2003年07月20日(日) |
プリンスリーグ四国 第6節(11試合目) 松山工−鳴門 |
この日の予定は前々から決めていたが朝がきついので、決行は当日の気分次第である。幸い目覚めもよく体も軽いので、予定通り朝5時出発。名神茨木〜徳島道美馬まで9400円。安全運転を心がけ決して急いだわけではなかったが、思った以上にすんなり進むので、池田・大歩危に立ち寄る。大ボケ・小ボケというと二人ともボケの漫才コンビみたいだが、もちろん吉野川上流の有名な峡谷の名前だ。歩くのも危ないから歩危かと思っていたが、単なる当て字で、ホキ(崖)に由来する。
会場の四国三郎の郷は吉野川沿いにあるキャンプ場を兼ねた施設で、サッカーコートは河川敷グラウンドのような感じで、吉野川からは堤防で切り離されている。前日には徳島県内のJRが止まるような豪雨があったのだが、グラウンドは何の問題もない。吉野川とは反対側にも土手があり、そこから見下ろす形で観戦することにした。ちょうどゴール裏。中国プリンスでの失敗から、予め会場にプログラムを置いていることは確認済みで、しっかりテントを張った本部で買う。1部1000円はどこよりも高い。運営の方には「買っていただけるのですか?」と聞かれたが、そんなに買う人が少ないのだろうか?写真入。レギュレーションは40分ハーフの5人交代制とあるが、リーグ残留条件は書いていない。おそらく毎年総とっかえなのか、4位まで残留で、残り4チームは各県1チームずつ推薦のどちらかだろう。愛媛FCと松山工の優勝争い。ホーム&アウェイ方式にもかかわらず、対戦カードはアウェイチームの名前が先に書かれている。
プリンスリーグ四国 第6節(11試合目) 松山工−鳴門 7月20日(日)四国三郎の郷 11時 ピッチ良 晴 並風
松山工 鳴門 −−−河端−−家森−−− −−−阿部−−大上−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 遠藤−古野−−村上−瀧岡 野上−小西−−堀川−吉井 大野−久保−−田坂−青野 近藤−石井−−濱−−緒方 −−−−−松本−−−−− −−−−−福井−−−−−
前南宇和の谷監督率いる松山工は各選手がポジションを変えながらパスを繋ぎ崩すスタイル。全体に小柄で175cmを超える選手はいない。守備は小まめにマークを受け渡す。瀧岡がFK担当。CHもどんどん上がる。小さなFW陣も良く動きボールに絡む。
前徳島商の香留監督率いる鳴門は徳商の流れを汲むパスサッカー。こちらも小柄なチーム。プログラムのメンバー表はかなり怪しいが、観戦場所からは選手名を聞き取れないのでそのまま表記した。
7分、鳴門8番LH野上のクロスはFWに合わず、カウンターからRH瀧岡の右クロスのクリアを村上がロングで狙うが可能性はなく、枠も外れる。序盤だしとりあえず撃っとけ、というシュート。9分、14番FW阿部から野上へ、ドリブルが流れてラインを割る。10分、15番CB石井のミスを家森がカットし、狙い済ましたシュートはポストに当ててしまう。11分、野上のタテ突破からCKに。野上のキックを10番吉井決定的ボレー、上に外す。これは決めたかった。12分、FK瀧岡からファーの家森へ、ヘッドは12番LB近藤がライン上クリア。14分、16番堀川のロングシュート、松本どこか危なっかしいキャッチ。給水タイムを挟んだ24分、古野が右サイドに飛び出しドリブル、ペナのコーナー付近でFK獲得。瀧岡のFKは遠藤へ、しかし大上も体をしっかり寄せてヘッドは上に外れる。25分、14番阿部(名前確認)ドリブルからトゥでのシュート、GKセーブ。28分、松山工左CK瀧岡からファーで遠藤が折り返したボールをGK17番福井キャッチ。29分タテパスを受けた河端オフサイド。直後の29分、再び河端がタテパスを受け、家森に落とし左足シュート、GKキャッチ。32分、野上の好アーリークロス、松本果敢に飛び出しキャッチ。39分、家森左サイドを単独突破し左足シュートもDFブロック。結局スコアレスで前半終了。
