雑感
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ポスターやテレビの広告で目に付いた程度に、カソリックのキリスト教組織カリタスに支援金を送っている。最近、画像の絵葉書とともに寄付の依頼が郵送されてきた。写真の赤ちゃんはシモンちゃんという男の子だそう。 お母さんが夫からDVを受けて、何とかカリタスの母子の家に逃げ込んできたという。赤ちゃんは2キロに満たない状態で生まれた。今回は、そういう母子を自立させるための支援金を募っているそうだ。 カリタスはいつも目的別に、たとえばアフリカのエイズにかかった子供支援や被災地域など、募金を募っている。
葉書の文面にはヘルマン・ヘッセの一文が掲載されていた。 Jedem Anfang wohnt ein Zauber inne. 「新しい命にはどれにも魔法が宿っている」 ヘッセの「メルヘン」という短編集に、「アウグスッス」というお話があって、子供は真っ白な状態、純真爛漫に生まれてくるので、美しい音楽とともに魔法使いが周囲で楽しそうに踊っているのが見えるというシーンがある。
アウグスッスのお母さんが彼を生んだあと、名付け親の魔法使いに、ひとつだけ願いを聞き入れてあげるといわれて、あわてて口にしたのが「この子がみんなに愛されるように」という願いだった。どんなに他人に意地悪をしても、ひどい行いをしてもみんなが彼を愛するのをやめないので、アウグスッスは人の心のわからない冷たい大人になっていく。彼は、自分から望んだわけではないのに、人々から愛されることに嫌気がさした。受ける資格がない 愛情に囲まれていることに人生の無価値を感じた。
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