凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

もくじ前の日次の日


2008年09月08日(月) コウモリ

今年のお盆は夫のお姉さんの嫁ぎ先へ一泊させてもらった。

お義姉さんはご主人の実家にご主人のお母さんと同居している。
「今年は仕事を辞めて家に居るから一回泊まりにおいで」と夫に話していたそうで、せっかくなのでご好意に甘えさせていただく事に。

お義姉さんとあちらのお母さんとはあまり仲がよくない、と聞いていたので、自宅に二人顔を合わせる時間が増えて苦痛なんだろう…と察しもついたので。


お邪魔させていただくと、私はほぼ初対面のあちらのお母さんは、ごく普通の田舎のおばあさんといった感じだった。
控えめに挨拶して控えめに食事して控えめに自室に退席される。
うちの田舎のおばあさんは得てしてこうしたもので、接客はもっぱらその家の男性で、女性は台所か隣の部屋で食事の準備やら待機やらで表には出てこない。

しかしお義姉さんはことごとくこのお母さんの存在を見事に無視する。
「耳が遠いから都合が悪い時は聞こえないふりするのよ」と憎憎しげに言う。
それは耳が遠くなった、という哀しい事実の唯一の利点というか、使いどころだし、そうしていく事が年寄りの知恵と思うので仕方ないとは思うけれど、同居していると「仕方ない」で片付けられない事も多々重なるんだろうなぁ…と黙っておく。

お義姉さんは、自分の母親が人間的にとても素晴らしい良い人なので、どうしてもこの義母を比べてしまい、うちの母親に比べてなんてこの人は…!と腹が立つのだそうな。
夫の生家は弟夫婦が同居してくれている。
その、同居している弟嫁に「うちの父親は口煩くてどうしようもないけど、お母さんは良い人だから、ごめんね、父親の態度だけは辛いと思うけど我慢してね」と話していたそうだ。
「だってうちのお母さんは良い人だから」とお義姉さん。

でも、そのお母さんの「あぁいう所がイライラして仕方ないの」と弟嫁は私に話していた。
「腹が立って泣く事もあるけど、年取ったら面倒見てもらう身だから我慢している」とお義母さんは私に弟嫁の事を話していた。


里帰りで何が疲れるかって、道中の運転もだけれど、この、愚痴の聞き役も精神的に結構くる。
皆が皆、私に日頃の愚痴を話す。
私は一応親族なので、内情はある程度データとしてあるわけで。
家庭内の話も通じるので愚痴を話しても理解できる。
おまけに何が最大の利点かというと、私から、この愚痴が周囲に広がる事はないので、安心してぶちまけられるというわけだ。

実際、地元の友人からはそう言われた。
「暁に話しても、地元に住んでないからそれが噂になって広まる事はないし、安心して愚痴れる」と。

なるほど、と思った。
地元に住んでいる苦労。同居の苦労。人間関係の苦労。
それらをそこに住んでいない私にぶちまける事が、そこに住んでいる人達のささやかなストレス発散なんだなぁと。

私の役目はこの愚痴の聞き役。
熊のヌイグルミみたいなもの。
聞くだけで、助言してはいけない。
「でもそのお義母さんの事、弟嫁さんは嫌ってますよね」なんていっちゃいけない。

そしてぶちまけられたストレスを、私はどこへも持っていく事もできず、一人胸に抱えなんだかなぁ…と思っておくわけ。

コウモリです。
皆の間をフラフラ飛び交えばいいだけなんです。

どっちつかずです。
中途半端です。





My追加