終了間際コーナー付近にいる鳴門の控え選手の中にユニフォームと同じ白いシャツを着た選手がおり、コーナー付近で歩くのは試合進行の妨げになりかねなかった。それを見かねた香留監督がベンチを飛び出し、逆サイドのコーナー付近まで行ってしっかり注意していた。監督としては試合中にこんなことはしたくないはずだが、しっかり指導者としての責任を果たすあたり、さすが全国に知られた名将である。控え選手による特に悪意のない、単に無神経から来る迷惑行為を指導できない人は結構多い。
前半は松山工がやや押し気味だった。動き出しのいい河端と技術のある家森の2トップは相手に脅威を与え続け、瀧岡の突破からクロスの一連のプレーは期待感を感じるものだった。古野・村上もクレバーで中盤から前は全国レベル。一方守備は高さと連携に欠けた。GK松本は飛び出すタイミングの判断を何度か誤った。飛び出した際は勇気あふれるプレーを見せただけにDFとの連携熟成が待たれる。SBも守備で苦戦し攻撃まで手が回らず。
鳴門は野上のドリブルという形は持っていたが、あとは勝負をしかけるシーンが少なかった。勝負パスもFWのボールを引き出す動きも乏しく、得点力はあまりなさそうだ。SBの守備はよかった。近藤は瀧岡の突破をよく抑え、緒方もクロスへの守備がいい。CBもクロスによく対応しており、守備は計算できそうだ。
後半松山工のキックオフ、笛が吹いても動かず、5秒ほどしてから動き左へ、何かたくらんでいたはずだが、左へのパスは直接タッチを割る。後半も松山工が押し気味。バランス感覚に優れシンプルにプレーできる古野・村上が中盤をリードし、サイド攻撃、FWへのスルーパス、自ら仕掛けるドリブルと多彩な攻めを構築する。鳴門のインサイド4番小西・16番堀川は守備的な選手で、サイドにはたくプレーが多くやや単調な攻めとなる。しかしこれは香留監督のシナリオどおりの展開かもしれない。優勝争いをしている松山工が焦り始めてからが勝負か。2分、松山工右CK瀧岡から家森が当てただけのシュート、DFにかすり左CKへ。瀧岡からニアで多分久保のヘッドは流れてゴールライン割る。3分、直線的な動きが読まれ始めた河端がオフサイドにかかる。4分、いい動き出しで受けた鳴門14番阿部が角度のないところからシュート、GK松本キャッチ。5分阿部のドリブルから中の4番小西へ、DFカットも勢いがありすぎCKへ。8番野上の左足は右に流れ、3番緒方のクロスは精度を欠きGK松本キャッチ。このあたりから鳴門がロングボールを多用して流れをつかむ。11分素早いリスタートから鳴門・野上が松山工RB青野の裏で受けフリーでクロス、ニアの大上の前で田坂がカット。15分、鳴門・青野のロングフィードを大上がヘッドで後ろにそらす。阿部と16番堀川が抜け出す決定機に阿部の放ったハーフボレーは枠を外れる。18分、鳴門10番吉井がドリブルでタメて後ろの堀川へ、フリーでのクロスだったがミスキック。20分には3番青野のクロスをニアで阿部ヘッド、しかし松山工・久保も体を寄せて、枠に飛ばず。ここで鳴門の流れを断つように給水タイムが入る。しかし流れは変わらず。23分には野上のクロスを吉井がワントラップシュートは当たり損ねバーに当たってしまう。26分、松山工・瀧岡のクロスをファーの家森シュート、これは青野ブロック。30分過ぎから鳴門のペースが落ちゲームは膠着してしまう。結局スコアレスで終了。松山工にとっては終盤を迎える優勝争いの上では痛い勝ち点1に終わった。
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