夕暮塔...夕暮

 

 

消えて - 2005年01月16日(日)

どうかまだ触れないで消えてしまうから響くこととは違う温度で


どうか触れないでね崩れてしまうのがこわいから 君の熱はナイフだ



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目覚めたら - 2005年01月14日(金)

明日は仕事のあと新年会。雪が降るらしいのでブーツを清めてから再度防水スプレーをかけて、明後日結ぶ帯と帯締め、帯揚げを選ぶ。お着物と長襦袢は少し前から吊してある、白銀の美しい地紋入りの生地に淡い桃色の雲が流れて、梅をメインにした花の模様が小正月らしいと思う。少し渋い色合いの螺鈿入りの帯と派手なのとでしばらく迷ったけれど、時期を考えて、金糸銀糸の刺繍あでやかな大柄の御所車の袋帯に決めた。明るい反対色の帯締めと帯揚げを用意すれば概ね準備完了。明日目覚めたら、積もっているかな。


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夢の波が - 2005年01月07日(金)

夢の波がしりぞく音にふるえてた君に会う理由なくす三月



三月には聴くのでしょうねこの夢の波がしりぞいてゆく空音を





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年明けて - 2005年01月02日(日)

例年1月2日に設定されている父の初ゴルフは、今年も降雪のために流れてしまった。ここが雪国であることを考えたら、負ける確率が高すぎる賭けなのではないかと思うのだけれど、どういうわけだかゴルフ仲間の間では決して譲れない大事な日付けらしい。その日だけは各自全力で予定を空けておく代わりに、どの人も多忙で代替日をなかなか見つけられないのだそうで、年の瀬が近づくと年明けの天候を気にかけるようになる。
そうして本日の予定がぽっかり空いた父と、むしろ大歓迎ムードの妻と娘達とで買い物に出かける。シャネルで妹が選んだ珊瑚色のピアスは、あの有名すぎるブランドマークがついたデザインではなかったので、かなりほっとした。私はスパンコールのついたカーディガンとレザーのブーツ、必要と思っていたものだったので、ちょうどいいのが見つかって嬉しい。


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柚子の香 - 2004年12月30日(木)

柚子の香の霞まどかにけぶるころ 雪は降る きみの鼓動を模して




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頂きものが沢山あるので、毎晩柚子湯。実をくるんだやわらかいタオル地の袋をすくい上げると、肺の内まで澄むような香気が寄せてくる。壁と天井の檜が柚子の香りの湯気にあたためられて、何ともやわらかないい香りが広がる。




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磁針 - 2004年12月25日(土)

こわいでしょう それでも磁針は揺れていて先へ進めといつも急かせる




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左目の下数センチの所に小さな擦過傷、その傷どうしたのと尋ねられて「シャンパンのコルクが」としぶしぶ答えてみれば、同僚はいつまでも楽しそうに笑っている。あれは本当に痛かった。それはいいとして、今冬はあまりに暖かくて実感が湧かない感じだけれど、いよいよ年の瀬が迫っている。誰よりも自分のために長い冬休みを設定した上司はインド豪遊の旅、私はしばらくの休息を。


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渦の中に - 2004年12月18日(土)

渦の中にいる時はきっと気づかない そういう仕組みに皆できている



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雪の香 - 2004年12月17日(金)

午前2時の銀杏並木は雪の香に満たされて淡きひとひらを待つ




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深夜の街角は突然に真冬の匂い、驚いて空を見上げれば、仄かに輝くような濃紺の清夜。もうじき雪が降りてくるだろうか。疲弊しきったようなのに、どこかあきれるくらい澄んでいる。


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虹色に - 2004年12月03日(金)

虹色に透き通る泡のただ中に沈んでくような夕暮れが降る




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深みへ - 2004年11月29日(月)

あなたへと柔らかな風がおくられるように祈れば秋は深みへ


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