2003年09月14日(日) |
関西学生リーグ 第1節 大体大−同大 関西大−関学大 |
本来土日と静岡国体観戦を考えていたが、持病の二日酔いのため、土曜の観戦を断念した。それに連日の酷暑のため疲れが溜まり体が重い。日曜も国体や名古屋のメニコン観戦は早々に捨てる。ラグビーファンとして、またイベント好きとして、歴史的なラグビートップリーグ初戦のワールド−ジュビロ磐田(ヤマハ発動機)を観に花園へ行こうかとも思ったが、意外に盛り上がっていないし体も重い。そこで鶴見緑地の大学サッカーへ足を運ぶことにした。夕方からなので暑さもたいしたことはない。 梅田から地下鉄利用。3連休とあって鶴見緑地プールも盛況である。待ち合わせに遅れた某さんはバスで着たが渋滞で1時間以上かかってしまったらしい。
関西学生リーグ 第1節 大体大−同大 9月14日(日)鶴見緑地 16時 ピッチ並 晴 微風
大体大 同大 −−−森前−−廣津−−− −−−中村−−田原−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 榎本−元井−−梁−−越智 深澤−増田−−西野−松尾 椿本−前田−−趙−−三上 久米−田村−−田中−富田 −−−−−古田−−−−− −−−−−橋田−−−−−
大体大はDF・MFともフラットに並び、運動量を活かしたプレスを仕掛ける。方向性としては阪南大・桃山大と同じだが、2強ほど組織的ではない。ごつい選手を揃え当たりにも強い。奪ってからサイドを使うシンプルなカウンターが特徴。梁(3年・大阪朝鮮)は周囲がよく見えていて判断が早くカウンターの起点となる。FK担当。椿本(3年・作陽)が左足担当。FWは長身・森前(2年・岡山理大附)が上がり目でよく動いて同大守備陣をかき回す。廣津(4年・西京)がエース格。
同大も中盤・最終ラインともフラット。春は技術系のサッカーを志向したようだが、タフな選手を揃えて走るサッカーに戻す。組織力はイマイチ。西野(2年・作陽)が攻撃の中心。FKも蹴る。FWは身体能力の高い中村(2年・福井商)がポスト役で主将・田原(4年・徳島商)がゴールを狙う。GK橋田(4年・洛北)はユニバー優勝メンバー。
マッチアップの関係が分かりやすい対戦となった。ともに運動量重視で、技術の高い選手、突破力のある選手は少なく中盤の潰しあいとなる。こうなるとパワー・組織に優る大体大が押し気味になる。しかしターゲットマンの森前に正確に収まらずチャンスを作れない。同大も中村がよく動いてボールを引き出そうとする。5分大体大CKで趙(4年・愛知朝鮮)ヘッドもマーカーなんとか体を寄せ枠を外れる。11分大体大カウンター、元井(2年・久御山)から廣津が引いて受け、元井そのまま前にダッシュ、廣津が浮き球パスを出しワンバウンドで元井が後ろからの難しいボールをダイレクトで撃ち20mシュートを豪快に決め先制。失点で目が覚めたか12分同大もLB久米(2年・高松商)が持ち上がり開いたLH深澤(3年・清水東)に当てて中に入りシュート、外れる。この当たりから秋リーグ開幕の緊張も解けたか各選手が持ち味を発揮し始める。先制点を決めた元井は守備のいい選手のはずだがタテの突進力、榎本(2年・新宮)もスピードとキレあるドリブルを見せ、梁・越智(2年・二階堂)の右サイドよりも攻撃的になる。対面の同大・RH松尾(2年・草津東)もパワフルなプレーで対抗。LB久米もタイミングのいいオーバーラップを見せ、両チームとも左からの攻めが良い。中村はよく下がりポストに入る。これに対し大体大はマークが甘くポストを許しすぎる。しかし同大は約束事が少なく中村を活かせず、相手マークが甘いにも関わらず中村は孤立してしまうのだった。29分大体大・森前のポストから廣津シュート、外れる。33分大体大右からの椿本のFKはわずかに味方に合わずCKへ。梁のCKのこぼれを榎本が逆サイドで拾い切り返しシュート、橋田セーブ。41分同大・西野のFKに田村(3年・広島皆実)が飛び込むがわずかに触れただけ。43分同大カウンター、LH深澤からファーの松尾へ最高のクロス、フリーでのシュートもGK古田(3年・耳成)が信じられないスーパーセーブ。44分大体大も森前がヘッドで落とし廣津左足ボレー、しかしGK橋田好セーブ。関西屈指の好GK古田と橋田がその実力をみせつけたプレー。結局1−0で前半終了。
