2003年04月13日(日) |
関西学生春季リーグ第2節 近畿大−大産大 同大−桃山大 |
関西学生春季リーグ第2節 近畿大−大産大 4月13日(日) 萩谷 12時 ピッチ良 晴
近畿大 大産大 −−−片山−−浅野−−− −−−武藤−−下田−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−味元−−−−− 寿−−石橋−−木藤−小寺 姜−−松田−−間宮−高橋 足立−杉本−−尾内−阿部 −−全−−橋本−−木田− −−−−−花水−−−−− −−−−−中村−−−−−
開幕戦では関西大に0−5と惨敗した近畿大は中盤両サイドに寿と小寺を起用し、サイド攻撃を意識した形だ。ポスト役のルーキー片山の周囲を浅野が衛星的に動く。ともにG大阪ユース出身で息もぴったり。LH寿・RB阿部とスタメンにG大阪出身者が4人いる。
初戦では阪南大相手に勝ち点1を奪った大産大だが、内容的にはいいところがなかったためかフォーメーションをいじってきた。3バックで俊足の高橋をRWBに上げ、トップ下に味元を起用した。味元とボランチの3人でインサイドをどれだけ支配できるかが鍵。
が、ゲームは序盤から近畿大ペースで進む。片山のポストを軸にサイドに展開する攻撃でチャンスを量産する。もともとあまり中央でつながないチームとあって、大産大のインサイドのプレスも効果は薄い。またストッパーの木田も全も片山を潰せず、そのためボランチも下がるしかなく、ひたすら耐えるしかない展開となった。先制は意外にも大産大。36分カウンター、味元から武藤へスルーパス、これを持ち込んでのシュートが決まった。武藤は2試合連続ゴール。
後半も近畿大ペース。右の小寺はキープでき、タメを作り阿部の上がりやFWとの連携による細かい崩しを仕掛ける。大産大の姜はやや守備が苦手で、小寺のセンスが生きてくる。10分小寺が中にドリブルし、浅野にきれいなスルーパスが通る。これをきっちり決めて近畿大が同点に追いつく。タテ突破得意の左の寿も特徴を活かし始め、完全に近畿大ペースとなったところで大産大・味元から島袋に交代しRHに入る。サイドの守備を意識したものだろう。この交代で寿の突破は一旦収まった。後半下田に代わった俊足・佐藤が15分ちょっとでベンチに下がるが、指示の不徹底もあったようだ。近畿大は終了間際には効いていた片山をなぜか下げ、松下を投入するが、なんとオフェンスファウル2発であっという間に退場。チームのために必死になったのは分かるが大人の選手としてあるまじき愚行だ。ロスタイムも必死に攻め、シュートを浴びせ続けるが決まらず、両者勝ち点1を分け合った。
近畿大の攻撃はまずまず。サイドからいいクロスがあがり、片山は高さも足元の技術もある。浅野も動き出しはいいし、得点力は計算できる。問題は守備で、一方的に押していたわりには少ないピンチをシュートにまで持ち込ませるシーンが何度かあった。攻め疲れかもしれないが中央の守備が甘かった。サイドは守備でも効いていたが。昨年のレギュラー・江本が外れているのは高さ不足のためだろうか。現状では守備に秩序をもたらす意味で江本を使うのも面白い。
大産大は攻守ともかなり厳しそうだ。個々の能力が一部の中ではややつらいか。引いた守備からのカウンターの形を磨くしかないと思うが、カウンターもイマイチで、得点の形が見えない。
公式記録
関西学生春季リーグ第2節 同大−桃山大 4月13日(日) 萩谷 14時15分 ピッチ良 晴
同大 桃山大 −−−島津−−西野−−− −−−川井−−森−−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 橋爪−黒河−−増田−松尾 大西−南茂−−井上−柳田 田村−二宮−−大庭−深澤 福西−江添−−木村−重光 −−−−−橋田−−−−− −−−−−田中−−−−−
同大の2トップはともに中盤もできるタイプでこの日は島津が1トップ気味で西野が下がる。ただし島津は技術・決定力・創造性は素晴らしいが高さも力強さも欠けており、スピードも並なので1トップは厳しい。カウンター狙いか。中盤はフラット。黒河がゲームを作る。DF陣はベストではない。二宮がストッパー、大庭がスイーパータイプだが、マークは受け渡す。
阪南大と並ぶ優勝候補の桃山大は3列が綺麗にフラットに並ぶ形。トップは長身川井がポスト役で小技の利く森が脇を動く。南茂と井上が激しいプレスでリズムを作り、シンプルなサイド攻撃へ。ルーキー木村(広島皆実)がスタメン入り。
例年選手獲得競争では苦戦気味の桃山大だが、フィジカル面はきっちり鍛えられており、当たりに強く、同大のように個々のマッチアップがはっきりしている相手にはめっぽう強い。この日も黒河を井上が潰し、南茂は増田に潰されることもなく、中盤を優位に進める。 開始早々攻勢に出て、南茂のCKから8分・12分に井上・江添が決め、ゲームを優勢に運ぶ。2トップ以外にも黒河・橋爪など技術系の選手が多い今年の同大だがトップにボールが収まらず、インサイドも潰されるため攻め手が少ない。サイドもあっという間に囲まれてしまう。本来ならスピードのある田原がトップに入り、パスの受け手になるが、この日は中盤からなかなかパスが出ないため桃山大DF陣も落ち着いてラインコントロールしていた。桃山大のFW陣はボールを受ける動きがよく、また確実にキープでき、押し上げた味方と絡んだ厚い攻撃を見せる。川井は空中戦の強さ以上に足元の技術がいい。森はトリッキーなプレーもみせるが、小技の使いどころを心得ていてなかなか実用的なプレーを見せる。
フィジカルに分がある桃山大は後半には一段とペースを掴むのだった。同大はボールを持つ時間こそ増えたものの一向に桃山大を崩せず、ロングシュートも打てない。桃山大はカウンターから再三シュートに持ち込む。ただ、同大DFが粘り強く耐えて辛うじてゴールを守る。38分、桃山大・福西が左CK付近から相手をかわして中へドリブル、グラウンダーで入れたボールを南茂が落ち着いて決め、とどめの3点目。磐石の内容で桃山大が圧勝した。
同大は攻めの形が作れず。西野・島津の2トップはどう見ても無理だと思う。中盤は当たりの厳しいチームにはつらそう。はまれば娯楽性あふれるサッカーを見せてくれそうだが、それでは同大らしくない気もする。二宮は三好高校の先輩の阪南大・深谷を思わせる強靭なストッパーだが桃山大の川井の上手さの前に当たりの強さを生かせず。大庭は素晴らしい活躍をみせた。
桃山大は川井・森とタイプの異なる2トップが強力で、南茂がキッカーを務めるセットプレーからの得点も期待できる。中盤は毎年ながらタフな選手を揃え穴がない。江添と組むCB木村が今後どこまで通用するかが鍵か。この日は同大のFWが機能せず、木村の力はよく分からなかった。やはり今年は阪南大と桃山大の2強が関西の覇権争いの軸になりそうだ。
公式記録
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