サッカー観戦日記

2003年11月02日(日) Jユースカップ グループG C大阪−福岡

この日はJユース。南津守は意外と不便な場所にある。四つ橋線岸里からは20分ほど歩く。なんばからバスという手もあるが、イマイチ時間が読めないので使いにくい。

随分早く南津守に着いてしまった。13時15分。開始まで45分もある。アップを観ていてもいいのだが、あいにくの雨だ。のんびりコーヒーを飲みながら時間を潰す。スタンド下にはプログラムが2部だけ置いていたのだが既に先客が入手している。まあ決勝トーナメントでクラブユース連盟4チーム分も加えたものをもらえばいいか。


Jユースカップ グループG セレッソ大阪−アビスパ福岡
11月2日(日)南津守 14時 ピッチ良 曇時々雨 微風


C大阪               福岡
−−−中山−−坂本−−− −−−田中−−多久島−−
−−−−−日比−−−−− −−貞清−−−−原田−−
田所−岡村−前川−宇佐美 −−−本田−−桧山−−−
−−楠本−小野原−森本− 待鳥−増本−伊藤−中津留
−−−−−稲田−−−−− −−−−−大迫−−−−−

ケガ人の多さに悩むC大阪は3バック。ベンチにはGK島並、MF山城・玉中・市川の4人のみという苦しい状況。小野原が3バックの中央から左足ロングキックで大きく展開。中が得意の田所がLWB、日比がトップ下に入る。鍵となるのは1年生岡村の出来か?前川がFK担当。長身CF坂本の周りを中山が衛星的に動く。スタメンは3年生6人、2年生2人、1年生3人。平均年齢17.18歳。ここまで3戦3勝。

福岡は4バックで両サイドはどんどん上がる。CBの高さはない。両SHは左右のFK担当でクロスの精度も高い。SHは中に絞り気味だが、パス回しはシンプル。FWは絶えずスペースを狙う。田中はバランスのとれたタイプ、多久島はスピード十分。3年生3人、2年生3人、1年生5人で平均年齢16.55歳。ここまで2勝1分1敗(対C大阪)でライバル大分に勝ち越していることからグループ2位の可能性十分。

出だしは福岡が良く、C大阪3バックのウラへのパスにFWを走らせて形を作る。どういうわけかC大阪はDFとGKの連携ミスが続く。田中は体を張ったプレーでC大阪のパワフルなDFと渡り合いボールを守り、多久島がスピード豊かにスペースを狙う。田中は動き出しもよく、自らもスペースに流れて味方からボールを引き出す。また福岡の中盤はミドルパスの精度が高く、シンプルにFWを使う作戦に向いている。C大阪の中盤も有効なプレッシャーをかけることが出来ない。C大阪は中盤インサイドのパス回しも効果的なものとならず、日比が色々と動きながら福岡の隙を探る。田所・岡村の左サイドがやや守備的で前川・宇佐美の右サイドが攻撃的。182cm・77kgのC大阪CF坂本には175cm・69kgのCB増本が身体能力の高さでよく対応し、シンプルな放り込みを許さない。174cm・59kgの1年生伊藤も序盤は健闘する。178cm・66kgのLB待鳥はパワフルで1対1に強く、ロングフィードもあり、C大阪・小野原と似ているタイプ。17分、出しどころがないまま不用意に出した横パスを多久島がカット、そのままミドルはわずかにポスト左。18分、高い位置で前を向いた日比が坂本をポストにシュート、1年生GK大迫正面。19分、C大阪この試合初のインサイドでの早いパス回しからスルーパス、GK大迫が飛び出してキャッチするがこぼす。日比が詰めるが大迫押さえる。24分、日比が左サイドを突破しシュート、GK大迫飛び出して好セーブ。直後の左CKでキッカー前川はファーを狙い、GK大迫も反応するが目測を誤り3mニア寄りでC大阪が折り返しシュートもDFブロック。この後も大迫はクロスにはやや不安定なところがあった。C大阪は田所の左サイドが機能しないとみてか、岡村をLWB、田所を左ストッパー、森本をボランチに変える。ボランチには楠本のほうがおそらく向いているが、DFラインの安定を考えて楠本をDFに残したのだろう。28分にはハーフ付近からの小野原のFKに坂本が強引に増本のポジションに体をねじ入れてシュートに行くがファウル。C大阪は日比のドリブルがアクセントとなって福岡中盤の守備の注意をひきつけて前川・森本がパスを回せるようになりペースを掴んだ。しかし福岡も忠実な守備で対応、多久島も1年生ながらよく走りフォアチェックを続ける。29分、C大阪のクロスのこぼれを前川が左足シュートも右に外れる。33分、桧山の右スローインを受けた多久島がファーストタッチで二人かわして中へドリブルから左足シュート、GK稲田キャッチ。34分にも多久島のドリブルから左の貞清シュート、これも外れる。37分、DFラインの裏で受けた田中がOSの判定後ボールを蹴りだして警告。42分、日比がごぼう抜きドリブルを見せるが最後はカットされる。43分には福岡カウンター、RH原田からRB中津留に出てクロスのチャンス、しかし岡村が良く戻り鮮やかなタックルでピンチを防ぐ。前半ハスコアレスで終了。