ハーフタイムの大体大の声援「うちのキーパー凄い♪三角跳びが出来る」「うちのFW凄い♪ドライブシュートが撃てる」「うちのDF凄い♪反則タックル出来る」
後半は静かにスタート。やはり中盤での潰しあいとなった。トップには収まらず、サイドは崩せず。DFの裏を狙うパスも出ない。CBのフィードは共に不正確だ。ポスト役の大体大・森前と同大・中村は機能せず、リードされた同大が先に動いた。11分中村→郡司(2年・桐蔭学園)。上背はないが、動いて裏を狙える選手。中村もスピード・運動量はあったが裏を狙わなかった。しかし、この交代も効果はなく、中盤からボールは出てこない。ともに決定機はなく、時間だけが過ぎていく。22分、大体大・森前、榎本→川越(3年・玉野光南)、麦田(1年・星稜)。同大・増田→松長(2年・草津東)。森前は全く機能していないし当然の交代である。川越も長身ポストプレーヤー。榎本の交代は中盤の運動量確保であろう。守備的な増田(3年・磐田Y)から技術が高く決定的な仕事が出来る松長の投入は予想通り。しかし松長もこの日好調の大体大・元井を中心とした中盤に潰されチャンスを作れない。同大は運動量の落ちたLB久米が上がりを控え、RB富田(1年・東京Y)がタイミングを計って上がるがボールが出ず、むしろ大体大カウンターのスペースを用意する形となる。35分大体大、左からのFK椿本のクロスをGK橋田がフリーの選手の前ではじく。37分大体大・廣津、右からのパスを受けて反転左足シュートが左スミへ、しかし橋田好セーブ。38分同大・深澤→橋爪(1年・京都SY)。橋爪の突破力に期待ということだろうが、投入が遅すぎると思う。この時間帯なら正確なパスの出せる黒河ではないだろうか?40分同大・郡司のクロスを松長が上手く落として田原シュート、古田セーブ。大体大の集中がやや甘かった。43分セットプレーのこぼれを拾った橋爪のシュートがDFの間を抜けるが古田正面でガッチリキャッチ。結局1−0のまま大体大が逃げ切った。
大体大は1点先制したあとはチャンスを作らず作らせず、勝つサッカーを遂行し目的を達成した。大人のサッカーだ。5位まで出場できるインカレに向けてライバルの一つをきっちり叩いた。DF組織もまずまず。春のように9試合17失点という大崩れはあるまい。中盤の守備意識の高さも見事。後はサイドの崩しをどうするか。
同大はほとんどチャンスを作れなかった。中盤の守備でも劣勢で攻撃でも決まりごとが少なすぎる。要するに運動量頼りだ。得るものの少ない負け方だったと思う。2部降格の可能性も高いといわざるを得ない。
公式記録
関西学生リーグ 第1節 関西大−関学大 9月14日(日)鶴見緑地 18時15分 ピッチ並 晴 微風
関西大 関学大 −−−森本−−前田−−− −−−原崎−−岡野−−− −−生田−−−−古橋−− −−−−−古家−−−−− −−−緒方−−安田−−− −古村−−鈴木−−佐伯− 八柄−−柳−−西−亀ケ渕 岡村−山本−−山口−本井 −−−−−清野−−−−− −−−−−秋山−−−−−
ナイトマッチで流石に涼しい。関大はMFがポジションチェンジ多用。SBは攻撃的。亀ケ渕(2年・国見)はロングスローあり。ストッパータイプの西(4年・国見)は技術は低いが激しい守備と強いキックでのフィードがある。個性を前面に出した柔軟なスタイルで約束事はシンプル。森本(4年・関大一)・前田(3年・野洲)の強力2トップのカウンターは関西随一の破壊力を誇る。MFとFWでやりたいサッカーが違う気がするが、MFの志向するサッカーのほうが伝統的な関大サッカーだと思う。
関学は4バックでSBは守備的。山口(3年・松商学園)はスピードがあり、カバーリングも寄せも速い。中盤はダイアモンド型で、きっちり約束事を守った上でのボールをつなぐサッカーを志向しているのだろう。岡野(3年・愛媛Y)がポスト、原崎(4年・藤枝東)がドリブラー。鈴木(4年・横浜FMY)が右足、岡村(3年・藤枝東)が左足のFKを蹴る。サイドアタッカー上貝(4年・広島皆実)はなぜかスタメン落ちしている。
