さぁ、演奏会だ。集合が早いので朝早い電車に乗った。
隣には男子高校生(以下A君)。休みなのに、 部活でもあるのだろうか。 電車は特急の通過待ちで停車中。発車まであとちょっと 時間がありそうだ。
その時、電車にひとりの女子高生(以下Bさん)が乗ってきた。 こっちに向かって歩いてくる。そしてA君に 向かって言った。
「…、すみません…」
知り合いではないらしい。A君の向こうが半人分くらい あいてるから、座りたいのかな。 そう思って、自分と男子高校生は少し腰を浮かす 動作をした。
しかし女子高生の目的は座ることではなかったらしい。
「これ…」
何かを差し出す動作。横目で見てみると…! こりゃあ、アレですね
ラブレターデスネ!!
朝からなんという青春の一ページ。 いきなり視界が淡くなった気がした(←おじさんか)。
しかしA君、いぶかしげ。 『なんですか』とか言って、読みかけのマンガから 手を離し受け取る様子がない。
もらってやれよ!たぶん、「前から見てた」とか 「良かったらお友達に」とか書いてあるんだよ。 一生懸命渡しに来たんだよ。興味が無くても実は 彼女がいても、うれしそうにもらってあげてよ!
結局BさんはA君の手に押し込むように渡し、 足早に電車を出て行った。 (始終横目だったので本当に渡せたのかどうかは 確信が無い)
A君、見るそぶりも無し(受け取ってないのかな?)。 『ワンピース』がおもしろいんかもしれんが、 マンガよりラブレターを読んでくれ。 そんな光景が見たい。(←病んでるわけではありません)
結局A君は電車を降りるまでラブレターを見ることは 無かった。
いやー、ほほえましいね!(やっぱり病んでるんだろうか) |