凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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集合住宅の玄関付近でアユムを遊ばせながらアイの帰りを待っていると、幼稚園仲間だった奥様が出てきた。 下のお子さんが今年から年少で通園している。 アユムが入園するときは年長だから、一年間だけは一緒に通園させてあげられるわけで。 奥様とおしゃべりしてると園バスが到着。
生まれたてのアユムを抱いて、毎日このバスを見送ったっけ。 園バスの運転手さんは笑顔の優しいおじさんで、そんな小さなアユムにいつも手を振ってくれていた。 腕の中で抱かれているだけだったアユムがベビーカーに乗って待つようになり、自分で立って待つようになり、そうして運転手さんが自分に手を振ってくれている事にやっと反応できるようになった頃にアイが卒園。 それでも、時折すれ違う園バスから、路上に私とアユムの姿を見つけると、運転手さんは笑顔で手を振ってくれていた。 アユムが入園すると、またこの運転手さんのお世話になるわけよね。 あの赤ん坊だったアユムが、バスを見送る側じゃなくて、見送られる側になるわけだ。 運転手さんと会話も出来るようになるわけか。 なんとなく感慨深く、その日を楽しみにしていたが。
運転手さんは違う人だった。 今日はお休みなのかな…そう思ってバスから降りるMちゃんと迎える奥様の姿をちょっと離れてみていたら、バスの後部座席の窓が開いて、いつもの運転手さんが身を乗り出して声をかけて下さった。 「私、今日までなんですよ。」
え、そうなの?なんでこんな時期に?驚いたまま「え?そうなんですか?!この子も再来年入園予定なので、またお世話になるのを楽しみにしてたんですが」と返す。 運転手さんは笑顔のまま「お世話になりました」と頭を下げてくださる。 「こちらこそ、有難うございました」と頭をさげ、バスは去っていった。
えーそうなのかーちょっと残念。ってか、結構がっくり。
特に話をした事もない私達親子の事を覚えていてくださって有難う。 最後の日に偶然会えて本当に良かった。 あぁでも本当に残念。
暁
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