイージーミスが多い。籾谷は一か八かのカットが多く裏目には出なかったが危なっかしい上、奪ったボールを相手にパスするシーンが何度かあった。奥野のカバーは流石だが一度目の前のフリーの選手を捕まえようと前に出すぎた挙句かわされかけた。動きに鋭さが失われ、1対1では厳しそう。小田島は安定していた。この3バックは被シュート3本、ただし被決定機1回。右の立石は狙われているのだから先制後は自重してもよかった。エース・フラビオはボールのないところでの動きはよかったがシュート・突破力は目立つほどでもない。
後半草津は宮川に代えてスピードのあるFW堺(リエゾン草津)を入れる。後半も立ち上がりから草津が押し気味で静産大はつなげず2トップも苛立っている。4分吉本がアフタータックル、警告が出てもおかしくなかった。スタンドのやや困ったちゃんの客から「学割」の声も。6分、静産大が自陣横パスをミス、フラビオがシュートも左外。8分にも立石の右クロスを受けた堺がさらに左のフラビオへ、シュートは弱い。12分、静産大LCK牧野のキックは小島が高い位置で安定感あるキャッチ。14分草津タテパスに堺が抜け出してシュートもGK触りバーを叩く。16分静産大・望月→松下和樹を右ストッパーにいれ大森がSW。フラビオ対策か?特にスピードのある選手ではなく堺を強く意識した交代ではなさそう。しかし直後に後藤からのスルーが堺へ、飛び出したGK佐々木をかわしきれず。パスを受ける前に一瞬ラインを意識して堺が止まったため余裕がなかった。22分、静産大・坂本→石川。高い技術を持つ坂本を1点ビハインドで下げる意図はよく分からない。石川は大柄で守備的な選手で交代以後右からの攻めは一段と減り、左の牧野も前半ほど高い位置でボールが持てずやや手詰まりに陥る。31分、静産大FKから牧野がワンバウンドシュート、小島が胸に当てて前にはじく。詰めきれず小島がキャッチ。34分、静産大セットプレーの流れからの左クロスを竹山左ボレーもコースが甘く小島キャッチ。右隅に飛べば決まっていた。38分静産大・吉本に警告。39分、草津・後藤→高須。43分には籾谷の無理なインターセプト失敗を突き静産大・吉本が右をスピードで破るがクロスは不正確。ロスには高須・白石にも警告。草津逃げ切りまず1勝。
シュート数19対6。数字の上では草津が圧倒しているがこれはバックラインの安定感をそのまま反映している。静産大も攻め込むシーンは多いのだが崩しきれずシュートにいけないのだった。中盤のパスミスも目に付いた。が、まずは大健闘したと思う。草津の運動量は少なめだったが二日目以降をにらんだものなのか、この程度のレベルなのか。
全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド第1日 静岡FC−群馬FCホリコシ 11月22日(土)鶴見緑地 13時15分 ピッチ並 晴 並風
静岡FC 群馬ホリコシ −−−清野−−水野−−− −−−−−シルバ−−−− −−−−−−−−−−−− −深田−−蔵川−−北原− 小澤−内野−−宮田−藤田 −−−大谷−−ベヴィ−− 横関−大野−−新田−富田 神田−三本菅−小川−小山 −−−−−中村−−−−− −−−−−道本−−−−−
ベヴィはエヴァンドロ・アントニオ・ベヴィラク、シルバはダニロ・マスト・シルバ。ともに関東一高出身。
得点 0分 群馬・深田 32分 静岡・水野 86分 群馬・シルバ
選評 静岡FCはピッコリ監督直伝の激しい守備を開始早々見せるが、主審の恩氏氏も持ち前のカード乱発で対抗。ベンチの異議に対してはすぐ近寄り「今なんと言いました?ダメ!」(貴方もな)と態度・言葉使いの悪さでもベンチに対抗。静岡はラインが高くないこともあり、徐々に中盤の守備が効かなくなる。元松下・女子代表監督のホリコシ・池田氏はLの主審のレベルをよく知っているからか冷静に指示を出す。ラインを高く保ちベヴィラクが豊富な運動量でプレスを続けて中盤で優位に立ち、シルバも中央・サイドを問わず確実に起点になり、2列目がポジションを入れ替えながら次々に飛び出すスタイルで優位に立つ。PK戦かと思われた終盤に静岡GK中村がイージーボールをキャッチミスしシルバが難なくゴールに蹴りこみ勝負を決めた。
2日目展望 草津−静岡 能力の高い静岡2トップも草津の3バックにはかなりてこずるだろう。奥野が狙い目。1対1は全て勝負を仕掛け積極的にシュートを撃てばチャンスも出てくる。初日はおとなしかった内野らインサイドがどれだけ飛び出せるか?GK中村の出来は?中盤での激しい守備やフラビオ対策もポイント。草津は相手の攻撃心理を逆手に取りカウンターを狙うのではないか?FWも宮川ではなく堺かもしれない。フラビオに決定力があれば草津優位と断言できるのだが・・・・・・。
静産大−ホリコシ 静産大はいかにシルバを抑えるか。竹山をマーカーにする等の策を打たない限り厳しいか。戦力的にはホリコシが数段上であり、自陣を固めるのがセオリー。最終日に草津戦を控えるホリコシの攻撃心理をじらしたい。ホリコシは初日不調だったセットプレーやクロスの精度を上げたい。
試合終了後すぐにタクシーを拾い門真市駅に向かう。モノレール南茨木で阪急に乗り換えて西京極へ急行する。J残留の大一番、京都−神戸戦。西京極も珍しく満員である。普段はSバックの年間シートでの観戦だが、この日ばかりはゴール裏へ。キックオフには遅刻し、入場者に配られた応援グッズは残念ながら入手できない。ひたすら怒鳴っていたがサンガはまるでいいところがなく完敗で、ほぼ降格となってしまった。
試合後は知人たちと木村総監督の悪口大会になってしまった。大体どこのクラブでもフロントは悪く言われるものだし、一種の不幸自慢というかフロントさえまともなら、うちは他よりも強いんだ、という意識がどこのサポーターにもある。ただ京都のそれは別格だ。以前は代表・元代表を金でかき集めて毎年大幅入れ替え、現在は極度に若手ばかり揃える。未熟な人間はすぐ極端に走る。J2に落ちれば有力な若手の多くは移籍するだろう。で、さらに若い選手に切り替え、同じことを3度繰り返したあたりで方針を転換するとか。まあ、千年の歴史を誇る都のクラブだけに成長を急いでいないのかもしれない。そんなわけないか。
|