雑感
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ウィーンフィルの年17回ほど行われる定演はプラチナチケットと 呼ばれる。1月1日のニューイヤーコンサートはキングオブプラチナ といったところだろうか。手に入れにくいのは、ほとんどのチケットが 販売されないから。 大昔からのの古参会員のためのクローズドコンサートなので、一般的には チケットは入手しにくい。でも、定演は、キャンセル席を頼めば、たいて いの場合手に入る。値段も、高くても6〜8千円ほど。指揮者は一流どころ が呼ばれるので、日本のクラッシックコンサートよりも格段に安い。
ニューイヤーコンサートも、お金さえ払えば日本の旅行会社経由で入手は 可能。コンサートを見ていて気がつくひとも多いが、聴衆の日本人の含有 率が異常に高い。会員が旅行会社に転売しているのだろう。 今度のコンサートは小澤が指揮するので、日本人の聴衆の割合はもっと 増えると思う。 このチケットを手に入れるのに、1枚10万〜20万円近くかかると 言われている。たかだかワルツのコンサートに20万円は使いすぎだろう。 ワルツは樂友協会の黄金の間で聴くよりも、外でステップを踏みながら 聴くほうが合っている。 チケットが高騰するのは、買い手がつくからだけど、システム自体に 問題があると思う。コンサートに行かない会員は、チケットを 返還するべきで、旅行会社に転売して小遣いをかせぐようではいけない と思う。ご先祖さまの遺産をいつまであてにするのはよくない。
プラチナチケットといえば、バイロイトで行われるワーグナーの音楽祭 はもっとむずかしい。ワーグナー一族とコネがないなら、ワーグナー協会 か何かの会員になって、7,8年待つ必要がある。 チケットには個人名が書かれてあり、入場のさい、身分証明を提示する とか。転売できないようにしている。 バイロイト音楽祭は、歴史的に辛酸をなめたが、システムはとりあえ ず公平にしていると思う。
オーストリアは共和国になって80有余年になるのに、クラッシク音楽を めぐる社会は相変わらず閉鎖的空気に包まれている。 いつまでも首をかしげるような伝統に留まっている時代は終わりにしては どうかなと思っていると、階下のレストランから4分の3拍子が流れてきた。
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