2003年09月12日(金) |
雑文・ユニバーシアード参加選手の学部専攻分析 |
ユニバーシアード参加選手の学部専攻分析
ユニバーシアードの公式サイトでは今回も個々の選手の詳細なデータを紹介している。 その国のサッカーの競技水準向上に大学が果たす役割の大小の目安として、スポーツ系と思われる専攻を選んだ選手の多い国をみてみる。公式サイトに全ての選手の情報はなく、記入あるもののみ出してみた。
●男子 韓国 18/18 日本7/20 チェコ10/17 ウクライナ16/17
韓国は見事なまでに全員がスポーツ系。学歴社会で、実際には学生として勉強・研究に勤しむどころかほとんど授業に出ていない。日本はスポーツ系以外も多く、真摯に学生生活を送っている者も多いが、「入るは易く、出るは難い」海外の大学生に比べればもちろん甘いはず。チェコ・ウクライナと東欧大学競技スポーツの流れを汲む国もスポーツ系が多い。 なお中国は20人中17人が北京工科大学所属で国際貿易を専攻しているが、実に不自然で実態はスポーツ系の可能性が高い。
他の国はスポーツ系はいても2、3人で、高いレベルでのサッカーと大学の関連が薄いものであることを示している。特に発展途上国の場合大学生自体がエリートなのだ。ナイジェリアにスポーツ系の専攻を選んでいる選手が3人いるが、国としてこんなに多くて良いのだろうか?それとも多くの学生が競技スポーツに取り組む時間もないほど学業に打ち込んでいるのだろうか?国によって理工系学生の数に差があるが、学問体系の違いもあるので判断は難しい。東京学芸大の岩政が「数学専攻は珍しい」とインタビューに応えている。おそらく理工系学生が実験・演習に追われある程度真面目で学問に前向きな学生にしか務まらないのは万国共通だと思うが、それにしても海外の学生の理工系の多さは素晴しい。
●女子 韓国17/18 フランス13/18 ドイツ7/16 中国13/20 南アフリカ7/18 中華台北8/15 日本15/20 ニュージーランド6/20 北朝鮮は全員がキムチョルジュ教育大の学生で専攻は不明だが、おそらく体育教育専攻が全てまたは大半を占めているはずだ。韓国も男子同様ほぼ全員が該当する。学歴社会のアジアはやはり多い。アイルランド4人、メキシコ2人。カナダは少ないが、アメリカ同様大学サッカーが競技スポーツとして重要な役割を果たしていることは知られている。 要するに女子の場合ほとんど全ての国で大学が重要な役割を果たしているということだ。
普通学生の競技人口が多ければ、スポーツ系の専攻を選ぶ学生がユニバー代表に占める割合は減る。東欧のように極度な好環境でもない限り当然のことだ。カナダやアメリカが好例となる。社会体育が充実した国でも同様だ。全体として今回の出場国はまだまだ女子が普及していないことがデータからもはっきりしている。
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