凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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2015年03月12日(木) |
卒業式 (子供 日常) |
去年までアイが着ていた制服がテレビのニュースに映っていた。 中学の卒業式だったらしい。 もう一年、まだ一年。でもなんだか遠い昔のような気もする。
小学校に続いてアイにとって苦痛でしかなかった中学生活。 卒業式の後も、記念撮影をしたりして盛り上がる子供たちの中に、アイもそれなりに紛れ込んではいたが、帰りは私と二人で帰った。
卒業式なんだから、友達と帰るもんじゃないの?
自分は、中学生活を振り返りながら、 違う道を進む友達との別れを惜しみながら、 いつまでもこの帰り道が続けばいいのに、と思いながら、 他愛もない話に笑ったりしながら、 帰った気がするんだけど。 最後に皆で遊ぼうって話になって、友達の家に集まってお菓子を持ち寄って遊んだ記憶が。
アイは私と並んで歩きながら、「この家、チョコレートケーキを連想しない?」と小さな集合住宅を指差して言う。 「あぁそうだね。絶妙の色あいだね。部活帰りの空腹時とかにここを通るのは辛かっただろうね」と言うと嬉しそうに笑いながら「そうでしょ?ずっと思ってて、誰かに話したかったんだ」と言う。
そんな些細な事すら、話す友達がいなかったのか。 三年間、この道を、いつも一人で歩いていたということか。
どんなにつまらない三年間だったのだろう。 不憫で不憫で、哀れで情けなくて可哀想で切なくて 卒業式とは違う意味で、親として泣きそうになった。
春休みは街中で、卒業したアイの同級生達が集まって遊んでいる姿をよく見かけた。 アイは一人ずっと家でネットとゲームをするだけだった。
あれから一年。
高校生になって、アイは初めて誕生日にプレゼントを貰って帰ってきた。 義務教育時代には無かった事。 「アイに会えて良かった!生まれてきてくれてありがとう!」などという熱烈なメッセージカードやかわいい手作りカードをいくつか貰ってきた。 「●先輩はコンビニデザート奢ってくれた」とか 教室では女子が全員でハッピバースディを歌ってくれたそうだ。 「このクラス大好き!」と嬉しそうにアイは話してくれた。
良かった。 第一志望の道ではなかったけれど、今の学校での生活は、とても楽しいものらしい。 「高校受験で失敗して」という言葉を耳にするけど、アイにとっては失敗ではなく、「友達」という、今まで欲してやまなかったものが手に入ったとても良い道になったようだ。
アイはしっかり、蒔かれた所で咲こうとしている。
頑張って
暁
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