凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

もくじ前の日次の日


2008年09月11日(木) ぽにょ

アユムのリクエストでぽにょを観てきた。

感想は、というと、随分シンプルな作品だったなぁといった感じ。
今までの作品が「物語」だったのに対してこれは「絵本」
子供向けの魔法のお話。


N●Kの「プロフェッショナル」で宮崎氏の特集をやっていたのを観たので、先入観で観てしまったのもあるかもしれない。

番組では宮崎氏の母親が気が強い人だったけれど、病弱で寝たきりで、子供の頃に抱っこをせがんでも母親は氏を抱く事が出来なかった云々のくだりがあって、それで屈折した子供になった、というような話があった。
氏のお兄さんが「一人黙々と絵ばかり描いている子で、弟は大丈夫なんだろうかと心配していた」とインタビューに答えていた。

氏の作品の女性像は常に母親が反映されている、というのは聞いていた。
だから、皆、強くたくましく優しく男を守って助けてくれるんだと。
それは氏のファンタジーの世界の中で、とても素晴らしい理想の母親像だった。

ぽにょが今までの作品と違ったのは、ファンタジーではあるけれど、話の設定を現代に、それもトトロのように昔でなく、比較的今の時代にした事で、夢の部分のバランスが崩れた気がする。
中途半端に現代に引き戻されて、なんだか突っ込みどころ満載な気分になってしまう。
おまけに主人公は自分の子供と同じ年齢の設定。
子供は物語にのめりこんで楽しんでいたが、こちらはいかんせん大人なので、子供を守る大人の目で観てしまう。
あぶないでしょそれは、どうして子供だけにそんな事させるの、どうして大人は助けないの、etc。

そこが男性が作ったお話だからだよなぁと。
どんな危ない時もお母さんは大丈夫だし、強いし、守ってくれるし、分かってくれるし。
その男や子供の都合のいい解釈というか、その人達にとって当たり前の要求に応えるよう母親もどれだけ頑張っているか。
嵐の中でも津波を乗り越えてでも車を走らせるなんて私には無理。


アニメが観れなくなったのは、私が大人になったから。
もう「守ってくれる誰か」を求める子供のおとぎばなしには感情移入できない。
大人から観ると、そこに「守ってあげなくてはいけない誰か」の想いが渦巻いているわけで、私にはそれが重くてしんどくてならない。
勿論、大人なんだから、それらの思いを受け止めてあげなきゃいけないわけだけれど、我が子で精一杯。
その点では情けない事に、器の小さいまだ未熟な大人なのだ。

ぽにょを観ていて、氏は母親にこういう風に甘えたかったわけかぁとか、こういう風に夢見たわけかなぁとか、TVによって要らぬ想像力を養われてしまって作品を素直には観れなかった。
母親への満たされないまま鬱積した数々の想いを、作品にぶつけて浄化している感じ。
おかあさんおかあさんおかあさん、とそれらの想いが、母親である私には重かった。
プロフェッショナルを観なきゃ良かった、と後悔。
でもあの番組、好きなんだもの。


アユムにとっては、主人公と同じ年齢の時にこれを観たのは、共感しやすくて良かったのかも。
TVCMが流れるたびに「ぽにょ、そうすけすきー!!」と叫んでます。








My追加