2003年10月11日(土) |
関西クラブユース決勝リーグ フジタ−枚方FC |
この日も昼間の観戦は不可能、かといって代表遠征のためJ1はお休みなのだった。関西4クラブが仲良く残留争いを展開している現状なら、来年はこういう場合J2観戦に行けるようになるのである意味好都合だ。ただプロでなくとも興味深いゲームはいくらでもあるもの。この日はクラブユースの大一番に足を運んだ。
関西クラブユース地域リーグ(U−18)はまずグループリーグ、続いて順位決定リーグが行われる。そして優勝チームはJユースカップの関西代表として東海・北信越代表とのプレーオフ出場権および来年のプリンスリーグの出場権を得る。決勝リーグにはフジタ、枚方FC、ラランジャ京都、芦屋クラブが参加し、フジタとラランジャが直接対決で引き分け、ともに1勝1分で最終戦を迎えた。得失点差ではフジタ、総得点ではラランジャが1点ライバルを上回っている。よって最終戦ではいかに大量得点をあげるかが鍵となる。まずフジタ−枚方FC戦、そして2週間遅れてラランジャ−芦屋戦が行われる。
フジタは圧倒的な戦力を誇りながらクラブユース選手権では土砂降りの影響か名門交野FCによもやの敗戦を喫し全国行きはならなかった。そしてこの大会でもラランジャに引き分け、優勝争いを最終戦に持ち込んでしまった。
一方名門枚方FCは数年前までJユースと好勝負を繰り広げていたのがウソのような凋落振りで決勝リーグ2戦2敗。いったいどうしたのだろう?
関西クラブユースリーグ 決勝リーグ フジタ−枚方FC 10月11日(日)松下グラウンド 18時 クレー 曇時々雨 並風
フジタ 枚方 −−−米原−−森川−−− −−−−−十一−−−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−十八−−−−− 浦東−稲積−−村橋−二八 −五−二四−−十二−九− 光野−加藤−−岡崎−二二 十六−−四−−十五−二− −−−−−西井−−−−− −−−−−GK−−−−−
前回観たときのメモが見当たらないのでフジタの選手名は間違っているかもしれない。RB22番は「ノブ」と聞こえたが「ノム」かも。枚方FCは大人しくてコーチングの声も聞こえないので選手名はまるで分からず。
岡崎はよく声の出る守備のリーダー。村橋は正確なパスと右足FKが武器。主将稲積は展開力がありフジタ得意のサイド攻撃の基点となる。森川は巧みなポジショニングと決定力を誇るストライカー。
とにかく大量点を狙うフジタがいきなり猛攻に入った。前線からどんどんプレスをかけ枚方を自陣に押し込む。枚方はロングボールを蹴らせてもらえずタッチに逃げるのみ。7分中央村橋の浮き球パスをRBとCBに間に入った米原が決め先制。すぐベンチ?(実際にはベンチなどなくスタンド最前列)から「急げ急げ」という声が飛ぶ。選手も急いでキックオフに備える。12分、高い位置まで上がったノブが中央の米原へ。DFを背中に背負って受けた米原が巧みなファーストタッチで反転して前を向きシュート、見事決め2点目。フジタは次々クロスを上げるが3年生主体のチームとあってこの時期練習不足のためか精度は春に比べると低い。それでもLH浦東のクロスに合わせたRH28番が惜しいヘッドを放つなどピッチを広く使った攻めを見せる。19分森川がスピード豊かなドリブルでペナに侵入しDFに倒されPK。これを好調の米原が決めあっという間にハットトリック完成。枚方はFWへのロングボールは岡崎・加藤にことごとく跳ね返され、インサイドは当たり負け、ロングシュートも打てない。しかし体を張った守りでフジタのシュートを次々ブロックする。特にエース森川のシュートを良く防ぐ。20分間なんとか無失点で耐えたが前半終了間際フジタはハイボールを森川がヘッドで落とし、ペナ少し外から浦東が目の覚めるような右足ダイレクトボレーを叩き込み4−0で前半を終えた。
後半も気迫十分のフジタはすぐに猛攻を開始する。4分、CKで村橋のボールがファーの岡崎の頭にピタリと合い5点目。直後には正面40mFKで村橋からDFの裏に回りこんだ岡崎へ。しかし枚方DFが手前でキッチリヘッドで跳ね返す。頭から飛び込んだ岡崎の動きがスタンドの笑いを誘う。10分を過ぎたあたりからフジタのフォアチェックが緩くなり枚方がボールを繋ぐシーンも出始めた。さらに枚方FCのフォアチェックが機能し、互角に近い内容となる。13分には11番がスピード豊かなドリブルで左サイドを切り裂き角度のないところからこの試合初シュート。15分枚方2番→7番。17分ロングボールをフジタ・森川が落とし28番がヘッド、上に外れる。19分、フジタ・28番→東膳。中村俊輔タイプのファンタジスタでレフティーながら右サイドが得意な選手で足元に受けてから魅せる選手。フォアチェックや素早い動き出しをベンチが要求するがコンディションは悪そう。それでも巧みなパスを見せる。28分、右から左へ細かく展開し、左45度で受けた森川がDFをかわしで叩き込み6点目。枚方は選手を何人か交代させ運動量が低下せず、抵抗をしっかり続ける。しかし38分カウンターから稲積が決めて7点目。さらに終了間際には東膳の裏へのパスに森川が抜け出しGKの上を抜くシュートがポストを叩く。結局7−0とフジタが圧勝した。
普通なら優勝確定である。ラランジャは今年の最多得点は4点と、さほど得点力はなさそうだし、しかも芦屋クラブを率いるのは全国にその名が轟く名将・鍵本監督である。逆転の芽は本来ないはずだ。しかし優勝の可能性が既に無い芦屋のコンディション・モチベーションは大いに気になるところ。1ヶ月ぶりのゲームで1月分の進歩どころか、1月分コンディションを落としているようなら逆転もあるかもしれない。
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