yofukoの日記

2005年01月06日(木) 新年

あけましておめでとうございます。
昨年中は、皆様大変お世話になりました!
本年もどうぞ、どうぞよろしくお願いいたします。


と、もう新年なってから一週間経っておりますが
ご挨拶が遅くなり、失礼致しました!


昨年年末は、ぎっくりな腰が
風邪を引いたせいでしていた咳のせいで、ますます痛くなり
年越しの瞬間は、ベッドの上で這いつくばっておりました。
…幸先悪い年越しです(笑)。
しかもテレビでやっていた、新年の占い。
星座、干支、ともに最低ランク。というか12位。ハハハハハハ。

はは…は…

なんか、だいぶ笑えません。



ということで、今年の抱負?は
「健康第一!!」でお送りします。



しかし、ぎっくりしたせいで、皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました…
お誘いくださったmさん、
一緒に冬コミ行こうといっていたk−1ちゃん、mちゃん
クリスマス、わざわざ私の家まで来てくれたk−2ちゃん、yちゃん
バイトで一緒だったyさん
皆さんにごめんなさいーーーーーーーー!!!


ということで(は?)
新春早々、ブルーなssを書いて見ました。
ブルーです。
でもちょっとほのぼのです。
指輪物語です。

原作読んでないと、分からないかもしれません。
でも映画だけでも、多分分かります。
エルフが悲しみによって死に、
悲しみを癒すために、歌を歌うっていう予備知識だけあればモーマンタイです。
でもこの話ではエルフは死にません。


そんなこんなで、
お付き合いくださる方は、どうぞ!
縦長スクロールブリバリでお願いします!




――― ――― ――― ――― ―――

歌が聞こえる
沢山の歌
とてもとても 沢山の歌声

私達は、
エルフはどんな時にも、歌を紡ぐ
嬉しい時
戦に赴く時、悲しい時、恋情を伝える時
弔いの時

エルフは、歌を歌う
歌が気持を運ぶから
嬉しい気持
戦に赴く勇んだ気持、悲しい気持、恋情を込めた気持
弔いの気持


沢山の歌が聞こえる
綺麗な綺麗な声が聞こえる
沢山、沢山歌声が響く
気持を運んで、歌が響く






「…ロリアンを思い出すじゃないか、旦那。
 あの時もこんな歌が、森中を満たしていたものだった。」
「そうだね、あの時も彼らは歌っていた。
 そして私も、歌っていたよ」


あぁ、よく覚えている
と、ドワーフは髭を膨らませて、地を這うような声を出す。
お蔭で何度も眠りの邪魔をされたからな、と。

カラカラと声を上げて笑い、
それは悪かったね、エルフには目を閉じる眠りが必要ではないから
とやり返す。


「…しかしここは森じゃぁない。
 この石の都では、この歌声は響きすぎると思わんかね」
「そうかな?」

「そうとも!
 ――悲しみによって儚くなるエルフ
 その悲しみを歌に乗せるのは構わん。構わんが。
 死を運び去るほどの歌声を、これだけ延々と聞かされては
 こっちの気持がめいるっていうものだよ」
「うーん、それもそうだねぇ」


確かに自分が歌ってると気付かないものだねぇ
とエルフはこぼし
ようやくロリアンでの私らの迷惑が分かったか?
とドワーフが誇らしげに胸を張る。


そういえば

「あんたは、今回は歌わんのかね」
「私?私は歌わないよ」

「そうなのかね?
 ――今のあんたは、悲しみに包まれてはいないのかね?」
「うーん、悲しみとは違うかなぁ」


悲しいと言うか


「――寂しい、かな」
「――
 …そうかい。」


…そうだな。



「それにねぇ、
 これまで彼を散々からか…あ、いや
 いじめ…じゃなくて、えーっと、
 い、一緒に遊びに付き合ってもらったか」
「『彼を散々からかって、さらにはいじめたから』、
 …なんだね?」

「……一緒に遊んでもらったから、だってば」
「『いじめて遊んだから』」

「…ドワーフの根性悪」
「なんの。エルフの性悪には適わんよ」



だからどうしたんだね、エルフの旦那。

ドワーフが自分の腰掛けた縁の中から、花を一つつまみ出す。
指先でクルクル、まわすたびに花弁がこぼれ


いちまい
にまい


花弁がこぼれ



「だから、ね。
 たまには歌なんかで邪魔しないで、
 ゆっくり休ませてあげようかと、思ったのさ」
「…そういえば、ロリアンでは彼もぼやいていたなぁ。
 『…今は哀悼の意よりも、充分な睡眠が必要だ』ってな。」



さんまい
よんまい

ごまい



「――ねぇ、私は彼と一緒に入るうちに
 人間の習慣が身についてしまったみたいだよ」
「…そうかい」

「普通のエルフは、こんなことはないんだけどね」
「…そうかい」


ろくまい


「だから、父上には内緒だよ」
「…今回だけ、特別にな」

いってき

ななまい
はちまい

にてき
さんてき


「…まいったなぁ、
 ―――止まらないよ、止まらないよ、旦那」
「…そうかい」

よんてき


きゅうまい

ごてき
ろくてき


「…なんだ、旦那もじゃないか」
「……私も彼から、人間の習慣がうつったのさ」


ななてき
はってき


「うそつけ」
「…」






…仕方が無いだろう。
人との別れが寂しいのは、種族に関係ないもんさ
それが、親しい人ならなおさら

親しい人の死なら
なおさら





零れる花弁の数を
落ちた水滴の数が超えたとき
ドワーフは座っていた棺の縁から降り立った


これ以上彼の顔を濡らすわけには、いかないから
せっかくゆっくりと眠っている彼を
邪魔するわけにはいかないから









歌が聞こえる
沢山の歌が


沢山の歌は
その沢山の歌は
小さな雫の音など、すっかり隠し

ただ飛ぶ鴎の声だけ
白き塔の上を飛び越えた


「―――ねぇ、旦那?」
「なんだね」

「ここでは、旅の仲間は私たちだけになってしまったね」
「…そうさなぁ」

「というわけで」
「?」



「西に行った、勇敢なるホビットに会いに行かないかい?」
「…」




ドワーフはあきれ返ったように、エルフを見上げ
はぁぁぁ、と深い深い溜息をついて

私がなんと言っても、あんたは私を連れてく気だろうが

と、背を向けて歩き出す

スタスタと歩き去る後姿は
最後に一言付け足すのを忘れない



「我らが友を、最後まで見送ってからだぞ!」
「!!
 もちろん!」


ドワーフが扉をくぐる頃
エルフの歌が耳に届いた

耳に届いた歌は
外から聞こえる沢山の歌とは違い

それはそれは陽気な歌声で

ドワーフはまたしても
深い深い溜息をついて
そして、呆れたように笑った

きっと人間の友も
同じ様に苦笑していることだろうと、心で思いながら
蒼天に浮かぶ鴎を、見送りながら

――― ――― ――― ――― ―――



人間の王の死を見届けた、エルフとドワーフの旅立ち。
指輪物語追補でかかれていたこの場面を、
私的天然エルフと、苦労症ドワーフ、もっと苦労症人間の王でお送りしました。



私に言えるのは、只一言。


ご め ん な さ い !(書き逃げ)
(悪徳)




そのうち消します(笑)


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