1分関学・岡野が右でウェーブの動きで受けてスピードに乗りマーカーを振り切りペナへ進入、クロスを原崎がシュート、左に外す。4分、関学・佐伯(4年・宝塚)がファー大外で待ち受ける原崎へ絶妙クロス、RB本井(2年・関学)の裏で原崎が受ければGKと1対1になるはずがトラップミスで飛び出したGK清野(4年・関大一)がセーブ。6分、関大・西のイージーミスを奪った関学・原崎がシュートするもポスト直撃。7分関学・山本のミスを関大・森本が奪いシュート、GK秋山(4年・藤枝東)セーブ。開幕の緊張からかミスや甘いプレーのオンパレード状態となってしまった。13分関大右CKで生田(3年・G大阪Y)の左足から正面で亀ケ渕がヘッドを決め先制。フリーだった。18分関学・岡野の突破をペナ手前で柳(3年・C大阪Y)が引きずり倒し警告。絶妙の位置でのFKだったが岡村はミスキック。20分、関大のパスを関学・本井がカットするがファーストタッチが前に流れて相手ボールとなったところを引きずり倒し警告。プロフェッショナル・ファウルだが直前のプレーはアマい。20分関大・西の自陣FK、力強いボールを八柄(4年・初橋)がファーへ落とすが前田に惜しくも合わず。23分関大・生田の左FKをペナ内で西ボレー、枠外。24分関学・古村(3年・津山)がペナに入るところを関大・柳が倒すが2枚目の警告はなし。このFKを原崎が狙い、DFに当たってコースが変わりゴールイン。1−1に追いつく。25分関大左CK、古橋(2年・静学)のボールのこぼれを緒方が見事なダイレクトボレー、GK秋山セーブ。25分関大・柳→山戸(3年・泉北)に交代。柳は出来が悪く警告を受けていることもあるのだろう。個人的には山戸のほうがスタメンだと予想していた。この交代で関大の守備が安定する。ともに中盤で繋ぐチームで、しかも中盤の守備は甘いためワザの見せあいとなった。ただ関大DF陣が安定化したのに対し、関学はやや不安定で、関大が押し気味にゲームを進める。38分関大・西、得意のロングボールに森本がピンポイントであわせるが秋山セーブ。関学も佐伯のクロスを岡野ダイレクトシュート、枠外。44分関大・古橋の右クロスのこぼれが左に流れ、八柄がクロス、DFのクリアボールを緒方(4年・関大一)が鮮やかな右足ロングで叩き込み2−1とする。
関学はクロスやセットプレーの守備が拙かった。春もよくなかったが改善されていない。高さ不足もあるが、とにかくマークが甘いのだ。関大2トップの高さはそれほどでもないが、ピンポイントで狙う力はある。どんどんクロスを入れ、FWの高さも十分な桃山大が相手ならどうなることか・・・・・・。
後半6分ペナ少し外の浮き球が関学本井の手にあたりFK。こぼれを森本が狙うがDFブロック。12分亀ケ渕ドフリーでのクロスをミスキック。13分関学FKも大きく外れる。15分左サイドから森本ドリブル開始、中に入った古橋に当てて右へ持ち込みシュートが決まる。ミエミエの攻撃だが、組織の崩壊した関学は簡単にマークを外される。16分関大・生田の左クロスを古橋シュート、秋山セーブしたボールを古橋が決めて4−1。18分関学・古村、鈴木→玉置(4年・C大阪Y)、橋本(3年・清風)を投入。古家(3年・G大阪Y)が本来のボランチに下がり、玉置が左、橋本がトップ下に入る。ともにドリブルがある攻撃的な選手だ。しかし裏目に出て中盤の守備が崩壊し、生田や古橋が次々に中央に現れ古家はどうすることも出来ない。もはや完全なワンサイドとなった。27分関学・原崎の右クロスをDFクリア、橋本が右スミに決めて4−2。31分関大・安田→宮津(3年・静学)。中盤の守備が引き締まり確実にゲームを運ぶ。40分にはカウンターから前田が得意の右45度ドリブルでペナに進入してクロス、森本が決め止めを刺す。直後関学はエース岡野を下げて亀ケ渕鼓(2年・国見)を投入。関大・亀ケ渕幹との双子対決シーンは見られず。関大が内容どおり5−2で圧勝した。
勝った関大だがそれほどいいサッカーをしたわけでもない。ただ2トップが強力なだけに不出来でも勝ち点を奪えるチームだ。残留争いに加わることはなさそう。
関学は大変なことになった。春は最終戦でなんとか残留を決めたが、秋も残留争いには確実に加わるだろう。昇格チームが強いだけに厳しい秋の戦いになりそう。
公式記録
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