雑感
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MOREという若い女性向けのファッション誌をめくっていた。 分厚い紙面の内容は、ファッション、美容、恋愛と若い人の関心の 高い話題が盛りこまれて、買わなきゃ、持たなきゃ流行に後れるよと 読者の購買意欲を誘っている。
同世代の若い女性が、似たような職場で、収入も平均的で少しだけ隣の 人より上をめざそうとする気持ちはわかる。 単一民族で消費が奨励される社会では、理想のライフスタイルという ものさしを人工的に作って、モノを買って所有することで理想=幸せに 到達できるように仕向けている。パブル時代の頃は、クリスマスには恋人 と一流レストランでディナー、プレゼント、高級ホテルでお泊まりと、 ワンパターンな過ごし方を提供し、一つでも欠けていると幸せでない ような印象を与えた。プレゼントの相場は何万円の、どこそこの ペンダントなどと、真剣に話題になったことがあった。
多民族の価値観がばらばら、収入もライフスタイルも平均値がとれない 社会に身を置くと、比べっこということができなくなる。髪の毛も瞳も 肌の色も違うので、今年流行のと言われても、ぴんとこない。 おまけに、質素な生活をしている人が多いので、隣の人がシャネルや プラダを身につけようが、自分には関係がないと思うのか、その分、旅行 や趣味にお金をかけている。
多民族の社会に暮らしていて、ほっとするのは自分が他人と幸せ比べを しなくてすむことかなと思う。未婚でも既婚でも関係なし、子どもの 有無も、持ち家があるかないか、暮らしぶりを比較される心配がない。 単一民族社会での、理想の女性、妻、母、ファミリーというものさしから 解放されているのは長所かなと思っている。
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