凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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夫の叔母からもらった手作りの雛人形を出す。 木目込み細工というのか。 手芸関係に疎いので分からないけれど。
帰宅した夫が見て「これ、買ったんだっけ?」と聞く。 お正月に、あなたの叔父さんがお年始に飲みに来いって声を掛けて下さって、それで行った時貰ったんじゃない。 ちゃんと「ほら、これ叔母さんが作ったんですって。いただいちゃった。」と叔母さんの目の前であなたに見せたのに。
「そうだったっけ。」 信じられない。あんなにしっかり見せて、あなたも社交辞令風とはいえ叔母さんの器用さに感心の声をあげていたのに。 「俺は覚えても意味がないものは覚えないもの。」 あっさり言い捨てる。
夫は物忘れが激しい。 私やアイが頼んだ事は見事に記憶してくれていない。 日常の会話でも「前、行ったじゃない」とか「そうじゃない。こうだったよ。」と彼に何度も説明したりしてうんざりする事が多い。 つまり、覚える価値がないので彼は故意に覚えていないわけなのか。
忘れっぽいだけの人と思っていた。 だから繰り返される同じ質問にも同じ失敗や出来事も我慢してたのに。 それが彼の故意によるものだと、「愚にもつかない」と切り捨てられた事柄なのだと分かったわけだ。
朝、アイが昨日幼稚園で作った絵がテーブルに放置されたままだった。 昨夜、何度も壁に貼ろうとするアイに夫が「後で自分が張るからやめろ」と何度も中断させていたものだ。 今すぐやる必要性がなく、後でやろうと記憶しておく価値もないものだったわけか。
黙って一人、アイが貼りたがっていた場所に貼った。 起きてきたアイがテーブルの上のそれを見つけて失望しないように。
夫は自分が張り忘れていた事も、アイが張ろうとしていた事も覚えていないだろう。 ましてやそれが保育参観でアイと私が二人で作ったものだと云う事も。
たしかに、そんなのどうでも良い事だ。 飾る意味も無い。 捨ててしまっても生活になんの支障もないし。
夫から見ると私の周りは無意味なものばかりなのだろう。 私から見ても、私にとっては無意味なものばかりだ。けれど。
なんだか夫と生活するのが空しくて仕方ない。
暁
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