シュート数3(2)対6(2)クロス4対2 CK3対2 GK5対4 FK1対2
総じて前半は互角だった。ただC大阪は山城がベンチに控えている。

後半のC大阪は気合十分。開始早々前川・日比とミドルを放つ。6分には坂本に対するファウルで増本に警告。主審はアドバンテージで流したが効果的な攻めにならず。待鳥が小柄な宇佐美に競り負けるシーンもあり、福岡は心理面では弱いのかもしれない。9分、前川の右FKがニアの小野原へ、マーカーは外したが右足ボレーシュートは外れる。10分には福岡のミスから日比の左クロスがファーへ、宇佐美の前に待鳥が体を入れてゴールキックへ。この辺りから福岡ペースとなり中盤での支配率が高くなる。しかし福岡はSBの攻撃意欲が高くオーバーラップのタイミングも良いのにMFの視野が狭くSBを使えず単調な力攻めになってしまう。13分C大阪の左クロス、坂本に待鳥が体をつけてブロック。後半は待鳥の守備が光る。14分、C大阪自陣のパスを田中がカットし貞清シュートも上に外れる。15分貞清からサイドに流れた田中へ、そのまま持ち込みシュート。16分C大阪・岡村→山城。20分には森本→玉中をLWBに入れて前川が一人でボランチ、山城・日比が攻撃的MFとなった。22分久しぶりに使われた中津留のフリーでのクロスのこぼれを貞清シュートも右に外れる。貞清は高い技術があるのにゴールに近づくにつれてプレーの精度が落ちる感じだ。23分、C大阪カウンターも坂本へのラストパス通らず。24分C大阪ベンチが坂本を呼び直接指示を与える。25分C大阪ハーフ付近のFKで小野原から坂本のが頭で落とし中山へ、DFカット。27分貞清がC大阪をサイドに引きつけて本田へ、スルーパスが田中に通りシュート、DFに当たったこぼれを原田が右45度シュート。29分玉中のクロスを大迫キャッチミス、すぐに押さえる。33分福岡・桧山→安田。34分日比がドリブルで相手を引き付けて坂本へ、ループシュートはわずかに上。C大阪は交代出場の山城が周囲と噛み合わずドリブルすれば囲まれ、パスは出ないという状況。しかし41分、後方からのパスを受けた山城がワンタッチで本田をかわして反転、強烈な25mミドルを叩き込み、唐突にC大阪が先制。残り時間はC大阪が見事に時間を稼ぐ。43分福岡・田中→本田暢之。意図が分からない交代。シュートチャンスを与えずに逃げ切り勝ち点3を得た。

後半はシュート数9(6)対6(1)クロス5(1)対5(4)CK 0対3 GK5対3 FK2対1 C大阪は枠内シュート6本を放っているがそのうち決定的なものは山城の決勝ゴール1本のみ。前後半通じて互角のゲームだった。

福岡は意外と攻守にバランスが取れている。クラブユース選手権予選では格下を含めほぼ全試合で失点を喫し、かといって得点力があるわけでもなく予選敗退に終わった。しかし下級生で固めたDFは好選手が揃い、夏までの不出来は謎だ。増本の激しい守備、待鳥のポテンシャル。まだ線の細い伊藤もいいストッパーだ。MFも技術は高いし2トップは強力だった。来年がとても楽しみ。鳥栖に勝ち、C大阪が大分に負けなければグループ2位濃厚だ。


 < 過去  INDEX  未来 >


T.K. [MAIL]