皇帝の日記
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カルメールで、なんだかとっても良いレストランに行ったので、せっかくなので記録しておく。
カルメールのダウンタウンにあるホテル、オーベルジュというとこのレストラン。 日本の観光ガイドに載っていたのです。 12席しか無いとかなんとか。 でも電話したら、7席しか無いとか言われた。 減ってる。
予約は一ヶ月くらい前に入れないといけないの。 アメリカのたいていのレストランは即日予約なんだけど。 こういう予約の難しいレストランといえば、一年前から入れてたのに結局イサムさんの病気で行けなくなってしまったサンフランシスコのなんたらを思い出しますね・・・。 ふふ。
今回は4回めの結婚記念日というわけで予約したのだけれど。 あーなんだか嫌な予感・・・。
そう、ジャバ夫さんが風邪ひきました。 ばた。
私も風邪のひき始め。 でも、この機会を逃したら、絶対カルメールまでやって来てしかも子供らを誰か(療養に来ている義父母)に預けて出かけられるなんて事は、今後10年しても無いかも知れない。 うう。 というわけで、頑張って行く。 食事は修行なのか・・。 つらい・・。
食事にはシャンパンと、コース一皿一皿に合わせたワインのコースをつけまして。 食べ物はシェフに完全お任せ。 メニューは一応あって、我等夫婦の名前と記念日が印刷してあったりの演出。 メニューは使う素材が書いてあるだけで、別になんも選べないのだ。
席は10席ありました。 なんで微妙に勘定間違えてるのみんな・・。
お食事の味は、さすがと言うか非の打ち所がなく。 美味しかったです。 フレンチと和食のフュージョン。 そんだけの値段でした。 一瞬でも不味かったら、10席を全てのテーブルクロスひきをして「まちゃひこー!!」と暴れるところだ。 高級料理店のシェフって大変だな。 だって自分からハードルあげちゃうんでしょ。 値段設定で。
ワインも良かったけど、ソムリエがいちいち「こちらはカバの口の中のような香が」とか一々説明してくれるのよ。 カバの口の中は知らないわー。
シャンパンの説明は「アホみたいに高級な味です」。 ストレートですね・・・。 シュッとしてました。
最後に席を立つ前に、「シェフがご挨拶したいのです」と。 きたー。
今まで良いレストランに行っても、行く我々がどうでも良いような格好をしているせいか、テーブルマナーが北欧ヴァイキング並なせいか、一度も挨拶イベントは発生した事が無いのに。 シェフが、シェフが来るの!? と思ったら、こっちが席を立たされ、キッチンに案内された。
え。
まさかの。 そう言うもんなの? しかもキッチンに行く前に「シェフはシャイな無口ヤローなので、そっとしておいて下さい」とか言われる。 ええー。 そんなん怖いわー。 挨拶したいって言ったのはそっちじゃないの? なにそれ。 今流行のツンデレとか言うヤツ? ツンデレシェフなの? トキなの??? ニッポニアニッポンなの????
ドキドキしながら厨房に入ると、今そこで料理を作ってるとは思えない程クリアーなキッチン。 なんもないと言える程の綺麗さ。 うーん。 そしてこちらに背を向けて作業しているシェフ。 一皿に5人掛かりで取りかかっている、何十人もの料理人達。 駄目だ。 目を合わせたら死ぬ。 呼ばれたのに、息を殺してたたずむ我々。
ウエイターさんがそっと「シェフ・・」と囁くと、ようやく振り向いたシェフ。 おお、普通な感じだ。 だがシェフの口から出て来たのは、なんというか聞き覚えのあるベチャベチャした音。
フランス、万歳。
オスカル様。 英語しゃべれないんですか?
なんとなーく薄笑いをへらへら浮かべたまま、握手して「とっても美味しゅうございました」と立ち去る我等。
なんなんでしょうね。 誰か「タイプ別、シェフが挨拶をしたがったら」攻略本を出して欲しい。
なんなのシェフの挨拶って・・・。 まあ面白かったから良い。
皇帝
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