雑感
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2001年12月23日(日) 比べっこなし

MOREという若い女性向けのファッション誌をめくっていた。
分厚い紙面の内容は、ファッション、美容、恋愛と若い人の関心の
高い話題が盛りこまれて、買わなきゃ、持たなきゃ流行に後れるよと
読者の購買意欲を誘っている。

同世代の若い女性が、似たような職場で、収入も平均的で少しだけ隣の
人より上をめざそうとする気持ちはわかる。
単一民族で消費が奨励される社会では、理想のライフスタイルという
ものさしを人工的に作って、モノを買って所有することで理想=幸せに
到達できるように仕向けている。パブル時代の頃は、クリスマスには恋人
と一流レストランでディナー、プレゼント、高級ホテルでお泊まりと、
ワンパターンな過ごし方を提供し、一つでも欠けていると幸せでない
ような印象を与えた。プレゼントの相場は何万円の、どこそこの
ペンダントなどと、真剣に話題になったことがあった。

多民族の価値観がばらばら、収入もライフスタイルも平均値がとれない
社会に身を置くと、比べっこということができなくなる。髪の毛も瞳も
肌の色も違うので、今年流行のと言われても、ぴんとこない。
おまけに、質素な生活をしている人が多いので、隣の人がシャネルや
プラダを身につけようが、自分には関係がないと思うのか、その分、旅行
や趣味にお金をかけている。

多民族の社会に暮らしていて、ほっとするのは自分が他人と幸せ比べを
しなくてすむことかなと思う。未婚でも既婚でも関係なし、子どもの
有無も、持ち家があるかないか、暮らしぶりを比較される心配がない。
単一民族社会での、理想の女性、妻、母、ファミリーというものさしから
解放されているのは長所かなと思っている。


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